稼動事例 - 現場で出た廃棄物をその現場内でリサイクル

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自走式土質改善機 リテラ

河川浚渫土を、
自走式土質改良機リテラで改良

瀧重機土木株式会社

瀧 元宏 土木次長

使用機種の紹介

BZ200の写真BZ200

浚渫泥土はパイプで土砂箱(プール)に送られる

上澄み水を除いた浚渫土はPC220でリテラに投入される

静岡市の巴川浚渫現場

リテラに投入前の浚渫土

リテラから排出された改良土

続々と改良土が生み出される

処理困難な浚渫土の改良にチャレンジ

徳川家康が徳川幕府の“大御所”として、天下ににらみをきかせていたのが現在の静岡市(当時は駿府)。家康が住んだ駿府城は、二つの川の合流点にある小高い山の上に築かれていた。自然の地形を考慮した家康ならではの周到な立地である。家康は将軍職を退いた後も治山治水に取り組み、駿府の町をより住みやすい町にしていったという。現在も温暖な気候に恵まれる静岡は、日本屈指の住みやすい町として知られる。

この町に巴川という川がある。市内を流れるほかの川は砂礫混じりの河床だが、この川は湿地を流れているため河床に泥土が溜まる。したがって、定期的に浚渫してやらなくてはならない。これだけでも大変なことだが、浚渫した泥土の処理というもう一つの問題にぶつかる。

河川などを浚渫した泥土は、法律上は産業廃棄物ではないのにも関わらず、従来は適切な改良方法がないことや、建設発生土に比較して性状が泥土状のため取り扱いが困難であることから、有効利用されてはいなかった。また、場外に搬出するにしても、ダンプから道路への散乱が問題になるなど、従来は余り適切に取り扱われていたとはいえない。

なんともやっかいな性状であるが、その処分に乗り出した会社がある。地元の瀧重機土木株式会社だ。同社では「自走式土質改良機リテラ」を使って浚渫土を現場で改良し、発生土としてストックヤードまで運ぶことにしたのである(発生土の有効利用はほかの業者が担当する)。さっそく、「リテラ」が浚渫土を改良している現場を訪ねてみた。

スタビライザをはるかに凌駕する処理能力

現場には静岡県静岡土木事務所の「巴川総合治水対策・麻機遊水池」の看板が掲げられていた。付近一帯を整備し、遊水池として市民に開放することになっているという。整備はまだ途中だが、枯れ葭の中で「リテラ」は孤軍奮闘していた。

現場で指揮をとる瀧重機土木の瀧元宏土木次長は、「公共工事に初めてリテラを取り入れてもらったので張り切っている」と語る。

「浚渫土を改良するのですが、非常に含水率が高いんです。浚渫土は、約1キロ下流からパイプで圧送し、いったん土砂箱(プール)に仮り置きします。そうして、1、2日置いて上澄み水を捨て、リテラに投入します。このとき、有機質土用のセメント系固化材を加えます。固化材の添加率は数回のテストを経て、静岡県が決定しました」

ゴボッ、ゴボッと大きな音をたてて浚渫土が送られてくる。パイプから土砂箱に落下する時、跳ね返って箱の外に飛び散るほど含水率が高い。少し固めの泥水といったところか。すでに満杯となった土砂箱をのぞくと、表面に水が浮いているのがわかる。この水を取り除いてリテラに投入するわけだ。

PC220が上澄み水を除いた浚渫土をすくってリテラに投入する。この段階では、まだ水がしたたっている。とてもダンプに積んで運搬できる状態ではない。仮に積んだとしても、道路に浚渫土をまき散らすことになってしまう。

「この付近は環境がいいところで、野鳥がいたり、珍しい植物があったりするんです。そんな環境に配慮して、現場で土質改良ができるリテラを採用していただきました。県からは“ダンプに積める状態にしてくれ”と言われています」(瀧土木次長)

リテラに投入された浚渫土は固化されて排出される。まだ多少の水分を含んでいるが、運搬の途中で道路を汚す心配はない固さだ。少し離れたところにあるストックヤードで養生されるため、発生土として利用されるときには十分な固さとなる。

現在、瀧重機土木が処理している浚渫土は約2000m3。これを1日に150m3を目安に改良していく。工期は2週間といったところ。

「リテラは能力がありますから、楽々こなせる土量です。隣の工区ではスタビライザを使って浚渫土を改良していますが、効率という点ではリテラと比べものになりません。スタビライザはセメント散布、混合と二度手間になりますが、リテラだと浚渫土を直に投入しさえすれば、誰でも一定の品質に改良できますからね」

瀧重機土木には、リテラを使った土質改良の実績がいくつもある。なかでも、静岡県三島市の商業団地の駐車場造成工事は、リテラの特性を最大限生かしたもの。当初、この工事では掘り出した土を捨て、新しい土で埋め立てる予定だった。ところが、ダンプの出入りが多くなりすぎるため、その場で土質改良ができるリテラが採用されたのである。

この実績が認められ、瀧重機土木は静岡県から公共事業の発生土を埋め戻し材として使用することを承認された。次いで掛川市の第2東名高速の工事でも、リテラを活用する工法でトンネルのズリを改良し、盛り土に使った。

また、前出の浚渫土の改良工事でも、さらに高いレベルの仕事を確立している。ますますリテラの活躍の場は広がりそうだ。