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自走式土質改良機 リテラ

リテラによる土質改良工法のスタンダード化を推進し、「環境の世紀」への生き残りを賭ける

株式会社山隆組

伊藤敏夫 代表取締役社長

(新潟土質改良推進協会会長)

本社:新潟県五泉市

五十嵐建設株式会社

渡辺富男 代表取締役専務

(新潟土質改良推進協会副会長)

本社:新潟市

秋葉建設興業株式会社

五十嵐策二 代表取締役

(新潟土質改良推進協会協会員)

本社:新潟県新津市

秋葉建設所有のストックヤードで、能代川工事で発生した軟弱土の土質改良を行うリテラ。

この日は2台が並んで稼動していた

2003年5月22日、とある協会が新潟県で産声を上げた。「新潟土質改良推進協会」。「建設発生土の再利用の工法において自走式土質改良機工法の推進を図る」(協定書第一条より抜粋)という同協会には現在、県内に本社を置く自走式土質改良機リテラを保有している会員企業5社が名を連ねる。結成メンバーである3名の経営者にご参集いただき、協会設立の経緯とリテラ土質改良工法の未来についてお話を伺った

健全経営の維持のため技術力の向上を目指す

― まずは、自己紹介をかねてリテラ導入のきっかけからお聞かせください。

伊藤(株式会社山隆組社長) 当社は土木・建設業のかたわら、新津市に汚泥リサイクルセンターを立ち上げ、リテラを活用したプラントを稼動させています。リテラの存在を知ったのは3年ほど前、福岡県の汚泥処理施設を見学したときでした。そこでは、河川浚渫土の土質改良にリテラを活用していました。これだ! とひらめき、新潟に帰ってすぐに発注しました。導入が2001年の3月。当地域では、私の会社が一番早いんじゃないかな。

渡辺(五十嵐建設株式会社専務) うちは1カ月遅れでした(笑)。56年創業の当社は、これまで土木工事を中心に事業展開してきました。かねてから、建設発生土を有効に活用する方法はないかと考えていたこと、さらに公共事業の減少に影響されにくい、新しい事業を立ち上げることが、雇用対策への貢献になるということも考えて、リテラの導入に踏み切りました。山隆組さんと親しくなったのはその後で、いわば「リテラつながり」というわけです。

五十嵐(秋葉建設興業株式会社社長) リテラ導入の直接のきっかけは、後ほどお話しする能代川掘削土改良工事の受注でした。とはいえ、リテラに関していえば、当社はまったくの便乗組(笑)で、お二人のご苦労のおかげで現在があると思っています。

伊藤 恐縮です。

渡辺 秋葉建設さんは私の先代からのお付き合いで、父親のような存在です。今回の協会設立にあたっては、まとめ役として大変お世話になりました。

― では、協会設立に至った経緯についてお話しください。

伊藤 リテラは決して安価な機械ではない(笑)。この機械を使った工法を県内に普及させるためには、個々の営業努力も大切ですが、むしろ機械を保有する会社同士が協力しあって、建設発生土のリサイクルという、いわば「時代の要請」を前面に押し出して営業を展開する方が効果的と考えたんです。その観点から、リテラ土質改良工法の普及と認知活動を目的として、協会を立ち上げたわけです。

また、この厳しい経済環境下で、収益の向上を図り健全な経営を維持していくためには、技術力の向上が欠かせません。この点でも、リテラを保有する会社が知恵を出しあって協力していこうということです。

工事規模の問題も解決を図れます。大量の建設発生土を改良する場合でも、協力し合えば、今回のように4台投入して土質改良することも可能。協会の設立は、スケールメリットもあるということですね。

― では、能代川・小阿賀野川掘削土改良工事の概要についてご説明ください。

五十嵐 00年の7月、下越の村松町・五泉地区を中心に記録的な集中豪雨に見舞われました。能代川が決壊し、各地に床下浸水などの多大な被害をもたらしました。能代川は別名「九十九曲川」と呼ばれるほど屈曲が多く、出水時にたびたび氾濫をくり返し、新津市内にバイパスルートを新規に設けるなどの整備が行われた経緯もあります。

しかし、その年の豪雨は、河川整備の終わった新津地区より上流の地区に集中したため大きな被害が出た。そこで、今回の災害復旧事業が立ち上がったわけです。川底の掘削や川幅の拡幅、また、堤防の築堤や新たに河川を掘削(バイパス化)する事業で、総工費は476億円、工期5年間(05年3月完成予定)という大工事です。

工事に当たっては、約200万m³もの膨大な掘削土が発生する。その一部は再利用可能な土ですが、粘土のような軟弱土質も大量に発生します。ところが、残土置き場がどうしても足りない。たまたま、現場から10kmほどのところにうちが所有する山があったので、ストック場として貸すことになり、最盛期には約30万m³ほどお預かりした。今年4月からはこの残土を能代川築堤用改良土などに再利用しています。

といえば、運が良かったと思われるかもしれませんが、発注元にリテラ土質改良工法を利用していただくまでの経緯には、伊藤さん、渡辺さん達の大変なご苦労があったんですよ。

地道な啓蒙活動を通じ2年がかりで得た市民権

伊藤 購入当初は、我々自身、工法的に分からないことも多く、また業界でも「リテラ土質改良工法って何?」という気分が強くありました。そこで、まずは知ってもらうことから、ということでコマツ新潟さんの協力をいただきながら取り組んだのが、リテラ土質改良工法の普及・啓蒙を目的としたデモンストレーション活動でした。

01年6月、当社の汚泥処理プラント建設用地に官庁関係、民間など143名もの方々に集まっていただき「リテラ土質改良工法実演会」を行ったのが最初でした。以後、リテラ土質改良工法で初受注したW杯サッカー場サブトラックの地盤改良工事現場見学会など、機会があるごとに地道な啓蒙活動を展開しました。

渡辺 ところが、この工法が有効であるという数値上のデータを示しても、前例や実績が少なく、リテラ土質改良工法はなかなか認知されませんでした。しかし、今回の能代川工事での採用で、まさに市民権を得た思いです。光明が見えるまでに、丸2年を要しましたが、これからはリテラ土質改良工法の時代が来ると確信しています。

― では、最後に協会としての今後の展開と抱負をお聞かせください。

伊藤 冒頭にも述べたように、この工法を普及させるには一社では不可能です。リテラを導入し、入会された企業の皆さんが、この協会に今後も蓄積されていく技術や情報を活用し、各々の地区で活躍していただけるような相乗効果を高められる協会にしていきたいですね。

渡辺 決して排除の論理ではなく、適正な市場ルールと秩序を協会の方で調整しながら、共存共栄をはかっていきたいと考えています。協会員の皆様がリテラを効果的に活用し、共存共栄をはかれる調整弁の役割を持つ協会にしていきたいですね。

五十嵐 当社でも生ゴミ処理機を開発していますが、環境に関する法規制の法の例を引くまでもなく、再資源化は今や、業界での生き残りをかけた重要なテーマになっています。

伊藤 そういう意味でも、リテラという混合装置の特性を活かせるリサイクル分野が、改良土以外にもないかと情報のアンテナをはりめぐらせて、新たな用途を積極的に開拓していきたいところですね。

渡辺 結局それが、社会貢献にもつながるわけですからね。

― 本日はありがとうございました。