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兵庫県豊岡市にある株式会社川嶋建設は、2010年、兵庫県下の企業では初めてコマツのハイブリッド油圧ショベルHB205を導入した。環境共生都市をめざす地元自治体と一体となり環境への取り組みを進めている。

兵庫県下の企業として初めてHB205を導入

代表取締役社長  川嶋 実 氏
代表取締役社長 川嶋 実 氏

2011年1月、豊岡市に本社を置く川嶋建設は同市の協力のもと、コマツのハイブリッド油圧ショベルHB205の試運転をイベントとして市民に公開した。これは鶴岡橋(日高町)架替工事の現場説明会に合わせて行われたものだが、ここで、実機のデモンストレーションも公開された。豊岡市のマスコット・コウノトリの「コーちゃん」や、ご当地キャラクターである玄武岩の「玄さん」も応援に駆け付けるという趣向で、参加した地域市民や子どもたちも大喜びで、大変な盛り上がりとなった。

川嶋建設は、1889(明治22)年に豊岡市で創業した。現在、従業員は151名を数え、ダムや空港、高速道路の建設など、兵庫県下を中心に幅広く土木・建設工事を展開している。同社では2010年末、HB205を兵庫県の企業としては初めて導入した。導入に至るタイミングを代表取締役社長の川嶋実氏は、「まさに啐啄同機(そったくどうき)」と表現する。「啐啄同機」とは、卵の中でひながかえろうとしているとき、殻を内側から打ち破ろうとつつくと、親鳥がそれに合わて外側からつつくことで、ひな鳥を新しい世界へ送り出すことができるという禅の言葉。親鳥のつつくタイミングが早すぎても遅すぎてもひなは生まれない。

ハイブリッド機の導入が社員の意識も変えた

豊岡市は、日本で絶滅したとされるコウノトリの人工繁殖に成功したことでも知られ、現在、コウノトリの野生復帰事業に取り組みながら、環境共生都市をめざしている。すでに、環境と産業を組み合わせた事業モデルによる経済効果も生みだしており、2010年10月、名古屋で開催されたCOP10(生物多様性条約第10回締結国会議)でも大きく取り上げられた。

「低炭素化社会を実現する企業努力が求められている今、地域のリーダー的立場を担っている企業として、豊岡市の取り組んでいる環境政策に協力していこう」と考えていたまさにそのとき、コマツのハイブリッド油圧ショベルHB205発売のニュースが飛び込んできたのだという。地元の経済運営政策の方向性と企業の将来へのビジョン、さらにHB205の発売の三者が「機を得、相応じる」と川嶋氏は直感したのである。

ハイブリッド機を導入した際、従来機に慣れたオペレータは、当初違和感があったというが、何より、燃費が実測で50%近くも改善されたことに驚いたという。川嶋社長もそれを聞いたときには、耳を疑ったと笑う。それ以降、通勤で使う車をハイブリッド車に換えるなど、社員の意識も変わった。

環境マスコット・コウノトリの「コーちゃん」と、観光マスコット・玄武岩の「玄さん」イベントには、近隣住民を中心に約200人が来場
イベントには、近隣住民を中心に約200人が来場。環境マスコット・コウノトリの「コーちゃん」と、観光マスコット・玄武岩の「玄さん」も
応援に駆け付け、会場は大きく盛り上がった。

もともと、環境に対する意識が高い土地柄ということもあり、社員が自分たちの問題として、環境へ関心を寄せていたことも、ハイブリッド機導入のモチベーションとなった。実は今回のイベントも、社員たち自らが企画し、豊岡市の協力のもと開催にいたったのだという。

受け継がれるスローガン「風景になる、仕事。」

環境や地域への思いは、何も今に始まったわけではない。

川嶋建設では、以前から古民家再生事業を展開している。1995年に発生した阪神・淡路大震災により、歴史ある住宅や施設が倒壊したが、それらを復元できないかという地元の要望に答えるかたちで、事業化したものだ。「建設業は古いものを取り壊して、新しいものをつくるという側面があるが、歴史や文化を伝えていくことも建設業の役割だ」と川嶋氏はそのときを振り返る。社員のなかに、熟練の大工がいたこともチャレンジに踏み切った理由だ。築300年の造り酒屋や、近畿唯一の芝居小屋など、数多くの歴史的施設を〝蘇生〟させ、地域の市民からも感謝されたという。

「営利活動だけでなく、社会に還元できる仕事をやらないといけない」という精神は、川嶋建設のスローガン「風景になる、仕事。」にも凝縮されている。

観光マスコット・玄武岩の「玄さん」とHB205

川嶋氏は「建設業は地域の安全、安心のために必要であり、その意味で空気みたいな存在でありたい」とも語る。普段は意識されずとも、いざというときには、その役割を果たしたいとの思いから出た言葉だ。市の中心部を流れる円山川は、これまでに何度も氾濫し、周辺の地区はその度に水害に見舞われてきた。2004年の台風23号では堤防が決壊し、多くの人的被害や住宅被害が発生したことも記憶に新しい。川嶋建設は、このときの復旧工事でも大きく貢献した。

毎年11月の創立記念日には、社員全員が地域住民とともに、コウノトリが飛来するハチゴロウの戸島湿地の清掃作業を行っている。地域を思い、地域と歩調を合わせながら事業を継続し、地域特有の自然や文化を守っていこうという、川嶋建設ならではの「DNA」が、そこに息づいている。