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SAISEKIコラム 品質管理

骨材の品質確保のために
〜日本砕石協会関東地方本部主催セミナー 「これから求められる骨材の性能」より〜

 日本砕石協会関東地方本部(菊池義明本部長)は6日、東京都千代田区の東京トラック事業健保会館で、セミナー「これから求められる骨材の性能」を開催(共催:セメント新聞社)、骨材生産者ら約170人が参加した。講師には、中田善久・ものつくり大学建設技能工芸学科講師、十河茂幸・大林組技術研究所副所長、三橋春夫・同本部品質問題委員会委員長を迎え、それぞれの立場からコンクリート用骨材に求めること、骨材品質問題への取り組みなどについて講演が行われた。

最終ユーザー意識したものつくりを

 コンクリート工事の変遷を見ると、かつては現場練りで量も限られていたのに対し、昭和40年頃から生コン工場、コンクリートポンプが登場、高度経済成長期の中で大量生産を目指してきた。これにより、骨材生産者にとっての顧客は直接の現場から生コン工場に変わった。そのため、今は骨材生産者が骨材の品質確保を考えるうえでは生コン会社を見て行くわけだが、生コン会社がゼネコンを見ていなければそれは空論になってしまう。骨材の品質を考えるうえでは、生コン、施工を含めたコンクリート工事の実態を把握することが必要だ。
 03年8〜10月、東京・神奈川・千葉・埼玉の生コン工場を対象にアルカリシリカ反応性骨材に関するアンケート調査を実施した。それによると、関東地区の生コン工場では、現在のところ比較的近郊で骨材を調達しているが、今後、骨材を変更する予定がある、または検討中の工場も多く、骨材の使用形態の多様化、流通経路の複雑化の流れがうかがえる。細骨材のアル骨試験を行う主体は骨材生産者のみという回答が圧倒的に多かったが、骨材の多様化、流通経路の複雑化が予想される中でペシマム現象を考えると、生コン工場主体の試験が必要と思われる。
 6ヶ月に1回自主的に試験を行う生コン工場は6割ほどある。自主試験を行っていくうえでは、骨材の産地が同一でも反応性鉱物が一定とは限らず、また、関東地区の生コン会社は平均出荷量が月1万m3と多いことから、試験実施バッチの検討が必要だ。
 試験方法の信頼性・判定について調べると、どちらかというとモルタルバー法が良いのではないかという傾向がうかがえ、また、試験方法によって判定が異なるので困るなど不満を持っていることが分かった。私がこれまでに行ってきた実験でも、確かに骨材試験は定量的な傾向が出ず、骨材は難しいというのが結論だ。一方で、必ずしもモルタルバー法だけではないと考えられる結果も得ている。試験方法の改正などを求めていくのであれば、実際にもう一歩踏みこんで研究を重ね、バックボーンを持つことが必要だろう。
 骨材が無害でない場合の対応は、アルカリ総量の抑制40%、無害骨材の使用26.5%、混合セメント使用20%、別の試験方法で再試験を行う13.5%との結果だったが、混合セメントについては相手先の意向があることなので、実際に行えているか疑問が残る。どのように対応するかもっとオープンにした方がよいと個人的には思う。
 次に、近年の生コンの調合について紹介する。生コン工場は施工者、ゼネコンを意識しているため、生コンの柔らかさを非常に重視する。そのため、AE減水剤使用コンクリートの調合を見ると、強度が増すにつれ単位水量もJASS5に規定された185キロ/m3までの範囲で増加する。
 ところが、高性能AE減水剤使用コンクリート(SPC)になると、水セメント比は小さくなるのに単位水量はなぜか170キロ一定にする工場が圧倒的に多い。もちろん調合は試験練りによって定めているという工場が多いが、実は高耐久性鉄筋コンクリート造設計施工指針に、高性能AE減水剤を使用した場合は170キロ以下との規定があるためと思われる。
 このことで施工現場ではどのようなことが起きているか。90年以降、SPCの生産量は飛躍的に増加している。SPCの施工について圧送事業者からは、
 ・ポンプ排出量が伸びない
 ・配管の磨耗が激しい
 ・ブームの金属疲労を生じる
 ・コンクリート躯体へのじゃんかの懸念、などの問題点が指摘されている。
 現在、圧送事業においては優秀な圧送施工技能士は減少しており、ポンプ車の老朽化も進んでいる。そのようななかで、高機能化、高性能化の進んだコンクリート工事を行っていかなければならないという問題点を抱えている。骨材の品質確保を考えるうえでは、現場を円滑に進めるために何をすべきか考えてほしい。
 骨材から考えなければならないことの一番は高品質だが、高品質というのは規格をコピーすることではなく、自社の製品の特長を把握すること、そのうえでバラつきを抑える。そして自社の製品が何に使われるのか、どのように使われているのかを知り、最終的なユーザーに喜ばれるためにはどのように使うと良いかというノウハウを持つことが技術の革新だと思う。
 骨材生産者にとってのユーザーは生コン業者だけではなく、その先の圧送業者、ゼネコンも含まれ、現場が円滑に進んで初めて最終ユーザーに喜ばれるものがつくれる。骨材の生産は最終ユーザーに喜ばれるための生産・ものつくりである必要性を見直してほしい。

出典:セメント新聞 2005年4月18日

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