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SAISEKIコラム 品質管理

生コン工場から見た骨材品質の現状と課題
〜日本砕石協会関西地方本部主催セミナー「これからの細骨材と粗骨材」より〜 
大阪兵庫生コンクリート工業組合 大峠 勇 常任技術委員

日本砕石協会関西地方本部は3月7日、大阪市の建設交流館で「これからの細骨材と粗骨材」セミナーを開催した(共催:日本砂利協会、セメント新聞社。後援:全国生コンクリート工業組合連合会近畿地区本部)。骨材に対する品質要求の高まりを背景に、骨材生産者ら約200人が参加し関心の高さをうかがわせた。ここでは講演の概要を3回に分けて紹介する。

香川産海砂の採取禁止 第2の変革期迎える

 大阪地区の生コン工場が使用している細骨材の推移をみると、03年度までとその後では大きく変わっている。03年3月時点では、同地区で使用される細骨材の47%を海砂が占めていたが、その半分を占める岡山県で04年度から採取禁止となったため、04年11月までに海砂の使用割合は17%減少。替わって、中国産の輸入川砂が11%から25%へ大幅に増加し、砕砂も32%から37%に増加している。海砂も依然30%を占めているが、産地は岡山県産がゼロになった分、佐賀県産が12%から57%に急増、香川県産も34%から38%に増えている。瀬戸内海産海砂の代替骨材の動向としては、岡山県の海砂採取禁止が第1次の変革期となった。現在は、海砂の4割近くを占める香川県産が今月末をもって採取禁止となることから、第2の変革期を迎えていると言える。
 各骨材の現状における課題をみると、海砂は粒度にばらつきが大きく、細粒分や貝殻が多いものもある。また、除塩処置などによって受け入れ時の表面水が高い。さらに、最近、特徴的なこととして、生コンの塩化物含有量が高くなっている。これは塩化物イオン量の上限が緩和されたセメントからの供給もある。使い慣れた海砂に依存する生コン工場は多いが、佐賀県産海砂についても、採取制限や価格高騰などの不安材料を抱えている。
 中国産の輸入川砂は、粒形は非常に良いが、粒度がばらつく、微粒分が比較的少ないなどの特徴があり、単品での使用は難しく、砕砂などとの併用が望ましい。生コンへの影響としては、単位水量や混和剤量を若干低減できるが、ブリーディングには注意が必要だ。また、安定した価格や供給には不安がある。
 砕砂は一般的に粒形が角張っていると言える。また、特に乾式の場合は微粒分量が変動する。これらの特徴から、生コンの単位水量が増加する傾向にある。安定供給については心配がないため、今後は高品質の砕砂に期待するところは大きく、特に粒形判定実積率については60%を目標にしてもらいたい。
 高炉スラグ細骨材は砕砂ほど大きな角張りはないが、表面にはかなり凹凸がある。また、ガラス質のため保水性が小さい。密度が大きいなどの特徴もあり、混合比率は30〜50%が限度となる。さらに、最近は大分解消されてきてはいるが、保管・貯蔵時の固結の問題があり、特に夏場の長期安定性という点では心配がある。
 石灰石系砕砂については、粒形は良く単位水量の低減が可能だ。しかし、微粒分量が比較的多く保管時の固着が懸念される。九州の石灰石系砕砂に関西向け増産・拡販の動きはあるが、やはり微粉が多い。微粉は低強度ではワーカビリティを改善する面もあるが、逆に高強度では問題となる。
 コンクリートの耐久性が重視される今、他の材料より品質変動が大きく、生コンの品質と硬化後のコンクリートに影響が大きい骨材には、良質で品質変動が少ないことが求められている。骨材メーカーの骨材品質改善に向けた取り組みとしては、天然砂については一定の水準に達しているが、人工砂(砕砂、高炉スラグ細骨材)はまだ改善の余地がある。最新の破砕機、整粒機導入や製造方法改善などにより、実積率向上や微粒分の調整など、今後とも品質改善に取り組んでほしい。
 骨材メーカー、骨材納入業者の品質管理について、生コン工場からみた問題点と要望事項を述べる。まず、細骨材表面水の変動について、生コン工場では単位確保しているが、表面水の変動が大きいために追随できていないのが現状だ。そこで、骨材製造業者、納入業者にはストックヤードへの屋根、シートの設置、運搬車・運搬船へのシート、幌の設置によって、表面水変動を小さくするよう努めてほしい。大阪兵庫地区の生コン工場の90%以上がストックヤードに上屋を、95%以上がベルコンにカバーを設置しており、受け入れ後の表面水の変動はほとんどないと言える。
 次に、粒度・粗粒率の変動については、やはりこれらが変動すると所要のコンシステンシーが満足できない、ワーカビリティが損なわれる、空気量が安定しないなどの問題が生じ、単位水量に大きく影響する。変動を小さくするためには、まず、工場の標準粒度をしっかり認識し、その範囲に収まるよう努めてほしい。それでもなお粒度を外れる恐れがある場合には、事前に生コン工場に連絡してもらいたい。そうすれば生コン工場では配合修正などで対応することが可能だ。粒度の問題に限らず、品質問題すべてについて情報交換し、コミュニケーションを図って信頼関係を築くことが大事だ。
 微粒分量についても、JISに規定する規格値(砂3%以下、砕砂7%以下)を満足させるよう努めてほしい。また、日本建築学会の高強度コンクリート施工指針案では、砕砂の微粒分量は5%以下と規定されている。このような学会の情報、生コン業界の情報、地域的な情報を交換し合うことが重要だ。
 粗骨材については、実積率60%以上を目標に粒形改善に取り組むとともに、粒度の安定に努めてほしい。石灰石についてはほとんどが2005であり、今後は2015と1505サイズでの分級をお願いしたい。骨材品質の改善により、「関西は単位水量が多い」という評判をぜひとも払拭したい。
 大阪兵庫工組では、01年から海砂代替骨材の調査・研究に取り組んできた。また、04年度からは新技術開発研究会WGを設置し、ひび割れ制御コンクリート、コンクリートの変形性能の把握、細骨材の安定供給、アルカリ骨材反応抑制材料の開発などをテーマに取り組んでいる。
 トンネルのコンクリート崩落や加水問題などによって失われたコンクリートに対する社会的信頼を回復するためには、われわれは安定した高品質の生コンを供給していく以外にない。そのためにはより高い水準と品質変動の少ない骨材品質が要求される。骨材品質に係わる技術的な課題や問題には、生コン工場としても積極的に協力して解決していくという姿勢にある。生コン業界と骨材業界が一緒に進んでいくことで、コンクリートの社会的信頼回復と骨材メーカーや関連業界の発展の道が必ず開けると確信している。

出典:セメント新聞 2005年3月28日

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