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SAISEKIコラム 品質管理

生コン業界から骨材品質に求めるもの
〜日本砕石協会関西地方本部主催セミナー「これからの細骨材と粗骨材」より〜
全国生コンクリート工業組合連合会 吉兼 亨 技術委員長
刻々変動する骨材 品質の管理が重要

 本来、コンクリートの寿命が人間の寿命より短いなどということは考えられないこと。しかし、実際には人間で言えばまだ若いコンクリートがだめになっている。そのため、従来、生コンクリートは強度管理中心主義であったのに対し、近年は耐久性向上への関心が高まっている。一昨年には国土交通省から通達が出され、単位水量の検査が行われるようになってきている。このような背景から、単位水量に最も影響を与える骨材品質に対する要求が高まっている。
 骨材の品質と一言で言っても、それには「固有の品質」と「改善可能な品質」、「変動を管理すべき品質(状態)」がある。固有の品質とは、例えば密度や吸水率、アルカリ骨材反応性などで、天然のものなので基本的には改善することができない。これに対し粒度分布や粗粒率、単位容積質量、粒形判定実積率などは改善可能な品質だ。さらに、せっかく改善してもその品質(状態)は刻々と変動するので、それを上手く管理しなければならない。これらの骨材品質のうち、単位水量に影響を与える品質として生コン工場が注目するのは次の点になる。
 まずは粒形判定実積率。砕石と砂利とでは大きく違い、根本的に単位水量に差が出てくる。砕石の粒形判定実積率とスランプ(単位水量)との関係を見ると、細骨材によっても変わるが、現在のJIS規格値である55%だとスランプは11センチ程度となる。これが59〜60%になると20センチ以上となる。個人的には基準を少なくとも57%以上としてほしい。
 次に影響が大きい要因としては粒度分布と過大粒・過小粒の問題がある。生コン工場6工場で単位水量の日内変動を測定したところ、最大で22キロ、最小でも6.7キロ単位水量が変動していた。原因としては粗骨材の過小粒がかなり影響していることが分かった。生コン工場で自動粒度分析器を用いて13―5ミリ砕石の5ミリ篩い通過分を10時間以上にわたって調べたところ、ある時点で5ミリアンダーが34%含まれていたが2時間後には4・5%まで減少するというように、1日の間に何度も粒度が変動していることが分かった。
 生コン工場では日に1〜2回、骨材の粒度測定を実施しているが、これほどの変動を管理するためには何か別の方法を考えなければならない。例えば、アスファルトプラントでは計量直前に篩っているので、粒度の分離は問題にならない。生コンも昭和20代に作られたプラントでは篩い設備を持っていたが、騒音やヤードの問題もあり、今では篩い設備を持っているプラントはほとんどない。しかし、現実にこのような骨材があるのならば、それくらいはやらないと単位水量の管理ができないのではないかと思われる。
 コンクリート用骨材の粒度は、粗細骨材の粒度曲線をつないだときに、トップが20(25)ミリであれば、必ず5―2.5ミリのところに棚ができていなければならない。しかし、天然砂利でも砕石でも例えば20ミリ以下だけで粒度分析をすると、滑らかな連続曲線になるので、棚を作るためには5―2.5ミリを取り除かなければいけない。
 また、トップサイズとアンダーサイズの比が3を超えると分離傾向が強くなると言われており、例えば2005でさえ比は4となる。そこに5―2.5の過小粒が含まれていれば比は8となり、分離しないほうがおかしいと言える。
 分離を防ぐためには、まず骨材を2分割でも3分割でもできるだけ細かく区分することが大切だ。規格が道路用とコンクリート用で異なっていて支障があれば、規格を一本化することも可能だろう。2分割で納入されているのは全国平均が25%程度、関西では90%以上ということで非常に結構なことだ。ただし、2分割でもまだ分離はするので、骨材生産者にはぜひロックラダーを設置してほしい。
 その他の要因としては、微粉分量に加えて砂当量(SE値)がある。単に微粉分量が7%以下であれば良いのではなく、岩石によっては微粉の中に粘土鉱物が多い物もある。砂当量試験は日本では基準になっていないが、非常に簡単な試験であり、ひび割れにつながる要因をできるだけ避けるためにも実施していかなければならないと思う。
 コンクリートを製造する上で、「表面水率さえ安定させておけば良いコンクリートができる」という神話めいたものがあるが、これが成り立つには先に述べてきたこと全てがコントロールされていることが前提。逆に表面水率以外の要因がコントロールされていれば、目視でコンクリートを管理しても大きな間違いはないとさえ言える。表面水率を安定させるために一番簡単な方法としては、使用するものと水切りをするものとを分けておくためにストックヤードを2つ設け、土場に6〜7%の勾配をつけておけば、一晩できれいに水が切れて安定した表面水率を得られる。
 コンクリートが強度管理中心だった時代とは違い、以上のことが1つ欠けても良いコンクリートはできないということを認識してほしい。

出典:セメント新聞 2005年4月4日

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