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SAISEKIコラム 品質管理

構造物の耐久性と骨材の品質管理
〜日本砕石協会関東地方本部主催セミナー 「これから求められる骨材の性能」より〜
性能発注への流れ 骨材価値の明確化必要

大林組技術研究所
十河茂幸副所長
 コンクリート構造物に要求される性能としては、まず地震が起きても大丈夫という「安全性能」が挙げられる。また、かつては強度さえ出ればよいとしていたが、最近では「使用性能」が要求されるようになってきた。新幹線の福岡トンネルでコンクリート塊が落下する事故が発生し、それ以降は「第三者影響度に関する性能」が要求されるようになった。さらにコンクリートに「美観・景観」も要求されるようになった。以上の各要求性能に関して一定期間維持できるものとして「耐久性能」が要求されるようになっている。
  これらの要求性能を満足するために建設会社では、生コンに対してまず第1に施工のしやすさや均質性など施工に関する性能を要求する。施工の信頼性や安全性なども含まれる。第2には、再生骨材や戻りコンへの対応など環境との適合性を要求する。第3に耐久性能とも絡んでライフサイクルコストなど経済性を要求する。
  こうした建設会社の要求を実際の生コンに対する要求に言い換えると、圧縮強度、施工性能、耐久性能、ひび割れ抵抗性などに該当する。竣工検査で構造物にひび割れが発覚すると、かつては発注者に補修費を要求することができた。今はひび割れの発生は欠陥商品だからと施工者の負担となる。場合によっては取り壊しを命ぜられることもある。生コン側はひび割れの発生のないコンクリートは無理だとするが、性能発注という世の中の流れからすると受け入れざるを得ない状況にある。
  要求される圧縮強度、施工性能、耐久性能、ひび割れ抵抗性などを実現するために、圧縮強度(呼び強度)やスランプ、骨材の最大寸法、水セメント比、空気量、単位水量、単位セメント量などを保証できるレベルで目標を定め、それを満足させなければならないため、生コン業界はかなり難しい局面に入ってきたといえる。 生コンの発注方法は、「普通 21―8―20 N」と指定し、必要に応じて水セメント比や空気量などを特記する。このうち「21」(呼び強度)と「8」(スランプ)が性能発注で、他の「普通」(コンクリートの種類)「20」(粗骨材の最大寸法)「N」(セメントの種類)は仕様発注となっている。強度を出すためには水セメント比を計算しなければならないので性能発注となる。同様に荷卸し時点でのスランプを実現するために単位水量や混和剤の添加量をあらかじめ計画するので性能発注となる。
  このように生コンは性能発注への移行途上のような形になっている。先に述べた施工性能、耐久性能、ひび割れ抵抗性などを満足する生コンを要望されるなど性能発注方式への流れが強い。いずれにしても生コンに対する要求性能は厳しくなっているので、骨材性能への要求も増すことを予想しておいた方がよいだろう。
  では、骨材に要求される性能(品質)は、どのようなものがあるか。まず第1に、堅強な骨材であること。高強度コンクリートをつくるには骨材自体が強くなければならない。強い骨材とは密度が大きく、吸水率が小さいもので、耐摩耗性に優れるものとなる。第2に化学的に安定していること。アルカリ骨材反応などが該当し、非反応性であることが求められる。第3に単位水量が少なくなる粒度・粒形で、これは大変重要なことだ。単位水量が少なくなれば、ひび割れの発生が少なくなり、これはセールスポイントとして重要だ。第4に変動が少ない骨材であること。変動が大きいということは、管理する側からすれば、変動の下限のものを安全側に持っていくためにセメントや水などの割増しが多くなる。変動を少なくするには、生産や運搬、貯蔵方法などを工夫すればできることもあり、生コン側でも対応が可能となる。第5に安定供給ができ、安価であること。その上で品質保証ができていることが要求される。
  最後に信頼される骨材であるためには何をすべきか。一言で言えば、骨材の価値を高めるということになろう。このためには、まず要求される骨材の性能を明確にしなければならない。これまで発注者は、構造物の要求性能のすべてを明確に示してこなかったが、最近では性能発注の流れで100年の耐久性能など具体的に示すようになっている。これを受けて施工者もどうすべきかを考えるようになっている。生コンも同様で、そのためには材料の骨材はこうあって欲しいという要求があるはずだ。
  そういう要求が具体化すると、価値ある骨材は高く売れるはずだ。言葉を変えれば、骨材の価値を明確にして、高く売れるようにしなければならない。
  そうした価値を明確にするためには、性能が評価されるシステムを構築する必要がある。さらに、良いものを安心して使ってもらい、悪いものとの差別化を図るために品質保証制度を確立することが必要だろう。

出典:セメント新聞 2005年4月25日

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