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SAISEKIコラム 品質管理

砕石業界の品質管理制度のあり方
〜日本砕石協会関東地方本部主催セミナー「これから求められる骨材の性能」より〜
骨材の品監制度を検討 ユーザーの評価が不可欠

日本砕石協会関東地方本部
三橋春夫 品質問題委員長
 骨材の品質問題とは何かを考えると、一つにはアルカリ骨材反応の問題が挙げられる。残念ながら骨材業界は2000年、04年にデータの改ざん・差し替えを行い、この問題に対する信頼性を損ねた。02年8月には国土交通省がJIS A 5308に上乗せする基準を設けて、現在われわれは化学法で無害と判定される骨材を求められることにつながっている。
  これは原石の良いとこ取り、販売量の減少につながり、経営的にも苦しい方向に向かっている。将来的には資源の供給面にも影響する問題であり、モルタルバー法の判定を有効にして欲しいという声も多く挙がっているが、われわれはまず、信頼できるアル骨対策を立案、実施することが必要だ。具体的には、ベンチ採掘法では半年先に採掘する原石のサンプルを採取することができるので、そのデータを整理、蓄積し、予測していくことなどが考えられる。
  次に、生コンの単位水量管理に伴う骨材の品質問題がある。単位水量管理が進むにつれ、骨材の品質向上が求められている。生コン業界の骨材に対する要求品質は、原石が持つ本来の物理的性質より、粗骨材の2分割、微粒分量の安定、粒形判定実積率など、加工段階での品質の高さと安定を重視している。われわれとしてはまず、個々の持っている原料の加工精度を上げることを考えることが必要だ。
  また、単位水量が上がる最大の要因としては、骨材の品質変動が挙げられている。現状では、骨材の品質管理は生コン工場での受け入れ検査が基本になっているが、単位水量管理が進むにつれ、骨材の品質が安定しないために生コン工場での管理の限界が顕在化している。そこで、川上の骨材側に管理の徹底が求められるようになっている。
  では、骨材製造現場における品質管理体制の実情はどのようになっているか。現在、全国の砕石工場のJIS認証取得率は約10%、河川砂利についてはJIS制度がない。認証取得率が低いのは、砕石業界がサボタージュしているからということではなく、コストをかけてJISを取っても生コン業界やゼネコンからは必ずしも評価されないために取得しない、場合によっては返上してしまう砕石工場もあったからだと思う。しかし、骨材が天然砂利から砕石に移行するなかでは、受け入れ検査には限界があると思われ、コンクリートの耐久性向上が志向されるなかで、安定した品質の骨材を評価する方向に動き始めている。
  もう一点、流通面の問題がある。骨材の製造工場と生コン工場の間に建材業が介在した場合、生産履歴が不明確になる可能性があり、この解決も今後の課題だ。
  このような骨材の品質問題に対して、われわれの業界はこれまで各工場が個別に対応してきた。その結果、アル骨問題では山の経営に影響し、単位水量管理に伴う骨材に対する品質要求に応えても、個別対応ではコストを骨材価格に反映できないのが現実だ。品質対応が進まない場合は、生コン工場、発注者から工事物件ごとの品質証明を求められる可能性もある。このような生コン業界からの圧力に対して、個別になし崩し的に対応していて、砕石業界が今より良くなる可能性、未来はあるだろうか。骨材業界が積極性を持って対応することが必要だ。
  日本砕石協会関東地方本部では、02年に品質問題研究会を立ち上げ、昨年7月には委員会に格上げして品質問題に取り組んできた。本年1月24日、3月16日には、学識経験者、経済産業省、国土交通省、全国生コンクリート工業組合連合会、日本砂利協会から参加をいただき、「コンクリート用骨材の品質問題懇談会」を開催し、発注者・ユーザー業界における骨材問題、生産者における品質管理の現状、品質保証体制の考え方などについて意見交換を行った。
  委員会の活動を通じて見えてきた骨材の品質管理のあり方についてまとめると、生コン業界からの要求品質としては、(1)粗骨材の2分割(2)粒形判定実積率の向上と安定(3)微粒分量の定率化と安定(4)信頼できるアル骨対策などが挙げられる。また、行政からは、(1)アル骨問題に関するコンプライアンス体制の確立(2)信頼される供給体制の確立(3)要求品質への対応を求められている。
  これに対し砕石業界としては、新JISの認証を取得し、加えて、生コン業界、行政の要求を踏まえた分野別認証、あるいは独自の品質管理監査制度を導入するという対応が考えられる。
  同時に、砕石業界の要望である、品質管理された骨材に対する正当な評価を得るために、JIS A 5308を改定してJIS A 5005の優先使用、あるいは骨材の品質管理監査制度を通った骨材の優先使用を求めていきたい。また、信頼できるアル骨対策を実施し、モルタルバー法の復活を求めていきたい。
  このような骨材の品質管理体制が整備できれば、生コン工場、ゼネコン、発注者は品質管理された骨材の供給を受けることができ、また、われわれにとってのメリットでもある骨材資源の安定供給につながる。

出典:セメント新聞 2005年5月2日

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