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SAISEKIコラム 品質管理

全国生コンクリート工業組合連合会 副田康英技術委員会副委員長寄稿
〜生コン工場の製造管理技術の現状と今後の課題〜

 生コンクリートは一般工業製品とは異なり、コンクリートに使用する材料の7〜8割を骨材が占める。砂利、砕石など種類や岩質等は様々で、最近は再生骨材や各種スラグ類も利用されるため、製造される生コンの品質も変動しがちなのが実情と言える。原材料の受け入れから製造・出荷に至るまでの各工程における品質管理が生コンの生命線であり、コンクリート構造物の耐久性を求める時代のニーズを受けて一層重視されている。本特集は、工場における製造管理技術の現況を探り、今後を展望するとともに、主要試験機メーカーの最新機器を紹介するため企画した。

はじめに

 コンクリートの耐久性の向上に対する社会の評価は厳しいものになってきたが、それに反するかのように骨材は良質のものが枯渇化している情況である。砕石の使用比率が高くなり、天然細骨材の粗粒率も小さくなるにつれて、砕砂の使用率も高くなっている。それに伴い単位水量も増加しているのが現状である。
  しかし、コンクリートの製造者としては、その品質を低下させることはできず、対抗する手段を取る必要がある。
  その方法としては、表面水の連続測定装置の設置、スランプ簡易測定装置の設置、混和剤の変更、などが上げられる。また、製造設備に関する品質向上策としては、ベルト下の水切り、骨材の2分割使用、混練り用ミキサーの変更やコンクリート用練り混ぜ水冷却装置の設置などがある。
  ここでは、粗骨材の粒度分布の影響、細骨材の微粒分量の過多による影響、外気温の変化がコンクリートに及ぼす影響等について述べたい。

骨材品質の安定が重要 〜管理の一層の自動化必要〜
骨材の粒度分布の管理

 まず、粗骨材の粒度分布の影響についてであるが、JISA5308の付属書1に示されている粒度曲線の中に入っているが、大小の粒がうまく混合されていない例を示す。実験に使用した骨材の粒度曲線(図-1)と試験結果および結論(表-1)を見ていただきたい。 
  これらから解るように、粒度曲線の許容値に入っていても上限値にあるものは分離傾向を示し、下限値のあるものはややモッタリとモルタルに近いような性状を示す。どちらかといえば、下限値に近い骨材を使用したコンクリートの方が打設は容易でありクレームの対象とはなりにくいという利点はある。
  しかし、コンクリートの単位水量が増加するとひび割れ発生の増大などの影響を及ぼすため充分に管理する必要があり、粒度曲線の中にあれば良いといった管理は許されないということになる。以上のことは、吉兼亨技術委員長が兼ねてから述べておられる骨材品質安定化のための二分割混合使用にも繋がることである。充分に理解し、管理に努めなければならない。

骨材の粒度分布の管理

表-1
No. 回数 粒度 スランプ
(cm)
空気量
(%)
状態
1 1回目 中心 18.0 5.5 良好
2 上限 20.0 4.7 やや分離
3 下限 18.5 5.4 ややモッタリ
1 2回目 中心 20.0 4.8 良好
2 上限 20.0 4.4 やや分離
3 下限 19.5 5.6 良好
結論
(1) 粒度が上限に偏った場合
  コンクリートの分離・ポンプ詰まり
(2) 粒度が小粒に偏った場合
  単位水量の増加(約5Kg/m3
(3) 骨材の粒形
  実績率っが大きいものは粒度変動の影響は小
(4) 骨材の管理
  実績率管理よりも粗粒率の方が有効
(図・表はいずれも東京地区生コンクリート共同組合技術委員会が生コン技術大会で発表した際の資料を借用したものである)
  次に、細骨材の微粒分量の及ぼす影響についてであるが、微粒分量が規程量より多く含まれていると、次のような影響を及ぼす。
  微粒分量で失われるもののうち、泥分が与える影響は、単位水量の増加、ブリーデイング量の増加、レイタンス量の増加などがある事はすでにご承知のとおりである。従ってコンクリートの納入後に、ひび割れ等のクレームの発生に繋がらないように、受け入れ時の管理を怠らないようにしなければならない。
  石粉の場合、骨材の種類の相違による影響の度合いや、粗骨材の石質の相違による影響が異なることがあるので注意を要する。実際の使用時には、混入量を決定する際に良く確認を行い、配合の修正後に使用することが重要である。

外気温の変化がコンクリートに及ぼす影響

 気温が上がると、それに伴いコンクリート温度は上昇する。従って、一つの呼び強度とスランプの組み合わせによって指定を受けた品質を満足するように、その配合内容を適性に修正していく必要がある。この事は皆さん既にご承知のことである。しかし、一部の工場では残念ながら適正な修正が実施されていないと聞いている。
  ある実験によれば、コンクリート温度の変化±10°Cに対して、単位水量±7Kg/m3の増減が必要であるとの報告がある。この増加量にスランプロスの値も変化してくるため、さらに単位水量を増加する必要を生じる。
  この単位水量の増加を避けるために化学混和剤の変更や高性能AE減水剤の使用等が考えられ、標準期の単位水量が比較的多い地区では、すでに使用されているようである。
  さらに、コンクリート温度の上昇を避けるために、練り混ぜ水の温度を下げる装置の導入を行っている工場もある。
  これは、コンクリート用練り混ぜ水を冷却装置を通して冷却し、コンクリート温度の上昇を防止するものである。冷却した温度にもよるが、より標準期の単位水量に近いものでコンクリートを製造する事ができ、コンクリートに望ましい状態となる。東京地区のように高強度コンクリートの製造比率の高い地区では、早急な検討を要する。
  残念ながら今のところスラッジ水からの上澄み水の使用を中心に考えられているようである。資源の有効利用のためにも、スラッジ水にも使用できるようになることが待たれる。しかし、工業用水や上澄み水には使用することが可能であり、コンクリート温度の低下に大いに役だっているようである。その価格は、今のところ使用している工場も少ないこともあり非常に高額であり、即座に設置とは行かないことが難点である。プラントメーカーの企業努力により、低価格の良いものが早く利用できるようになることを期待したい。

今後に向けて生コン工場の対応

 はじめにの部分でも述べたように、コンクリートの耐久性に対する評価は厳しいものになっている。我々生コン製造者は、今まで以上に管理に対する厳しい取り組みを必要とされることになるであろう。自分達が今まで以上に品質管理に取り組む事はもとより、骨材業者に適切な管理を要求し、安定した品質の骨材の納入をできる業者の選択に努めなければならない。
  骨材業者に求めたい項目としては、表面水管理の徹底、骨材試験の実施、安定した品質の製品の納入を期待したい。
  工場認定から製品認証に制度は変わったが、コンクリートに求められているものは変わらないどころか、より高度な性能の品質が求められている。細骨材の表面水連続測定装置の活用や、スランプの簡易連続測定装置の活用を進め、より一層管理の自動化を図る事も必要である。
  コンクリートに対する不信感を取り除き、再度信頼感を取り戻すべく、安定品質、安定供給、安定価格の3拍子のコンクリートを製造して行こうではありませんか。

出典:セメント新聞 2005年11月7日

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