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骨材の品質と有効利用に関する講習会にて 〜JCIがランク分けを提案〜

 枯渇が進む骨材を適材適所で有効活用しよう――日本コンクリート工学協会(JCI)は5日、東京都品川区の区立総合区民会館(きゅりあん)で「骨材の品質とその有効利用」に関する講習会を開催し、骨材の品質規格を見直すことを提案した。骨材および生コン業界から要望の多かった密度1.95グラム/cm3に浮くものなど不要な試験項目は廃止、絶乾密度や吸水率、微粒分量などについては現行規格の改正を求めた。骨材、生コン、ゼネコン、行政など関係者約150人が参加した。

 天然骨材資源の枯渇や供給ソースの多様化など、骨材をめぐる環境は近年大きく変化している。コンクリートの性能に与える骨材の影響は大きいが、骨材そのものに関する情報は少ない。また、実態に即していない骨材規格があるため不要な試験の実施が義務付けられるなど不合理な点が少なくない。
 そこでJCIは05年に「骨材の品質と有効利用に関する研究委員会」(委員長:國府勝郎首都大学東京名誉教授)を設置。実態調査WGが05年に全国の骨材業者と生コン業者に対して行ったアンケート調査をもとに骨材品質の実態と品質規格の課題を抽出する一方、性能評価WGがコンクリート品質に対する骨材物性の影響を文献などで調査した。こうした2年間の活動成果および見解を報告書にまとめ、講習会で公表した。
 アンケート調査結果をみると不要な品質規格に密度1.95グラム/cm3をあげる意見が骨材業者、生コン業者とも最多だった。「骨材中の密度1.95グラム/cm3の液体に浮く粒子の試験方法」(JIS A1141)はもともと、貨車運搬時などに混入する石炭・亜炭を検出する試験であり現状に即しておらず、検査に人体や環境に有害な塩化亜鉛溶液を使用するため委員会として廃止を求めた。
 次に骨材業者、生コン業者とも修正を求める意見が多かったのは絶乾密度・吸水率、微粒分量。絶乾密度は2.4グラム/cm3以上、吸水率は4%以下とする意見が多く、微粒分量は現行基準の2倍程度まで混入を許容する意見が多かった。骨材資源の低品質化により現行の密度・吸水率の基準を満足することが厳しいことや、微粒分の多くなりやすい石灰石骨材の使用が全国的に増加していることが背景にある。
 委員会は、絶乾密度と吸水率との関連性が密であるため、吸水率だけを残し、基準値も緩和する案を示した。微粒分については粘土塊との境が不明確なため粘土塊量と基準・試験方法を統合し、微粒分量と粘土塊量の総量を測定すればよいとする案を示した。
 このほか、生コン業者は軟石量、骨材業者からは塩化物量について意見が多く、見直した。軟石量は試験方法の標準化が難しく、そのもととなった米国規準(ASTM)はすでに廃止されていることから、軟石量の規定値は定めないとした。塩化物量についても海砂以外では検出され得ないため産地などの条件によっては規格値を定めなくてよいとした。
 また、限られた資源を有効利用するため骨材のランク分けを提案した。かつて建築工事標準仕様書(JASS5)では75〜86年の間、骨材の品質を3種類にランク分けしていた。その後、再生骨材もL、M、Hの3種類にランク分けされている。
 骨材業者や生コン業者にとって、置き場やサイロの増設、管理の複雑化などがネックとなり、早急には実現できそうにないが、将来の課題として提案した。ちなみに海外の事例をみると欧州、米国、豪州、中国などの主要国はいずれも骨材をランク分けして規格化している。
 講習会では冒頭、國府名誉教授が開催趣旨を説明。次いで3氏が骨材の現状や性能について講演した後、骨材基準のあり方をテーマにパネルディスカッションを行った。学識経験者、国土交通省、生コン業界、骨材業界、試験機関の各代表がパネラーをつとめ、それぞれの立場から骨材の有効利用について問題提起し、意見を交換した。今後、大阪や福岡、仙台、広島、札幌の各都市でも開催される。

出典:アグリゲイト 2007年7月23日

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