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JCI骨材講習会〜パネル討論/広島会場・札幌会場

  日本コンクリート工学協会(JCI)は全国6都市で「骨材の品質とその有効利用」に関する講習会を開催した。講習会の最後にはパネルディスカッションを行い、骨材業者、生コン業者、行政担当官、学識経験者らがそれぞれの立場から各地域の骨材問題について問題提起、意見交換を行った。第5回目となる広島会場は8月22日、広島市中区のメルパルクHIROSHIMAで開催され、骨材、生コン、建設業者など関係者約55人が出席。第6回目となる札幌会場は9月5日、札幌市中央区の札幌市教育文化会館で開催され、関係者約60人が出席した。ここでは上記2会場でのパネルディスカッションの様子を紹介する。

骨材の移動が活発  広島会場

 広島会場では、野口貴文東京大学准教授がコーディネーター、安達久仁彦(中国地方整備局)、古井博(広島地区生コン協組)、石田修詳(日本砕石協会中国地方本部)、宮里心一(金沢工業大学)、綾野克紀(岡山大学)の5氏がパネラーとなった。
  まず、地域の骨材事情について綾野氏は「日本全国で天然の粗骨材(砂利)が一番乏しい地域が四国地区で、2番目に乏しい地域が中国地区。細骨材は日本海側では天然砂があるが、山陰を除く中四国は海砂以外に天然資源に乏しい」と解説。
  また、「砕石の岩種は中四国では安山岩が多いが、県によってまちまち。砕砂は乾式が多く、微粉末の有効利用が課題となっている」とし、スラグについても「中四国で、高炉スラグは全国の4分の1にあたる220万m3を製造し、うち60万m3しか使用していない。銅スラグは全国の半分を製造しているが、ほとんど使用していない」と説明し、その理由について「骨材価格が安価なため、スラグに飛びつかないのではないか」と推測した。
  石田氏は「山口では砕石が地元での需要が少なく供給過剰気味であり、生産量の25%を県外(関東や福岡)へ海送している。地元では公共工事が減少しているため、砕石生産量のうち県外に搬出する割合は増大する傾向にある。地産地消の意識は薄い」とした。また、品質について「山口県内の砕石工場の半分は化学法によるアルカリシリカ反応で“無害でない”となる。瀬戸内地方では骨材への品質要求が近年、高まっており、実積率を高めようとすると大量の微粉末が出るため、処理に困っている」とした。
  古井氏は「広島では粗骨材の9割は砕石。細骨材は海砂の利用が減少し、マサ土を使用した『加工砂』が使用されている。スラグは福山市や他県などに製鉄所があり供給源が多いため、細骨材全体に占める高炉スラグの割合も1割を超えている。建設発生土の資源化や、銅スラグ、フライアッシュ、溶融スラグなど副産物の有効利用も課題だ」と語った。
  安達氏は「中国経済産業局では、中国技術事務所による生コン(工場、現場)の抜き打ち調査、中国地区骨材資源対策技術委員会設置(00年)など取り組んでいる。今年2月には微粒分活用研究会を立ち上げ、砕石工場に対して砕砂の微粒分量の現況調査を開始した。来年3月にはその手引書が出る予定だ」などと紹介した。
  中四国各県で近年相次ぎ瀬戸内海の海砂採取を禁止したことについて、「もともと中四国で採取された海砂の多くは関西へ運ばれていた。西日本では、砂を西から東に向かって、瀬戸内海を回廊として需要地の大阪方面へ運ぶ『サンドロード』が形成されており、骨材の移動が活発だ。中四国地区は骨材需要が少ないため、瀬戸内海の海砂がなくなってもさほど困らず、困っているのは関西だ」と現況を説明。
  石田氏は「山口県の場合、県東部は砕石が使用された。しかし、県中部はセメントメーカーの石灰石砕砂、県西部は九州産海砂や九州からの石灰石砕砂が使用され、代替需要が獲得できなかった」と語った。
  古井氏は「われわれ生コン工場ではまずコストの面から検討した結果、現状では安価な加工砂が多くなっている。県外の海砂を使用している工場は一時的なものだろう」と語った。
  中四国地方独特の加工砂について古井氏は「品質の程度は砕砂と同等と思うが、加工砂は微粒分量が多く、3%以下にするのは大変だ。細骨材を加工砂1本にするのは無理だが、50%以上使用する工場は多い」と説明。綾野氏は「加工砂を使用しても高強度コンクリートができないが、砕砂を使用すればできる」と相違点を挙げ、古井氏は「マサ土でも、風化した長石を除けば60N程度までは可能だ」とした。
  また石灰石砕砂について古井氏は「砕砂や加工砂と比べると、ワーカビリティなどの品質はずっと良いが、価格が高いのが問題だ」と指摘。綾野氏は「岡山でも臨海部では他県から海送の石灰石砕砂が使用されている」と利用が定着している状況を報告。石田氏は「山口は大手セメントメーカーの石灰石鉱山が多く、生コン工場の多くがセメントメーカー系列。地元では砕石の品質を高めても、食い込む余地に乏しい」と山口独特の地域事情を説明した。
  また、四国からの参加者から「四国の状況も中国地区と似ている。愛媛でも砕砂の微粉末の活用に積極的に取り組んでいる事業者がある」などとの意見があった。

余裕あるも備えは必要  札幌会場

 札幌会場では、久田真東北大学准教授がコーディネーター、石橋良啓(北海道開発局)、久野登喜男(札幌ティーシー生コン)、岡本繁美(岡本興業)、真野孝次(建材試験センター)、名和豊春(北海道大学)の5氏がパネラーとなった。意見交換を通して、骨材資源確保に苦労していない、余裕のある地区であることが再確認された。
  まず、地域の骨材事情について名和氏は「地質的には“道南”と“道東”・“道央”に分かれる。道全体では資源が枯渇しておらず、とくに上川・十勝・日高の各支庁は天然骨材だけでまかなえているが、小樽以西には良質な天然骨材が乏しい。石狩川流域では中流域に資源が豊富だが、下流域の札幌は泥炭の影響により資源が豊富ではない。道内の平均単位水量は169キログラム/m3(関東一区では195キログラム/m3)と低く、高品質。しかし、一部の生コン工場ではアルカリシリカ反応性がBの骨材を使用している例もある」などと、地域格差が大きいことを説明。「北海道では今後とも砂利資源が中心となるだろうが、長期的には砕石資源の確保を進めていくことが必要だ。低品質骨材・再生材の利用や骨材の混合使用、副産物の再資源化も図るべきだ」との意見を述べた。
  岡本氏は「北海道の砕石業者数(140社)は全国の9%を占めるが、砕石出荷量(1259万トン)は全国の5%にすぎない。工場の1次破砕機などの設備はむしろ他地区よりも大きいのだが、冬季の数カ月間はプラントの稼働ができないというハンデを背負っているため、1工場あたりの生産量は全国平均よりも少ない」などと紹介。
  さらに、「需要が激減しているため、資源を豊富に有していながら撤退する事業者もあり、砕石事業者の数が減少傾向にある。しかし、依然として供給過剰による過当競争の状態にあり、骨材価格は弱含みだ。近年、砕石工場での事故が増加しているが、各社が収支を改善しようとリストラを進めてきたことにより、安全面に十分な注意が行き届かなくなっているのではないかと思う」と危機感を示した。
  久野氏は「06年度に、道内にある約300の生コン工場のうち、73工場を抽出して調査した。その結果、細骨材は32工場が1本の天然砂。北見では複数の天然砂のブレンド、道南は天然砂と砕砂のブレンドが多い。粗骨材については、北見、十勝など多くの地区は天然砂利、道南は砕石、道央は天然砂利と砕石のブレンドだった」と、道内では依然として天然骨材が主力であると説明、「粗骨材は(2015と1505への)2分割貯蔵が6.9%(06年度、全国では27%)だけ。他地域から遅れをとっている」などと続けた。
  石橋氏は「北海道は凍結融解などが起こりやすい厳しい環境下であり、耐凍害や環境負荷低減に向けて、寒地土木研究所と連携して取り組んでいる。道内には、骨材に起因したポップアウトが一部みられるものの、骨材の質・量ともに大きな問題はない」と語った。
  現在JIS A5005の見直しが進んでいることについて、久野氏は「道南などでは石灰石砕砂が多用されている。石灰の微粉はワーカビリティを向上させるので、現行基準(7%以下)を緩和してほしい」と訴えた。
  久田准教授は「北海道は骨材に余裕が感じられるが、やはり備えは必要だ。川上の骨材業者から川下の発注者に至るまで、意見交換を重ねて風通しを良くしてほしい」と呼びかけた。

出典:アグリゲイト 2007年9月24日

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