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SAISEKIコラム 品質管理

土木学会コンクリート標準示方書の改訂概要

 土木学会コンクリート標準示方書の改訂内容がほぼまとまった。性能照査型を基本とするものの、現場実務者の使用を考慮して一定の条件下での事例を「標準編」として掲げた。構造物の信頼性を確保するために発注者の役割を明確化し、設計を行う前の計画段階から構造形式や施工方法を十分に考慮することとした。計画から設計、施工、さらに維持管理を含めて様々な情報を引き継ぐ設計図書を重要視。収縮ひずみなどの使用材料の特性値、すべての部材における鋼材のかぶりと施工誤差(許容範囲)、単位セメント量や水セメント比などの設計計算の基本事項、施工および維持管理の条件などを明示することとした。これらが満足しているかどうかは検査によってチェックしなければならず、[施工編]では設計標準とともに検査標準も記述している。

標準編設け実務者に便宜

 収縮ひずみ1200ミクロンを前提 印字記録で品質確認
 今回改訂となるのは設計編と施工編、維持管理編、ダム編。維持管理編を除く3編はいずれも本編と標準編の2部構成となる。維持管理編は「第2部『維持管理標準』」としていたが、1部は基本的考え方、2部は劣化機構ごとの具体的な維持管理項目を記述する。
 本編は性能照査を行う方法を示し、「設計、施工の効率性を、簡便性を考慮し、一定条件下で本編を満足する標準的な方法」を示したのが標準編。適用条件が異なる場合は本編に従って性能照査を行わねばならない。さらに「標準編の適用条件と異なる構造物や地域などに適した標準を新たに作成する際の参考にするのがよい」と記述し、地域ごとに発注者などが独自に標準を定めるべきとの考えも示す。
 一方、今回の改訂で生コン業界に大きな影響があるのは設計図に示すコンクリートの特性値、とくに収縮ひずみ。「設計図には、設計時に設定した特性値を全て記載することとし、施工側に引継ぐこととする」というもので、材料強度、JIS試験法による材料としての収縮ひずみ、部材の収縮、クリープ、中性化速度係数、塩分拡散係数、相対動弾性係数を例示している。これらを設計の前提条件としている場合は、前提条件を満足しているかを受け入れ時に検査する必要がある。  設計段階で用いる収縮ひずみは、通常の場合1200ミクロン(10×10×40cmの大きさの部材で)を前提とするとした。「硬化が始まってから無限大の収縮までを考慮したもの」(石橋忠良土木学会コンクリート委員会コンクリート標準示方書改訂小委員会幹事長)で、自己収縮やJIS試験法での結果が出て以後の収縮も加味している。
 コンクリートの耐久性という観点ではフレッシュコンクリートの性能として強度やスランプ以外にも必要な品質項目は多い。水セメント比がその代表で、実際に使用するコンクリートの単位セメント量、単位水量をチェックする必要があり、生コン工場の印字記録で確認するとした。印字記録の設備がない場合は製造者と受入側が協議してチェック方法を決めるとしている。
 また今回の改訂では責任技術者の役割と配置も検討。「計画、設計、施工、維持管理にあたっては、必要な技術的能力を有するとともに、責任と権限が与えられた責任技術者を、発注者側と受注者側のそれぞれの組織に配置することが必要」とし、具体的には土木学会認定技術者資格の「特別上級技術者」「上級技術者」を前提としている。
 信頼性を確保するための仕組みにも言及。計画を含む設計では「独立した二つの組織で設計の照査を行うことが基本」とする。コンサルタント会社での照査の後、発注者側の技術者あるいは第三者が再度照査する必要がある。施工では発注者が直接あるいは施工者とは独立した代理人に依頼して「できるだけ完成物で」検査を行うとした。
 「信頼性を確保する仕組みがしっかりと機能するには、いずれの業務においても、その業務を遂行するにふさわしい技術力を持った人、あるいは組織に、責任と権限を明確にして担当させることが大切である。また、その業務に必要な対価と時間を与えることも当然である」とも記述する。

各地で講習会

 東京3月27、28日
 大阪4月17、18日

 土木学会は3月と4月、東京と大阪で「2007年制定コンクリート標準示方書発刊に伴う講習会」を開催する。設計編、施工編、維持管理編、ダムコンクリート編のほか、コンクリートライブラリー『2007年制定コンクリート標準示方書改訂資料』をテキストに行う。定員は両会場ともに1000人で、申込締切は東京3月31日、大阪4月3日。参加費は会員5万円、非会員6万円、学生4万円(テキスト代込み)で、問い合わせは同学会事務局研究事業課・松沼氏(TEL03・3355・3559)。
 東京会場は3月27、28日で、場所はよみうりホール(東京・有楽町)。大阪会場は4月17、18日で、大阪国際会議場(大阪・中之島)で開催。このほか、土木学会各支部でも講習会を開催する予定で、現在決まっているのが中部支部が5月15日、北海道支部7月28日、東北支部は11月に行う計画である。

出典:セメント新聞 2008年2月11日

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