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乾燥収縮率の実態把握へ〜39工場が共同試験に応募
関東地本 規定化の動きに対応し実施

コンクリートの乾燥収縮率の規定化の動きを受け、(社)日本砕石協会関東地方本部(織戸保四郎本部長)が募集した「第三者機関による骨材・コンクリートの乾燥収縮試験」に39工場(一部他地域を含む)が応募したことが明らかになった。関東地域の工場の中には、すでに収縮試験を独自に実施しているところもあるため、今回の試験の共同実施により関東地域においてコンクリート用砕石を出荷している会員企業の大半が自社の収縮データを把握することになる。

今回の収縮試験の共同実施はコンクリートの乾燥収縮率の規定化の動きを受けたものだが、今回の試験に39工場が応募する結果となったことは、ひび割れ(乾燥収縮ひずみ)に対して要求がシビアな建築物件の多い関東地域において、この問題への関心の高さが改めて浮き彫りになった形だ。収縮試験は(財)建材試験センターが行う。
試験に多くの工場が応募した背景には、来年改訂予定のJASS5(鉄筋コンクリート工事標準仕様書)の中に、乾燥収縮ひずみの上限値が800μ以下と規定される可能性が濃厚となっていることがある。この基準は『供用期間が100年以上の構造物』に対して設けられる予定だが、JASS5(工事仕様書)に規定されることで「設計者やゼネコンが通常の物件にもこの基準値に準拠する生コンを求めてくる」との可能性も一部で指摘されている。
学会などでは「骨材が乾燥収縮ひずみの要因の一つ」としていることもあり、規定化が現実となれば、骨材の選別にもつながりかねない。
このため、砕石業界では「すべてが骨材のせいにされるようなことがあれば問題だ。収縮の要因には、構造物周辺の温度・湿度やコンクリートの配合、セメントの種類、施工や養生などの問題もある。こういったことも含め、まず(収縮の)原因を究明することが先決である」とし、検証が十分でない現段階での規定化は時期尚早との見解を示すとともに、骨材だけに原因を求めるような改訂には反対していく考えだ。
実際、関東地本が先行実施した収縮試験では「吸水率が3%前後と高い岩石でも収縮率が700μ前後だった」との結果を得た。これは従来の「収縮は骨材の吸水率と大きな相関関係がある」との説を覆す試験データといえるという。
いま学会などで引用され問題が指摘されている骨材の収縮試験のデータは古く、その数も少ない。十分に検証が行われたとは言い難い部分もある。
さらに、あるゼネコンが実施した収縮試験の結果によると、収縮率が小さいとされる石灰石骨材を使用したコンクリートでも800μを超える結果が出るなど、岩種に関係なく使用骨材ごとのバラツキが指摘されており、「(現状一部のゼネコンが使用を推奨している)岩種指定よりは使用している材料(骨材・セメント)そのものがどうなのかが重要だ」との見解を示している。
今回の収縮試験の共同実施は、事実の検証と実態把握のための非常に貴重なデータとなることは間違いない。しかし、関東地域だけのデータだけでは不十分だと言わざるを得ない。全国的なデータによる検証が求められる。

出典:コンクリート工業新聞 2008年5月30日

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