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建築学会近畿支部/ひび割れ対策マニュアル作成
乾燥収縮が小さい工場を優先的に選定

日本建築学会近畿支部・材料施工部会(二村誠二主査)は「鉄筋コンクリート造建築物の収縮ひび割れ対策マニュアル」として、「仕様規定に基づくひび割れ対策マニュアル2008年版」を作成、4日に大阪市内で開いたシンポジウムで公表した。設計、材料・調合・製造、施工の各段階での対策を明示した。コンクリートの品質は、乾燥収縮ひずみを標準仕様で800μ以下(高級仕様650μ以下)、ブリーディング量を0.3立方センチメートル/平方センチメートル以下と規定し、通常よりも1ランク上のコンクリートとして位置づけている。材料・調合における乾燥収縮ひずみ抑制対策として石灰石砕石や混和材料の使用とその効果・留意点などを示した。一方、生コン工場の選定について、要求される乾燥収縮ひずみなどの品質項目を満たすことができる工場を「優先的に選定することが望ましい」とした。

石灰石・混和材で低減

日本建築学会は06年に「鉄筋コンクリート造建築物の収縮ひび割れ制御設計・施工指針(案)・同解説」を改定したが、「現場に携わる実務者には扱いにくいものになっている」ことから、同部会は、発注者、設計者、監理者、製造者、施工者が共通認識を持てる、より実用性の高いマニュアルを整備するため、ひび割れ対策マニュアル作成WGを設置、第一弾として仕様規定マニュアルを刊行した。
同マニュアルは「有害なひび割れを低減するための設計、材料・調合および施工における対策ならびに品質管理・検査およびひび割れ補修方法に適用する」とし、設計基準強度36N/平方ミリメートル以下の普通コンクリートで「施工中および通常の使用状態で生じるひび割れ」を対象とした。

石灰石の効用示す

設計における対策の章では、鉄筋による拘束と、誘発目地による有害なひび割れ対策を、具体的な詳細図と共に示した。
材料・調合・製造における対策の章では、乾燥収縮ひずみとブリーディング量を規定し、これを満たすための方法を示した。材料については、セメントは普通セメントを基本としつつ、高級仕様では乾燥収縮ひずみの低減に効果的な低熱や中庸熱セメントの採用を提案。骨材は「乾燥収縮ひずみを小さくする品質のものを使用している工場を選定することが望ましい」とし、ヤング係数が大きく吸水率が小さい粗骨材を推奨するとともに、石灰石砕石の効用を示し高級仕様の場合は「石灰石砕石の使用も検討するとよい」とした。
収縮低減型の高性能AE減水剤について標準的な添加量で5〜20%の収縮低減効果が見込まれる一方で、添加量によって効果が大きく変わることから、試練りなどで事前に性能を確認することが望ましいとした。また、混和材料については、膨張材は収縮ひずみの低減に加えコンクリートの品質を改善できるものを選定すること、収縮低減剤は低減効果を有することが確かめられたものを選定する。設計における対策の章でも、混和材料などによる抑制を基本対策に盛り込んだ。

スラッジ水で条件

練混ぜ水はJISA5308の附属書3に適合するものを使う。ただ、高級仕様の場合はスラッジ水を使用しないとした。標準仕様の場合も、コンクリート中のスラッジ固形分率を3%未満にすること、事前に乾燥収縮ひずみを確認することが条件になる。
調合、製造・輸送および運搬における対策としては、JASS5の「5節 調合」、「6節 発注および受入れ」、「7節 運搬および打込み・締固め」によるとした。調合の決定に際しては単位水量180s/立方メートル以下、単位粗骨材量を大きくする、水セメント比60%以下などの要求を満たす必要がある。
コンクリートの製造はJISA5308とその分野別認証指針に基づき、「製造および工程を管理することにより、安定した品質のコンクリートを確保する」。さらに、「単位水量の安定」が重要とし、骨材の表面水管理や粗粒率管理の徹底を求めた。コンクリートの温度上昇への注意や輸送中の分離や品質変化などが最小限となるよう輸送時間の管理や残水処理の徹底、などを求めている。
一方、施工における対策の章では、まず施工者がひび割れ発生要因を把握したうえで、施工計画書を作成、生コン工場を選定しコンクリートの仕様を決定する。工場の選定では「単に協同組合の指定だけで行うのではなく、調合面では単位水量が少なく、物性面では乾燥収縮ひずみが小さく、管理面では圧縮強度の変動がより小さい工場から優先的に選定することが望ましい」と提案した。

性能設計型作成へ

シンポジウムの主旨説明の中で二村主査は「ひび割れは我々が持つ技術を高めていけば、解決できない問題ではない。マニュアルを活用してもらいより良いコンクリート構造物を次の世代に残していきたい」と強調した。同部会は来年に、ひび割れ補修マニュアル、その次に性能設計型ひび割れ制御マニュアルを作成する計画。二村主査は「3つのマニュアルが揃えば内容の充実したひび割れ対策として昇華させられると思う」と述べた。

出典:コンクリート工業新聞 2008年6月12日

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