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SAISEKIコラム 品質管理

高強度コンクリートの出荷実績調査/寄稿 全国生コン工組連中央技術研究所

近年、構造物の高層化や大型化、また高耐久化の観点から、大都市圏を中心に高強度コンクリートの出荷が増えている。高強度コンクリートは、2000年の改正建築基準法に基づく指定材料の大臣認定(以降、大臣認定と表記)や03年のJIS A 5308における区分03(以降、JIS認証と表記)に基づく認証・認定制度に基づき製造出荷されているが、両者とも比較的新しい制度であるため、これらに関する全国的な調査事例は少ない。全国生コンクリート工業組合連合会中央技術研究所では、社団法人セメント協会からの委託を受け、高強度コンクリートのJIS認証または大臣認定の取得状況及びその出荷実績や品質管理状況について調査を行った。本稿は、その調査結果を抜粋し取りまとめたものである。

高強度出荷割合は4.8% 試験・水分管理など拡充

1.実態調査の概要
実態調査は、各県工業組合を介し、高強度コンクリートに関するJIS認証または大臣認定を取得している工場に対して、08年2月に実施した。なお、調査はアンケート方式(無記名)によって実施した。

2.実態調査結果
調査依頼に対する回答数は261工場であり、その内訳はJIS認証が78工場、大臣認定が183工場であった。また、地域別では、東京、神奈川、茨城、栃木、静岡、大阪兵庫、福岡などの都市部の回答率が高かった(表−1参照)。

2.1 JIS認証の取得について
06年10月の新JISマーク表示制度開始以降の増加が顕著であり、その総数は08年2月現在で78工場であった(図1参照)。なお、別途行った調査では、08年3月現在のJIS認証取得工場数は105工場となっており、本調査では既認証取得工場の7割程度の情報が得られている。

表−1 回答率の高かった都道府県   図1 JIS認証、大臣認定件数の推移

2.2 大臣認定の取得について
(1)認定件数
大臣認定の取得は、JIS A 5308に区分03が設けられた04年以降に急増している(図1参照)。なお、07年11月現在の大臣認定取得工場数は、国土交通省の資料を基に算出すると工場数550、総認定件数1700件弱であった。
大臣認定の取得形態としては、生コン工場単独で取得した件数は、認定件数904件(183工場の複数回答)の38%にあたる345件であった。

(2)セメントの種類
認定を取得したコンクリートのセメントの種類は、全体の53%を普通ポルトランドセメントが占め、ついで低熱ポルトランドセメントが21%、中庸熱ポルトランドセメントが19%であった。

(3)スランプ及び空気量
認定を取得したコンクリートのスランプは21cmが最も多く、ついで23cm、18cmであった。また、スランプフローは60cm、50cm、65cmの順に多かった。また、空気量の設定値は3.0%が最も多く全体の42%を占め、ついで4.5%が30%、2.0%が19%であった。

(4)圧縮強度
全体として取得年にかかわらず60N/mm2レベルが最も多くなっている。なお、60N/mm2レベルを超えるコンクリートの認定は、04年以降増加しているものの、全体としては7%程度であった。

3.高強度コンクリートの出荷量
高強度コンクリートの年間出荷量は、大臣認定が始まった00年度の20万m3から純増しており、06年度では98万m3、07年度は12月までの合計が93万m3となっている(図2参照)。また、総出荷量に対する高強度コンクリートの出荷割合(出荷のない工場を除いて算出)は、00年度の1.2%から純増しており、07年度では4.8%となっている。(図3参照)。

図2 高強度コンクリートの年間出荷量推移
(回答向上の合計)
  図3 高強度コンクリートの出荷割合

4.配(調)合
高強度コンクリートの配合強度は、強度管理用供試体の養生方法を標準養生として算出する工場が全体の93%を占めており、補正値の平均は6.0N/mm2レベル程度であった。
設計単位水量は全体の平均値が171.2s/m3、最大185s/m3、最小150s/m3、設計基準強度が60N/mm2を超えるものについては175kg/m3以下であった。
また、水セメント比は、設計基準強度50N/mm2で水セメント比が40%程度、80N/mm2では30%程度、100N/mm2を超えるものについては20〜25%程度に設定されるケースが多いようである(図4参照)。
季節配合の有無については、回答工場の約半数が3シーズン(標準期、夏期、冬期)に対応する配合を設定しているとのことであった。なお、季節配合を準備していない工場ではスランプまたはスランプフローの調整を混和剤添加量の増減で行う工場が全体の94%、水量で調整すると回答した工場が6%であった。

図4 設計強度と水セメント比の関係

5. 製造工程管理
(1)コンシステンシー
生コン工場におけるスランプフローの管理は、回答数348件(認定件数)の97%がスランプフローの広がり径のみ、その他の3%がこれに50p到達時間を組合せているとのことであった。これらの試験頻度は、出荷50m3または100〜150m3レベル毎に1回の割合で実施するケースが多い。また、出荷開始からコンシステンシーが安定するまでの間は、全車を対象に実施する工場も比較的多い。
なお、コンシステンシーの日内変動は、スランプで評価するコンクリートの場合平均1.8p、スランプフローの場合4〜6p程度(平均4.8p)であった。

(2)圧縮強度
圧縮強度が構造体補正強度を下回るケースはほとんどなく、構造体補正強度が60〜100N/o2の場合、圧縮強度の実測値は10〜30N/om2程度高くなっている(図5参照)。また、同一日に採取した供試体の圧縮強度の変動は、多くの場合10N/o2以下に収まっており、その平均は4.3N/mm2であった。

(3)単位水量
生コン工場が工程管理として実施している単位水量迅速推定方法の種類は、高周波加熱乾燥法が全体の74%、エアメータ法が18%であった(図6参照)。また、単位水量の管理幅は15kg/m3以下としている工場が全体の51%、10kg/m3以下が46%、20kg/m3未満が3%となっている。

図5 構造体補正強度と実測値の関係   図6 単位水量迅速測定方法の内訳

6.製造における留意事項及び要求事項
高強度コンクリートの製造時の留意事項としては、配合設計、品質管理試験の頻度、骨材の水分などの管理を、通常のコンクリートと比較して拡充しているとの回答があった。また、購入者からの要求事項については、スランプの上限要求が最も多く、その他としては配車管理や凝結時間の調整などがあげられていた。

出典:コンクリート工業新聞 2008年8月28日

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