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骨材資源工学会・森野会長に聞く/乾燥収縮〜コンクリの宿命、原因究明の先決を

森会長の画像砕石技術大会で森野奎二・骨材資源工学会長(愛知工業大学教授)が「骨材の現状と課題(コンクリートひび割れと骨材の乾燥収縮問題について)」の題で講演する。乾燥収縮問題では、原因の究明を最優先するよう求めた。また、今後は骨材資源工学会が骨材業界の連携を促すとした。

―― 砕石技術大会で講演をされますが、主な内容は。
  昨今問題になっている乾燥収縮と数年前から問題になっているアルカリ骨材反応を取り上げる予定だ。乾燥収縮には新しさがあり、アルカリ骨材反応には、骨材業者に高い関心があると思う。

―― 砕石業界では乾燥収縮問題への懸念が広がっています。
  コンクリートの乾燥収縮問題は昔からひび割れは土木よりも部材が薄い建築の方がより深刻に捉えられており、今も厳しい規制は建築学会を中心に議論が進められている。かつて、コンクリートのひび割れは単位水量が主な要因と考えられていた。セメントの水和反応に必要な水セメント比は40%で残りは施工性を勘案してプラスされている。このプラスαの部分の乾燥が問題となる。乾燥収縮によるひび割れは水和物であるコンクリートにとって宿命といえる。しかし最近、骨材の乾燥収縮がコンクリートの乾燥収縮に大きく関わっていると言われだした。ただ、その根拠となったデータは最近のものもあるが、しばしば取り上げられている砂岩、安山岩、石灰岩を比較したデータはセメント協会の耐久性専門委員会ひび割れ分科会が報告した昭和63年のデータでものすごく古い。乾燥収縮問題に骨材業界が対応するにはとりあえず、新しいデータを取って、原因を究明していくほかないだろう。

―― アルカリ骨材反応については、骨材業者もかなり理解度が進んでいますね。
  問題提起されてから25年の時間が経って問題の理解度は上がってきたが、全くなくなったというわけではない。むしろ、鉄筋の破断など深刻な事例も出てきた。アルカリ骨材反応については、今年ノルウェーで開かれた第13回のアルカリ骨材反応の国際会議で、従来、別枠とされていた、炭酸塩反応もアルカリシリカ反応(ASR)の一種とされ、名称がASRに統一された。すでに12回の北京の時にそのような提案もあり、また、もともとわが国には、ASRしかなかったことなどから、2007年度版の土木学会のコンクリート標準示方書にも『アルカリ骨材反応』は『アルカリシリカ反応(ASR)』と表現が変えられるなど、ここ最近の知見を話すつもりだ。

―― どちらの問題も骨材業界にとって興味がわく内容ですが、問題の共通点はありますか。
  片一方は膨張、もう片方は収縮と作用は正反対だが、どちらも水が深く関わっており、これが共通点といえる。昨今問題となった溶融スラグ骨材も骨材中に残留した生石灰成分が主因と聞いている。生石灰成分も水が供給されなければ膨張しないので、昨今生じている問題は『水』がキーワードと言えるだろう。コンクリートはセメントの種類や配合、混和剤に至るまで工場によって材料が異なる。特に骨材は天然資源の枯渇化に伴って多様化が進んでおり、一部は今までより品質のよくない骨材も流通しているように思われる。問題の共通点は『水』といったが、コンクリートは様々な材料が用いられており、問題が生じた場合でもはっきりとした原因が究明されない限り、その対策は一様ではないと思われる。

―― 話題提供される乾燥収縮やアルカリ骨材反応の問題は、ともに石灰石骨材の優位性が協調されています。
  いくら石灰石が国内に豊富にあるとはいえ、有限な資源であり、供給される総量も限られている。石灰石鉱山は他の岩種の鉱山に比べ、切羽が大きく製品コストも安い。また、鉱山数、採取されている地域も限定的で絶対数が少ない。絶対数が少ないのだから骨材のバラツキが少ないのも当然だ。
一方、石灰石以外の骨材業者の方々は何かといって、石灰石業者を目の敵にされている人が多い。商売上、敵になっているのはやむを得ないが、あまりにも過剰反応している部分があるのではないだろうか。これらの問題の本質を解いて、双方の誤解をなくしていくのが骨材資源工学会の役割であると痛感している。

業界の連携 学会が中核に

―― 今大会には砂利や石灰石、鐵鋼スラグ協会も協賛しています。
  骨材業界の連携は非常に喜ばしい。需要が減る中、過当競争していると骨材業界が疲弊してしまう。日本の砕石の使用量では、多い順に砂岩、安山岩、石灰岩であるが、これらの岩種には前二種には砕石、砂利協会が、後者には石灰石鉱業協会などが係わっており、それぞれ得意分野がある。互いの得意分野を活かしながら、業界全体を盛り上げていければいい。その中核として、骨材資源工学会が役割を果たしていければ幸いである。

出典:コンクリート工業新聞 2008年9月25日

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