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SAISEKIコラム 品質管理

高品質化に挑む(6) 関東宇部コンクリート工業の取り組み/「コンクリートの耐久性」
乾燥収縮 石灰岩 砂岩の半分

生コンの品質は基本的にスランプ、空気量と強度で管理、保証されている。本来コンクリートに求められる性能は打込み時の施工性、硬化後の強度および耐久性の3つであるが、実際のコンクリートの耐久性に関しては確認する必要はない。これには生コンはJISに準じて配合を定期的に見直し、使用材料の品質管理をしっかり行って、必要に応じた現場配合修正を行っておれば、計画どおりの生コンが得られる。納入時の品質が満足していれば耐久性も確保されるという前提にあるのではないかと考えられる。
土木学会では既に耐久性照査設計に移行しており、2007年版では収縮ひずみが規定化されている。建築学会でも乾燥収縮ひずみが規定化される動きにあるが、生産者側からのこうしたデータ開示は非常に少ないのが現状である。
そこで、実際に出荷された生コンを用いて、土木学会の性能照査に関連する物性を調査するため、鋼材腐食にかかわる塩分浸透および中性化、コンクリートの劣化にかかわる乾燥収縮および凍害についての促進試験を行った。工場は東京、神奈川、千葉、埼玉にある10工場で、呼び強度は21〜30、セメントは普通および高炉セメントB種である。
塩化物イオンの浸透を土木学会基準案の電気泳動法により測定した結果を図1に示す。見掛けの拡散係数は普通セメントに比べて高炉セメントのほうが小さく、土木学会RC示方書の参考式に比べるといずれのセメントの場合も小さくなった。参考値を用いて照査すると安全側の評価になる可能性があるのではないかと考えられる。
中性化速度係数と有効水結合材比との関係を図2に示す。高炉セメントの場合は普通セメントよりも中性化が早いが、有効結合材量(ポルトランドセメント量とスラグ粉量×0.7の和)で整理すればセメントの種類にかかわらず、同じ関係線で整理できる。RC示方書の参考値に比べると若干大きくなった。
乾燥収縮は図3に示すように、粗骨材に石灰岩系砕石を用いた方が、砂岩系の場合いに比べて半分程度に小さくなった。砂岩系の粗骨材の場合は800μを超える場合もあるが、概ね単位水量が185kg/m3以下であればそれ以下になるようであった。乾燥収縮に関しては、特に建築分野で2000年の品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)の施工以来ひび割れ抑制が重要視され、独自に生コンの実態を調査している建設会社もある。膨張材を使用する事例が増えており、最近では石灰岩粗骨材が指定されるケースも見受けられ、生コン側も対応に苦慮する場合が出てきている。
急速水中凍結融解300サイクル後の相対動弾性係数を図4に示す。相対動弾性係数はW/Cが大きくなるほど低下する傾向にあるが、60%以上であった。
生コン製造業がコンクリート技術者の集まりとして評価されるには、強度を保証するだけでなく、このようなデータを持っていても良いのではないかと思う。ただし、必要性を理解はできても実行するには費用と時間がかかるため、我々の業態の中ではかなりの負担になることは否めない。

図1 塩化物イオン拡散係数 図2 中性化速度係数
塩化物イオン拡散係数 中性化速度係数
   
図3 乾燥収縮ひずみ 図4 凍結融解試験による相対動弾性係数
乾燥収縮ひずみ 相対動弾性係数

出典:コンクリート工業新聞 2008年12月18日

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