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SAISEKIコラム 品質管理

高品質化に挑む(8)
関東宇部コンクリート工業の取り組み/「高強度コンクリート」/100N単独取得
人・設備 技術進歩促す

2000年の建築基準法の改正でJIS製品以外のコンクリートが大臣認定の対象になってから、高強度コンクリートの実用化が進んだ。最近では200N/mm2の高強度コンクリートの開発と施工実績の報告がなされているが、強度供試体の管理に特殊な養生が必要のようであり、現実的レベルは150N/mm2程度ではないかと思われる。
高強度コンクリートは建設会社の主導で開発され、生コンと共同で実用化されてきており、当社グループの工場でも150Nまでの共同による大臣認定を取得している。高強度コンクリートは練混ぜ時間が長くなるため製造能力が落ち、また、フレッシュコンクリートの品質確認に労力を要するなど、材料費以外にもコストがかかり負担の大きいものと考えられていたが、ミキサや混和剤の進歩もあり、ここ数年は60Nクラスまでならば通常のコンクリートと同様に、あたりまえに出荷できるようになっている。
2006年に工場単独で設計基準強度100Nの大臣認定を取得したので紹介する。
使用材料は、80Nまでの認定は中庸熱あるいは低熱ポルトランドセメント、細骨材は石灰岩砕砂と山砂、粗骨材は石灰岩砕石、混和剤は高性能AE減水剤であるが、100Nの場合は低熱セメントをベースにシリカフュームをプレミックスしたシリカフュームセメント、細骨材に山砂、粗骨材に硬質砂岩砕石、および減水性能が高い高性能減水剤を使用する。実験的には通常使用の石灰岩骨材でも強度が得られることを確認しているが、ゼネコンとの共同認定実績、また、一般的に砂岩系のほうが有利といわれることから変更した。通常は80N以上になると火災時の爆裂防止のために繊維を混入するが、ゼネコンによって仕様が異なることから認定品では使用してない。現場で混入する。なお、150Nクラスになると細骨材も硬質砂岩に変更するほうが強度的に有利になることが判っている。
技術データの収集は、工場実機プラントを使用し、水セメント比を15%〜28%の4水準、3シーズンについて行った。標準水中養生強度のほか、1m角の模擬柱によるコア強度を求めた。模擬柱の中心部の最高温度は夏期の水セメント比が最も小さい15%の場合で90.3℃であった。
図1に材齢28日標準水中養生強度を、図2に材齢28日標準水中養生強度と材齢91日コア強度との差(構造体補正強度S値)を示す。標準水中養生では約150Nまで直線関係にあり、また、S値はマイナス(採用値はON)、材齢91日コア強度は170Nが得られ、データ的には100N以上の設計基準強度が可能と思われたが、認定は100Nにとどまった。実際の出荷実績や工場単独ということが考慮されたと思われる。なお、標準偏差は管理強度の10%としたが、ゼネコンとの共同認定による80N以上の実績では5%以下に収まっている。
当時既に工場単独で80Nまでは取得していたが、それ以上についてもゼネコンと共同による認定・出荷実績があるのだからということで業界で初めて認定取得に挑戦した。ゼネコンとの実績はいうまでもなく、諸先生方の助言、混和剤メーカーからの支援なしには難しかったと思う。
高強度コンクリートの開発・実用化はゼネコン主導で、セメントや混和剤メーカーはこうしたニーズに応えるため改良や新製品の開発を行ってきた。生コンはというと、2000年頃はまだ量的志向で、難しいコンクリートにはあまり積極的でなく、ついてゆくのがやっとだったように思う。環境の変化に対応したおかげで人と設備の両面から技術も進歩したが、まだまだ受身である。こちらから発信できる技術や製品の開発を目指すこと、少なくともゼネコンや材料メーカーと共同研究ができるような人材や技術力を持つ必要がある。それには経営面でのある程度の余裕や、労働環境を整える必要があるが、現実には急激に厳しい状況になってきている。
 (松永篤=関東宇部コンクリート工業取締役常務執行役員・技術統括部長。毎月第3週掲載。全12回)

出典:コンクリート工業新聞 2009年2月19日

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