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SAISEKIコラム 品質管理

高品質化に挑む(9) 関東宇部コンクリート工業/高強度の空気量

事前に「相当量」の試験必要

今回も高強度コンクリートについての話題を。空気量は強度上からは少ないほうが有利で、その一方施工性や凍害の面からは所要量が必要である。凍害のおそれがある場合の空気量の規定は建築と土木で若干異なるものの、例えば日本建築学会の高強度コンクリート施行指針(案)・同解説では4.5%、土木学会のコンクリート標準仕方書では強度により4.5%から3%の標準値が示されている。
一般に高強度コンクリートの耐凍結融解性は普通強度の場合に比べて優れており、少ない空気量で性能が確保できるといわれているが、強度、空気量の影響に加え凍結融解試験前の養生の影響も大きいとの報告もなされている。
当社において、空気量と試験前の乾燥の影響について実験を行った。セメントに中庸熱セメントを用い、水セメント比を25、35および45%、目標空気量を2および4.5%とした。凍結融解試験は、JIS A 1148のA法による水中における急速凍結融解を300サイクル繰返すことによった。試験前の養生はJISに準じた28日水中養生、および7日水中養生後に気中(20℃、相対湿度60%)で4週間乾燥させた場合とした。
試験結果は図1に示すとおりで、目標空気量4.5%の場合は強度および養生条件にかかわらずいずれも高い耐久性指数で、優れた凍結融解抵抗性が認められる。硬化体の気泡間隔係数も250μmより小さく、一般に耐凍害性に効果があるといわれる範囲にあり良好な気泡組織であることが判る。
空気量が2%の場合には、試験開始時の圧縮強度が100N/mm2(W/C25%)の場合には気泡間隔係数が450μmと大きいにもかかわらず凍結融解抵抗性が認められる。この場合、試験前の養生で乾燥を受けた場合には凍結融解抵抗性がやや低くなり、乾燥中に生じた微細ひび割れが欠陥となっているのではないかと考えられる。しかし、試験開始時の圧縮強度が80N/mm2より低い(W/C35%、45%)場合には耐久性指数が著しく低くなった。図2に目標空気量2%の場合の相対動弾性係数の推移を示すが、試験開始早期から急激に劣化が進行することが窺える。 なお、強度は空気量1%の増加に対して4から6%低下し、一般強度の場合と同等であった。
圧縮強度100N/mm2は設計基準強度で80N/mm2に相当する。所定量の空気を導入してこのレベルの強度を確保するには配合面や次に述べる空気量の安定性の面からかなり難しく、製造上の大きな配慮が必要になる。事前にAE剤の種類や量、練混ぜ時間について相当量の試験による検討が必要である。室内試験と製造プラントでかなり違う。
また、時間経過による空気量の変化を測定すると、室内試験練りの静置状態では比較的安定した空気量を示す場合でも、プラントで製造しアジテータ車を用いると試験を繰り返す度に空気量が増加したり、変動することがある。積載量が少ない場合によく見られるようで、試料採取時のアジテータ車ドラムの高速攪拌時に空気を巻き込むと考えられ、必要以上の攪拌は避けるほうがよい。ただし、通常の運搬中の低速攪拌ではこのような現象は起こらず実際の納入時には問題にならないようである。
(松永篤=関東宇部コンクリート工業取締役常務執行役員・技術統括部長。毎月第3週掲載。全12回)


図1 空気量、強度、気泡間隔係数と耐久性指数(耐凍害性)


図2 凍結融解サイクルと相対動弾性係数

出典:コンクリート工業新聞 2009年3月19日

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