KOMATSU
経営・技術イノベーションコマツ・ソリューション鉱山採石テクノロジ業界情報インフォメーション耳寄りリンク集

HOME > 業界情報 > SAISEKIコラム
業界情報
HOME
SAISEKIコラム 品質管理

関東宇部コンクリート/工業高品質化に挑む10/高炉スラグ細骨材/山砂の粒度低下をカバー

採取規制や品質の低下により天然のコンクリート用骨材が少なくなっており、粗骨材はほとんどが砕石に、細骨材も砕砂との混合に置き換わってきている。首都圏の細骨材の最大の供給先である千葉県でも粒度の良好な山砂の確保が難しくなってきており、生コン工場では砕砂と混合して使用する事例が見受けられるようになっている。先般、千葉県中部山砂事業協同組合から生コン工業組合に対して混合砂の使用を検討してほしい旨のお願いが出されている。
砕砂としては、九州・四国・東北・北海道からの海送による石灰岩系、近県からの陸送による砂岩系や石灰岩系のものが用いられている。一方で、砕砂ではないが、近年の輸送費の高騰に伴い骨材価格が上昇している点、また、安定供給の面から、近場で生産され輸送費の影響が少ない骨材として、高炉スラグ細骨材が考えられるのではないか。首都圏ではあまり着目されていないが中国地方では既に多くの実績がある材料である。高炉スラグ細骨材は、粗鋼生産時に高炉から副産される約1500度のスラグに加圧水を噴射して急冷した水砕スラグを粒度調整し、固結防止剤を添加したもので、JIS規格も制定されている。なお、この水砕スラグは高炉セメントの原料としても利用されるものである。
高炉スラグ細骨材(以下、BFS)の適用性をみるため砕砂と山砂の一部代替として使用した場合の評価を行った。高炉スラグ細骨材は千葉県内の鉄鋼会社から入手したJIS A5011−1の粒度区分5−0.3に相当する密度2.77g/cm3、粗粒率(FM)3.33のものを使用した。
図1に細目の山砂(FM1.91)と硬質砂岩砕砂(FM2.81)の混合比を6:4の一定としてBFSを容積置換した場合のBFS置換率と最適細骨材率を示す。配合は水セメント比50%、スランプ18センチで、粗骨材には石灰岩砕石を使用した。BFSで置換すると土木学会RC示方書(施工編)を参考にした粗粒率の違いによる細骨材率の補正よりも0.5〜1%大きくする必要がある。使用したBFSが微粒部分の少ない粒度のもので、混合砂中の微粒分が少なくコンクリートの粘性が低くなるためと考えられる。なお、置換率30%になるとコンクリートが若干荒々しくなり、20%程度までが適当と判断された。
細骨材のBFS置換率を20%とした場合のセメント水比と20度水中養生圧縮強度との関係を図に示す。図中記号のSFCはセメントにシリカフュームセメントを、粗骨材には硬質砂岩砕石を使用している。150N/mm2以上の強度までBFSを使用しない場合と同等の強度が得られた。なお、データは省略するが、10度および30度で養生した場合の強度発現性も同等であり、また、静弾性係数および乾燥収縮への影響も認められなかった。今回使用したBFSは十分に使用できる材料と考えられた。当然ながら特定のBFSによるコンクリート試験結果であり、組み合わせる骨材によってBFSの粒度や配合比率など最適な条件は異なると考えられ、試験によって確認する必要がある。
BFSは首都圏では安定的に入手できる骨材であり、山砂の粒度の低下を補え、また、輸送費にかかわるこれ以上のコストアップを抑制できる可能性がある。資源の有効利用の観点からも好ましく、今後適用事例が増える材料と考えられる。工場として受入れ設備の問題などを解決する必要はあるが、当社でも実用化の検討を進めているところである。
(松永篤=関東宇部コンクリート工業取締役常務執行役員・技術統括部長。毎月第3週掲載。全12回)

最適細骨材率
図1 最適細骨材率
セメント水比と圧縮強度
図2 セメント水比と圧縮強度

出典:コンクリート工業新聞 2009年4月16日

このページのトップへ

採石コラム記事一覧業界情報インデックス

Copyright (C) 2009 Komatsu Construction Equipment Sales and Service Japan Ltd. ご利用上の注意 | お問い合わせ | サイトマップ