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JCI収縮委十河委員長に聞く/収縮推定方法を提案/生コン「収縮で価格差」/業界でシステム整備

日本コンクリート工学協会(JCI)のコンクリート収縮問題委員会(委員長=十河茂幸大林組技術研究所副所長)は7月に東京と大阪で、中間報告会「コンクリートの収縮問題とその対応」を開く。土木・建築両学会でコンクリートの収縮が規定され、生コン業界やその材料を供給する骨材、混和剤(材)業界、ユーザーである土木・建築業界の関心も高い。委員会の活動や中間報告会、最終報告に向けた課題などを十河委員長に聞いた。
――委員会の設立から、中間報告までの経緯について。
委員会は昨年9月に会長特別委員会として設立された。設立後10ヶ月足らずで、中間報告会を開くというのは、それだけ収縮問題が急を要していたということでもある。昨年末の記者発表で委員会のメッセージを伝えた後は収縮問題への課題について、業界横断的にコンセンサスが得られてきたと思う。JASS5が規定した収縮の規定値も800μから8×-410に改められたし、生コン技術大会でも委員会の活動が取り上げられた。
――中間報告会の発表内容について。
中間報告会までに記者会見で提示した課題を文章化した中間報告書を作成する。報告会のセクションは「コンクリートの収縮の実態」、「コンクリートの収縮と構造物の性能の関連」、「コンクリートの収縮試験結果の評価方法」、「コンクリートの収縮を低減する方法」の4つを予定している。
報告書は、全生工組連やゼネコンが最近行った収縮のデータ、過去に発表された収縮に関する資料も掲載する。収縮低減方法のセッションでは、収縮低減剤や収縮低減型混和剤、膨張材の収縮低減効果の検証データを発表する。
試験の評価方法では、JISA1129(長さ変化試験方法)の試験精度について詳しく解説する。長さ変化試験には、3つある試験方法の誤差や試験員の技量に加え、恒温恒湿室内でも、空調やドアの近くでは、数値が変動するといわれている。ただ、これを証明する具体的なデータはない。試験の問題は、この委員会だけで結論は出せないので、講演後のパネルディスカッションでも議題に取り上げて、パネラーや受講者からも意見を募っていきたい。
――パネルディスカッションの内容は。
パネルディスカッションでは、生コン工場がゼネコンから収縮ひずみの上限値について要求があった際、その具体的な対応方法について議論する考えだ。例えば、呼び強度33、スランプ18センチで、700μの収縮値のデータを持っているA工場にゼネコンが呼び強度24、スランプ12センチを発注した場合にA工場はどうするか。生コン工場が全配合の収縮データを持つことは不可能だ。そのため、A工場は受注した呼び強度24の収縮を推定しなければいけない。そこで、パネルディスカッションでは、収縮の推定に参考となるような方法を提案したい。
――収縮は水セメント比や単位水量に左右されないというデータがあります。
収縮のデータのほとんどは、様々な材料と配合で、横軸に単位水量をとり、縦軸に長さ変化が記され『こんなにばらついているよ』というもの。水セメント比や単位水量の影響を正しく評価するには、同じ原石山から同じロットの骨材を使った同配(調)合のコンクリートで、水セメント比や単位水量だけの影響を調査しなければいけない。ただ、同一骨材、同一配合のデータは少なく、実態はまだよくわかっていない。データが揃えば、推定方法の信頼性が高まるだろう。中間報告書に事例を紹介して、最終報告書ではデータに裏打ちされた推定方法にしたい。
基本的に乾燥収縮試験は試験期間が6ヶ月かかるので、荷卸し段階ではわからない。試験結果が出る頃には、構造物は出来上がっている。改正された生コンJIS(JISA5308)では、配合報告書が計画書に変わり、納入書に配合が記されることになったが、収縮は配合と同様に製造者がどう保証し、担保していくのかということを考えなければならない。これは、性善説に立って考えるしかない。
――収縮による生コン発注方法も委員会の検討課題だが。
収縮の規定は問題も多いが、本来の目的は、ひび割れを抑制する点にある。生コンはそのために収縮を管理項目としておく必要がある。パネルディスカッションでは、収縮の規定だけでなく、その先のステップ、すなわち、収縮の小さい生コンを高く売っていくという点についても話し合いたいと思っている。そこまで突っ込まないと、この問題は解決しない。現状では、収縮の大きい生コンと収縮の小さい生コンの値段は変わらない。それなら、ユーザーとしては当然収縮の小さい生コンがほしい。逆に生コンは収縮の大小で価格差をつけられるチャンスでもある。高い品質が高く売れるという、ごく自然な需給関係で単価が決まるシステムを生コン業界が作っていくように考えないといけない。
――今回は中間報告ですが、最終報告はいつ頃になりますか。
委員会の活動期間は来年3月までなので、来年の4-5月には最終報告会を開きたい。最終報告書では、データを集めて生コンの保証方法や試験の測定誤差、精度などを『委員会報告』として提案できるのではないかと思っている。

出典:コンクリート工業新聞 2009年6月18日

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