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対応の困難さのPRが必要/JCI収縮検討委/中間報告発表し討論会

コンクリートの収縮問題とその対応−委員会中間報告およびパネルディスカッション 日本コンクリート工学協会(JCI)の「コンクリートの収縮問題検討委員会」(委員長=大林組技術研究所副所長・十河茂幸氏)は7月2日、6日に東京・大阪の二会場で「コンクリートの収縮問題とその対応−委員会中間報告およびパネルディスカッション」を開催し、これまでに検討・整理した乾燥収縮の現状や評価方法などについて報告するとともに、パネルディスカッションを行って問題点の整理や参加者から意見を集めた。同検討委では、これらの意見をもとに検討を進め、今年度中に最終報告をとりまとめる。

JCI・コンクリートの収縮問題検討委員会は『収縮問題』を収拾する方策を検討するため、昨年、会長特別委員会として設置され、現在、1.収縮に関する実態調査、2.収縮が構造物の性能に与える影響の整理、3.収縮量の評価方法に対する意見集約、4.生コンの収縮量の保証方法の確立―を目標に検討が続けられているが、今回委員会設立の趣旨である早期報告の必要性から東京と大阪で中間報告会を行うことにしたもの。同検討委では、両会場で出された意見などを踏まえ、今後、一部関係者だけにしわ寄せがいかないような解決方法を検討し、今年度中にも最終報告をとりまとめる考えだ。
7月2日の東京会場(品川区のきゅりあん)には、ゼネコン、生コン、骨材業界などから約200人が参加した。
冒頭、阪田会長が「乾燥収縮が規定化され、構造物の設計の段階で乾燥収縮を積極的に考えていく流れになったが、数字だけが独り歩きし、それ以下であればひび割れが発生しないという間違った認識も流布している。そこで、各学会・業界が共通認識を持ちつつ、それぞれの分野で対応できるよう、土木・建築研究者、セメント、生コン、骨材、ゼネコン、発注者で構成される当協会で検討を行うことにした」と委員会設立の趣旨を説明した。
続いて、中間報告会に移り、▽コンクリートの収縮の実態(首都大学東京・上野敦氏)▽コンクリートの収縮試験結果の評価方法(長岡技術科学大学・下村匠氏/東京大学・野口貴文氏)▽コンクリートの収縮試験結果の評価方法(建材試験センター・真野孝次氏)▽コンクリートの収縮を低減する方法(全国生コンクリート工業組合連合会・鈴木一雄氏)−について説明が行われた。

「骨材は地産地消」

十河委員長 CO2排出量削減で
その後、「収縮率の基準化による課題と対応方法の提案」をテーマにパネルディスカッションが行われ、1.基準の必要性、2.評価方法、3.収縮低減方法、4.発注時の生コン工場における対応(保証)−の四つに話題を絞り、討論が行われた。コーディネーターに十河委員長、パネラーに▽野口氏▽鈴木氏▽京都大学・河野広隆氏▽土木研究所・渡辺博志氏−が務めた。
この中で、8×10-4以下のコンクリートに対応すべき物件については「将来的に増加する可能性がある(現状は約2割)」との言及があり、参加者の大手ゼネコン技術者からも「JASS5に規定されたことでディベロッパーが供用期間に関わらず、特記仕様書に盛り込んでくることが十分予想される。特記は契約書であるため、施工者側は守らなければならない」と対象物件が増加する可能性が高いことを示唆した。これを受け、野口氏は「乾燥収縮試験のデータは増えてきたが、実態把握はまだできていない。ありのままの数値を公表し、設計者や一般消費者に8×10-4以下のコンクリートを造ることがいかに大変で、いかにコストがかかるのかを認識してもらわなければ悲劇が起こりかねない」と警鐘を鳴らした。
また、収縮の低減方法については「現在、短期的な対応として骨材を石灰石骨材に指定する建設会社が多いが、石灰石は生産量が限られるうえ、二酸化炭素(CO2)の排出量削減という社会的な風潮を考えれば、建設業界としても長距離運搬(海送除く)は避けたい。流通自体は自由だが、基本は地産地消」(十河氏)とした。これを受け、野口氏も「地産地消の考え方は必要。ただし、それが地域的な生コンの品質格差につながる可能性もあるため、政策的な方針を考える必要も出てくるのではないか」と述べた。

岩種以外の対応必要に
さらに討論会では、▽岩種を問わず収縮の小さい粗骨材を混合使用する▽収縮低減剤・膨張材の使用▽使用セメントの変更−などや、それらを組み合わせた方法で収縮を低減することを提案。参加者の学識者からは「骨材の実積率をあげればセメントペースト量を減らすことにつながり、その結果、乾燥収縮が低減できる可能性はある」との意見も出された。このほか、十河氏は「収縮の小さい骨材はそれ自体がセールスポイントになり得る」とし、骨材生産者の営業面に活用すべきだとの認識を示した。
生コン工場における乾燥収縮の保証については、鈴木氏が「乾燥収縮への対応は生コンの品質が良くなる方向のものであり、製造者としての義務だが、現状はデータを蓄積している段階。なるべく早くデータベースを構築し、それをもとに収縮を保証できる仕組みを確立したい」と述べた。
このほか、愛知工業大学特任教授・長瀧重義氏が「ひび割れのないコンクリートの製造は可能だろう。しかし、生コン価格が1m31万円以下では安すぎて(実現することは)難しい。生コン価格が2〜3万円になれば、膨張剤や収縮低減剤などが使用でき、対応できるはずだ」と持論を展開。十河氏も「良い生コンが高く売れる仕組みが構築できれば、生コン側も骨材や混和剤などの使用材料を高く買う方向に動き、ひいては乾燥収縮率も低減する傾向になる。この環境作りを根付かせる必要がある」と述べた。

出典:日本砕石新聞 2009年7月15日

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