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乾燥収縮問題で討論会/今後の対応など意見を交換 関東*地本 十河委員長を招き開催

討論会におけるパネラー諸氏。左から
十河氏、三橋氏、小川氏、塚田氏、梶谷氏

日本砕石協会関東地方本部(井上勝次本部長)は8月5日、東京・新宿区の京王プラザホテルで「乾燥収縮問題の考え方と今後の展開に向けて」をテーマに討論会を開催。乾燥収縮問題の現状についての最新の情報交換を行うとともに、今後の対応について意見を交わした。

討論会は、コンクリートの乾燥収縮問題に対する誤った認識を改め、現実的な収拾策などを提案した報告書を今年3月にまとめた日本コンクリート工学協会(JCI)の「コンクリートの収縮問題検討委員会」委員長を務めた十河茂幸氏(大林組技術研究所)を招いて行われた。
討論に先立ち基調講演が行われ、関東地本品質問題委員会の三橋春夫委員長(技術士=資源工学部門)が「長期・超長期のコンクリートを造るために——砕石屋からも言いたい」の演題で、十河氏が「生コンユーザーの乾燥収縮に対する要求事項について」の演題で、それぞれ講演した。
続いて、討論会に移った。司会は同生産・安全委員会の小川達也委員長(小川工業取締役生産本部長)、パネラーは十河氏と三橋氏に加え、▽塚田陽威氏(塚田陶管代表取締役専務)▽梶谷義明氏(昭和石材工業所取締役古里鉱業所長)の4氏が務めた。
はじめに、塚田氏が乾燥収縮問題の砕石業界への影響について発言し「大変な危機感を感じている。しっかり対応していかなければ本当に死活問題となる」と述べた。また梶谷氏は「問題の発端となった乾燥収縮値1200〜1300μという骨材は関東地区に存在しないと考えているため、現状は少し過敏に反応している感がある。とは言え、この問題は砕石業界として対応せざるを得ないものである。これには品質の安定が重要な要素となるが、そのためには適正価格の取り引きが前提となる」と述べ、ゼネコン側にも理解を求めていく必要があると訴えた。
続いて、三橋氏は乾燥収縮(ひび割れ)問題の契機について「平成12年に制定された『住宅の品質確保法』における瑕疵担保責任を背景にコンクリートのびび割れ対策が顕在化した。このため、乾燥収縮問題は各業界(研究者・ゼネコン・生コン・骨材業界)にとってまだ始まったばかりの問題である」と述べた上で、現在の石灰石偏重傾向に警告を発した。

一方、十河氏は「石灰石の重用は試験データがない場合の対応として仕方がないもの」と述べ、砕石業界の乾燥収縮試験データの整備をさらに拡充すべきだと示唆した。

データの整備が急務/近畿整備局の乾燥収縮対策 ほかへの波及を懸念

討論会は後半に入り、小川氏が「乾燥収縮率8×10-4以下という規定は建築物の長期・超長期物件に適用されるものであることは周知のことだが、7月に近畿地方整備局が土木構造物の一部にこの規定を適用する方針を打ち出した」ことを説明し、これに伴う今後への影響を十河氏に質問した。
これに対し十河氏は「これは近畿地方整備局発注の物件において、橋梁のPC上部工の乾燥収縮率を850μ未満にすることを規定したものだが、この背景には垂井高架橋の(ひび割れ)問題があるため当然の措置と言えるだろう。ここで問題となるのは、この規定が他の整備局や都道府県、あるいはPC上部工以外に適用されることになるかどうかだが、意見が割れており、予断を許さない状況にある」と説明した。
この説明を受け、関東地方本部の山本勇事務局長は、この問題に対して関東地方整備局に申し入れを行ったことや、関西地方本部でも近畿地方整備局に対応策(石灰石骨材の使用)の是正を求めたことなどを報告した。また山本氏は、協会本部の乾燥収縮問題対策委員会(大塚尚寛委員長)の検討過程や関係先へのヒアリング結果などから、乾燥収縮問題への対応策として試験データを砕石業界として早急に取り揃える必要があることを説明したほか、ユーザーの理解を求めるためのPR冊子を協会本部で制作していることを報告した。
このほか、討論会では、乾燥収縮について試験方法に関する問題、砕砂や微粒分の影響、原石の管理方法などの意見が交わされた。
最後に、小川氏が「われわれ砕石業界としては品質をさらに向上・安定させることが重要であり、また乾燥収縮問題に対しては試験データを早急に整備した上で、言うべきことをはっきり言う姿勢が必要であろう」と討論会を締めくくった。

出典:日本砕石新聞 2010年8月30日

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