福岡県港湾課は海砂採取基準を定める「一般海域管理運用要綱」を今月中にも改正し、県内の海砂採取許可枠(土石採取許可数量)を年間550万m3から400万m3に縮小する。福岡県内での今年(1-12月)の海砂採取量見込みは369万。福岡県は半期ごとに海砂採取組合からの許可枠申請を受け付けているが、来年上期も今年上期と同数量が申請されており、数量への影響はないとみられる。要綱は来年から適用する考え。
県は2002年から採取業者の実態調査を開始し、一部の採取組合がこれまで同要綱の規制を逸脱するなどしていたため要綱の改正を決めた。この対策として採取船のGPS装着、採取ポンプの稼動が確認できる装置、海砂の掘削深が把握できる装置の設置を義務化する。一方で、採取許可枠の縮小で環境保全の目的は達成されることから、海砂の県外移出禁止項目は撤廃する。
将来的に大きく影響を受ける可能性があるのは西日本の生コン工場。近年、西日本の生コン工場は細骨材を九州産海砂に頼る傾向が強まっている。今回の採取要綱改正で海砂流通量はかわらないが、再度、採取枠が縮小された場合には、県外に移出される数量が大幅に減少する可能性もある。西日本の生コン工場では、新たな細骨材の調達先も考える必要がありそうだ。
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