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山砂納入価格安値で決着 〜羽田空港再拡張、砂搬入開始〜

 羽田空港再拡張工事の砂の納入価格が決定(シルト分5%以下m32400円、同10%以下m31850円)、これにより砂の搬入が開始された。同工事では37カ月間に埋め立て用の砂約3600万m3の需要が見込まれ、多くは千葉の山砂が使用されるとみられる。ただ、砂の納入価格をめぐり、山砂業者と工事を担当するJVとの交渉が難航、搬入は遅れていた。先月中旬に大手山砂業者とJVとの価格交渉がまとまったのを機に、各社とも交渉が相次ぎまとまった。ただし決着した価格は、山砂業者が期待した額からほど遠く、ダンプ運転手に払える運賃も限られるため、十分な輸送力が確保できるか不透明だ。

 埋め立ては、初年度は主として地盤改良工事が行われ、2〜3年目はその改良地盤の上に砂などを盛っていく工事となる。初年度は、サンドマット用、サンドドレーン用のシルト分5%以下の高品質な洗浄砂、サンドコンパクション用、保護砂用に同10%以下の中品質な砂が必要となる。2年目以降は同10%以下の保護砂なども必要だが、主として同20%以下の中仕切り砂、直接砂、揚土などが必要となり、山砂以外にも岩ズリ、建設発生土、浚渫土、鉄鋼スラグなど多様なものが使用されるとみられている。なお、同20%以下のものの価格は未定。
 千葉県の山砂は、未洗浄の状態ではシルト分を多く含有する。サンドドレーン用の砂として出荷するためには入念な洗浄などが必要となり、そのコストを勘案すると採算が合わない。このため、ドレーン用は九州地区で採取された海砂などが使用されるとみられる。洗浄設備を有する山砂業者は、あまり高度な洗浄処理が不要で、かつ高値のサンドマット用を多く納入したいようだ。

ダンプ不足の恐れ

 千葉県内の山砂採取地である木更津、君津、富津、袖ヶ浦、市原5市の採取量は通常約1200万m3/年である。同工事の埋め立てに全量を5市の山砂が使用されると仮定すると、通常量の倍に近い砂が動く計算になる。採取場から港(主として木更津港、袖ヶ浦港)を往復するダンプの通行量が激増するため、山砂業者は羽田空港山砂納入安全協議会を立ち上げている。法令等の順守はもちろん、安全な運搬ルートを定めたり、運搬時間などルールを確立し、安全教育・講習を実施するなど、ダンプの事故防止や地元への配慮などに全力を挙げる構えをみせている。
 ここ数年の原油価格の高騰により、重機・ダンプを含めた輸送コストは、以前よりも大幅アップしている。運転者の高齢化が進み、平均年齢は50歳代後半とみられ、定着率も低い。事業環境の悪さから、廃業も相次ぎ、運転手の確保に悩まされている。このため、輸送力確保を危惧する声もある。
 山砂業者の中には同工事のため、寄宿舎を用意したり、ダンプ運転者に支払う運賃を値上げしてでも、ダンプ確保に奔走する会社もある。千葉県の袖ヶ浦市以南は現在、自動車NOx法・PM法の特定地域の対象外であるため、山砂業者は全国各地からダンプが流入することを期待している。関東をはじめ多方面からダンプが集められているため、骨材運搬用ダンプのひっ迫は、全国に波及する可能性もある。
 一方、地元の5市ではダンプの急増は市民生活への支障が大きいとして、5月8日に市長らが国交省を訪問し、ダンプが一般道路ではなく高速道路を走行するように対策を取るよう要望している。

 
 

出典:アグリゲイト 2007年6月11日

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