KOMATSU
経営・技術イノベーションコマツ・ソリューション鉱山採石テクノロジ業界情報インフォメーション耳寄りリンク集

HOME > 業界情報 > SAISEKIコラム
業界情報
SAISEKIコラム リサイクル

再生コンクリート普及に向けて〜日本コンクリート工学協会(JCI)
再生骨材シンポジュウムでパネル討論を実施

 日本コンクリート工学協会(JCI)は2日、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷でシンポジウム「再生骨材コンクリートの現状と将来展望―JIS概要と普及促進に向けて」を開催した。この中で「再生コンクリートの普及に向けて」をテーマにパネル討論を実施。再生骨材H、再生骨材コンクリートLに続いて再生骨材コンクリートMのJIS化も今年度内には実現する見通しだが、パネル討論では普及に向けた課題が依然として山積していることが明らかとなった。具体的にはコストと供給体制、さらに需要の創出などで、行政とくに国土交通省の積極的な取り組みを望む声が多かった。
 パネル討論のコーディネーターはJCI再生骨材標準化委員会の町田篤彦委員長(元埼玉大学教授)が務めた。パネリストは同委員会幹事の久田真氏(東北大学大学院助教授)のほか、行政側から経済産業省の津金秀幸氏と国土交通省の野田勝氏、発注者・管理者を代表して中日本高速道路の池田博之氏と東京電力の道正泰弘氏、施工・生産者側から奥村組の松田敦夫氏と全生工組連の吉兼亨氏、京星の柴谷啓一氏が務め、それぞれの立場から普及に向けた課題などを語った。
 討論の前に久田氏が7つの課題を提起。(1)私たちを取り巻く状況について(2)建設行政に関する課題(3)骨材製造に関する課題(4)コンクリート製造に関する課題(5)構造物の品質・性能に関する課題(施工)(6)構造物の品質・性能に関する課題(管理者)(7)学としての取り組みで、(2)では数値目標、通達とその成果、(3)では流通や製品としての課題、(4)では共同運営の可能性、(5)ではコストと性能とのバランス、(6)では一般消費者への説明などをあげている。
 (1)に関連して津金氏が標準化の現状を紹介。すでにJIS化された再生骨材H、再生骨材コンクリートLについては認証可能な製品だが、登録認証機関による審査可能な体制になっておらず「普及に向けた体制整備が遅れている」とした。チェックポイントが明らかになっていないためで、JCIの認証指針原案などをもとに体制整備を急ぐとしている。

公的機関は率先使用を〜関心が低い生コン業界

 野田氏はリサイクル原則化ルールや建設リサイクル法、グリーン購入法などの整備でコンクリート塊の主に路盤材としての再利用が進んでいることを紹介。一方で今後は路盤材需要の増加が望めず、コンクリート分野での再生利用促進に期待を寄せる。だが「公共工事は納税者に対する説明責任があり、品質の見極めができるまでは使いにくい」とし「普及に向けた方策を検討していかねばならない」との発言にとどまった。
 柴谷氏は原材料の確保、輸送コストなどを考慮すると都会近くに再生骨材製造設備を設ける方が有利と述べる。あわせて「公的需要がなければ市場は成り立たない。公的機関が率先して使ってほしい」と訴えた。
 吉兼氏は「再生コンクリートの需要が十分な状況でないため、生コン業界としては関心が低い」と現状を説明。一方で共同運営の可能性については工場の集約化が課題となっていることもあり、「余剰プラントをリサイクル事業に転換させる可能性はある。また再生骨材業者とタイアップしての共同運営も1つの方向性だと思う」と述べた。
 松田氏は土木、建築工事それぞれの取り組みを説明。土木工事ではコンクリート塊発生現場内で再生コンクリートを製造するシステムを紹介した。処理費と生コン購入費の合算と比較すると再生コンクリート150m3製造で同等となり、800m3製造すると30%縮減できる試算結果を披露した。また建築工事ではゼネコン4社、生コン4社の大臣認定取得の取り組みに触れ、「同一呼び強度の通常骨材コンクリートに対して若干安い設定」にしていると説明。あわせて普及推進のため総合評価方式入札の技術提案評価項目への取り入れにも言及、「加算点が高くなる設定などがあると普及が進むのでは」と語った。
 池田氏は再生骨材コンクリートの長期的耐久性が不明確なこと、安定供給体制への不安などから高速道路本線への適用は難しいという。
 道正氏はパネル討論の前に東京電力での再生骨材コンクリート使用状況を講演し、再生骨材コンクリート製造への対応として生コン工場を対象にしたアンケート調査結果を紹介。96年に京浜地区26社を対象に実施した結果は「無条件で対応可能」と「条件さえ整えば対応可能」の合計が84%だったが、05年では(関東地区28社)「積極的に対応可能」と「条件により対応可能」の合計が68%となっている。このため「コンクリートを専門につくる人が、再生骨材コンクリートをつくってほしい」と要望する。
 久田氏は再生骨材だけでなく、規格を外れた普通骨材の有効活用の検討も必要とする。また「骨材が有限な資源であることや持続可能性など、次世代のことまで認識できる人材の育成に努めねばならない」と述べた。

出典:アグリゲイト 2006年11月27日

このページのトップへ

採石コラム記事一覧業界情報インデックス

Copyright (C) 2006 Komatsu Ltd. All rights reserved. ご利用上の注意 | お問い合わせ | サイトマップ
HOME