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SAISEKIコラム リサイクル

再生骨材でポーラスコンクリート/水路の補修工法を開発 〜 農村工学研究所

 今年4月、農業・生物系特定産業技術研究機構と農業工学研究所、食品総合研究所、農業者大学校の統合・再編で発足した農業・食品産業技術総合研究機構。旧農業工学研究所を母体とするのが同機構の農村工学研究所(農工研)で、(1)農村における地域資源の活用(2)豊かな環境の形成と多面的機能向上(3)農業の生産性向上と持続的発展を目的とした研究開発を行っている。「農業農村の社会基盤に関わる研究は、農業工学、社会科学、環境科学を総合的に実施することが必要。そのうえで、農業・農村整備事業の実施主体である国や地方自治体などが行政施策や事業現場で選択できる技術を開発するのが当所の使命」と小林宏康企画管理部研究調整役は概要を説明する。
 コンクリート関係では以前からポーラスコンクリートの研究開発を行っている。2003年から岩手県と佐賀県で試験施工も実施。佐賀県ではクリークの法面に適用しており、「植生とともに波による法面崩壊を防ぐという役割も果たしている」(奥島修二農村環境部生態工学研究室室長)。また農工研の敷地内でも試験施工を行っており、その追跡調査も逐次行っている。

 一方再生骨材を活用したポーラスコンクリート「リサイクル骨材ポーラスコンクリート(RAPOC)」の検討も行っている。農林水産省委託プロジェクト「農林水産バイオリサイクル研究」の中で鹿島と協力し、粗骨材に再生骨材を使用した材齢28日の圧縮強度5〜20N/mm2レベルに対応する合理的な配合設計を確立している。再生骨材は電柱から製造したものを用いている。旧農業工学研究所時代に研究開発に携わった中嶋勇農林水産省農林水産技術会議研究調査官は「空隙率30%、水セメント比40%、強度5〜6N/mm2がリサイクル性が高く、今後の利用拡大が期待される」と述べる。
 課題となったのが六価クロムの問題。高炉セメントを使用することで、環境基準をクリアできることを確認した。
 ポーラスコンクリートを用いることで雑草の生長を抑制できる。また内部の連続した大空隙に自然土壌を充てんすることも可能で、そこに自生する植物が水路内の水生昆虫の生息環境に好ましい影響を与えることも確認している。農工研はこれらの利点をPRし、透水性舗装への適用やコンクリート擁壁水路代替としての活用を進めている。また小規模な水路を対象にRAPOCを用いたコンクリート製品も検討している。
 一方、水路などのコンクリート構造物が老朽化しており、その維持管理も重要な課題となっている。国内の農業用用排水路は延長40万キロにも達する。ショーボンド建設と共同で補修工法「水路再生モルタルライニング工法」を開発。摩耗などでできた水路表面の凹凸に特殊エポキシ樹脂プライマーを浸透固化させた後に、平滑性を高めた新開発のポリマーセメントモルタルを施すことで、水路に要求される通水性(粗度係数)や水密性などを回復・向上させる。
 全国21万ヵ所に及ぶため池の管理も課題だ。老朽化し補修、改修が必要な個所が多く、新たに土採り場から搬入するには輸送費を含めた購入費が発生する。また貯水量を確保するために底泥土の除去も必要となる。このため底泥土を盛土材に再利用する研究をフジタと共同で実施。底泥土に普通ポルトランドセメントを混合して固化後、破砕して締固めを行い、必要な強度を発揮させるというもの。破砕粒径の調整で、用途に応じた透水係数を確保できる。
 コンクリート関連以外では間伐材を有効利用した路面舗装工法を開発している。間伐材をチップ化し、マグネシア系土壌硬化剤「マグホワイト」に水を混合して練り上げるもの。足への負担が軽減され、表面温度の上昇も抑制できる。
 奥島室長はセメント・コンクリート業界に対して「農業水路は生態系保全に重要な位置を占めている。ポーラスコンクリート製のU字溝など、農業用に向けた二次製品の開発を進めてほしい」と要望する。
 中嶋研究調査官は締固めることで骨材同士をセメント粒子が結び付けるような「粒状のセメントがあればいい」という。また表層の強度を選択的に高めることが可能な「コンクリート表面に強固な水和生成物を構築するような技術開発」を望んでいる。

出典:セメント新聞 2006年12月11日

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