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SAISEKIコラム リサイクル

セメント工場における廃棄物の非セメント資源化技術〜NEDOの委託でセ協が調査報告
汎用技術を地域展開/都市部で事業化の可能性を絞りこむ

 セメント協会が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から受託した06年度事業「国内セメント工場における地域性を考慮した廃棄物の非セメント資源化技術」の調査結果がまとまり、7月31日の成果報告会で概要が明らかとなった。協会内に非セメント資源化技術調査部を設置。官学で構成する特別委員会(委員長=田中勝岡山大学教授)も組織し06年9月から07年3月まで半年間かけて調査した結果、セメントプロセスを利用し無害な高比重土工資材(骨材、路盤・路床材、盛土、埋戻し材など)と低比重土工資材を作り分ける技術が有望だと方向付け、それも市場が大きく廃棄物処理受託費の高い都市部に事業化の可能性を絞り込んだ。

 セメント工場は全国に32あり、関東(7)と山口・福岡(9)に半数が集中しているため、この2地域を対象に生産状況や廃棄物等の受け入れ状況を調査した。併行して廃棄物等の発生・処理・利用状況および処理費、土工資材市場(リサイクル品の市況や品質要件)を調査し、地域性を考慮した技術課題と事業可能性を明確にすることで事業の方向性と今後の課題を抽出した。
 セメント工場では建設発生土等の粘土代替は飽和状態でこれ以上の受け入れは難しく、また、全工場とも幅広い種類の廃棄物を受け入れているため、どの工場でどの廃棄物が処理能力を超えて溢れ出すか特定するのは困難だとし「現時点での非セメント資源製造工場の特定は難しい」ことがわかった。
 土工資材は公共事業の減少に伴い市場規模が縮小するなかでリサイクル品の割合は増加し、グリーン購入制度や認定制度等によって優先使用が進んでいる。製品価格は一般に安価な半面、輸送費のウエートが大きいため「品目別ニーズは不透明。将来的なニーズに備え、多品種あるいは特徴のある製品をターゲットにする」べきだとした。ただし、軽量骨材は関東圏での使用が60%近くを占め、市場が狭いものの製品価格(1 m3あたり1万500円〜1万4000円)は高く、注目を集めた。
 また、非セメント資源化に用いる想定材料は、主原料に建設系廃棄物(建設発生土、建設汚泥、汚染土壌等)や一般廃棄物焼却灰、副原料を石炭灰などセメント産業が従来から受け入れている廃棄物とした。つまりセメントキルンを用いて建設系廃棄物を主原料に無害な多品種の土工資材を製造することが非セメント資源化技術であり、まずは汎用的な技術を開発し、その地域展開を図るべきだと提言した。
 この背景には、06年4月に独立行政法人土木研究所が策定した「建設工事における他産業リサイクル材料利用技術マニュアル」が多くの自治体で準用され、同マニュアルに示した基準をリサイクル土工資材の使用基準に用いていることがある。環境安全性は土壌汚染対策法基準で判断し、品質は品目ごとにJIS等の品質規格、供給の安定性は製造体制や在庫、ストックヤード等でチェックし、経済性は天然品と同等と位置付けた。
 一方、地域特性から事業性を評価してみると、山口・福岡地域では事業化した場合の収入は廃棄物平均処理費がトンあたり3090円、土工資材の平均積み出し(土場渡し)価格は600円の計3690円。響灘(ひびきなだ)等での最終処分が安定的に可能なため処理費が安い。他方、関東地域は最終処分場がひっ迫している事情もあり、処理費が1万1520円と高く、積み出し価格520円と合計すると1万2040円。このことから事業化の可能性は地方より都市部(特に関東)で高いことがわかった。
 さらに、非セメント資源化に必要な要素技術として有害重金属、比重制御、安定焼成、排ガス処理などが指摘された。
 事業化に向けた今後の課題では(1)土工資材市場の動向をウォッチし、ビジネスチャンスを逃がさない(2)品質向上とコスト低減のための技術開発とシステムの検討(3)将来に備えた技術確立のための実証実験の実施、などをあげている。

太平洋セメント中央研究所の中村和史主任研究員
が報告(川崎市のNEDO会議室で)

出典:セメント新聞 2007年8月6日

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