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SAISEKIコラム リサイクル

再生骨材特集 - 国土交通省にきく〜再生骨材の利用について
建築リサイクルを着実に推進

 再生骨材は、課題だった日本工業規格(JIS)の制定が、昨年度末までにすべて終了した。コンクリート用再生骨材のJIS規格は、品質によって3分類されており、05年3月に高品質品である「コンクリート用再生骨材H」(JIS A5021)が、続いて06年3月に低品質品である「再生骨材Lを用いた再生骨材コンクリート」(JIS A5023)、07年3月に中品質品である「再生骨材Mを用いた再生骨材コンクリート」(JIS A5022)がそれぞれ制定された。MおよびLはコンクリートとしてJISに規定する形となっている。再生骨材は品質の改良も進んでおり、天然骨材と同等の品質を有する再生骨材の製造技術も確立されている。半面、天然骨材に比べてコストが高く、構造用コンクリートへの適用はまだほとんど行われていない。産業廃棄物の排出量の約2割は建設廃棄物で、そのうちの約40%はコンクリート塊が占めるだけに、廃棄物処理問題を考える上でもJIS化された意味は大きい。ここでは各種再生骨材の利用について、公共工事の発注官庁である国土交通省総合政策局事業総括調整官室および大臣官房技術調査課の担当者から話を聞いた。

排出抑制に力を入れる〜推進計画の見直し期

 再生骨材に関しては、われわれ国交省としては建設副産物の問題として位置付けている。建設副産物の有効利用をどうするかを定めた方針として「建設リサイクル推進計画2002」を02年に定めているが、その策定から5年がたっており、現在その見直しの議論を進めているところだ。
  建設リサイクル推進計画2002は、副産物を再資源化し、循環しようと具体的目標数値などを明記している。そのなかでは、建設工事から排出するコンクリートガラについて05年度までに96%以上にしようとの計画だった。それに対する05年度の実績は、建設副産物実態調査によると96%達成されたことが明らかとなった。
  ただし、コンクリートガラの再資源化については、コンクリートとしてはほとんど再利用されておらず、大部分が路盤材など道路用として再利用されているのが現況だ。そうした点などを踏まえて現在、建設リサイクル推進施策検討小委員会において、建設リサイクル推進計画2002に代わる次期計画を策定しようと進めている。小委員会にて年内に提言をとりまとめていただき、年度内での計画策定を目指している。
  委員会の議論としては、コンクリートガラ再利用における課題の有無、再生資材の調達等について検討している。品目ごとの課題として、コンクリートガラの発生と再生骨材の需要のバランスがあり、それが今後、大きく崩れる可能性がある。高度成長期に建造された大規模団地などの構築物は更新の時代が来ており、コンクリートガラの発生は増加する見通しだ。
  一方で、国や地方自治体の道路予算は縮小傾向にあり、ゆくゆくはコンクリートガラのすべてを道路用で受け入れることが不可能になるおそれもある。
  ただ、今すぐにそういう事態が来るとは考えられず、当面は道路用だけでまかなえると想定している。また、道路用には再生骨材を使用するようにお願いしており、現在はコンクリートガラの受け入れ先を確保できている。ただ、地域によって再生骨材の調達が難しいなど課題はあるが、ただちに再生骨材の用途がなくて困っている状況とはなっていない。ただ、中長期的に見れば、需給のバランスが崩れる可能性が高く、注視していかないといけない。
  今後、どの程度までコンクリートガラが発生していくかについては、国としても数量はつかみ切れていない。ただ、増加していくのは必至とみられているので、それならばまず、第一義的にはいかに増加を抑制するかを考えなければならない。
  一例として、日頃の維持管理で長寿命化を図れるのであれば、延命化し、ピーク時の発生量の山をなだらかにしようと考えている。すなわち、廃棄物の受け皿を拡大するのではなく、排出抑制(リデュース)にしっかり力を入れるべきだと考えている。

今後はリサイクルの質を向上〜廃棄物の価値に着目

 現在の建設リサイクルは、必ずしもすべてが適材適所に有効利用されているとは考えていない。現行のグリーン購入法では、コンクリートガラの使用先は路盤材向けであるが、コンクリート向けの指定については、今後の路盤材の需給状況等も踏まえながら検討していくこととなる。
  建設リサイクル問題については、環境省と共管しており、同省と日常的に情報交換を行っている。05年度の建設副産物実態調査をみると、数値は順調に推移していると思われるが、その中身を詳細に見ていくと、課題は浮かび上がってくる。また、今まではリサイクル量に着目していたが、今後は質にも着目していかなければならないと考えている。
  すなわち、何でもやみくもに再資源化して再資源化率を上げれば良いというのではなく、廃棄物の有する潜在的な価値にも着目して、再資源化の用途をより厳選しないといけない。例えば木屑などは、木というものの性質により見合ったものに再資源化することによって、リサイクルにかけるエネルギーを小さくできる。この流れとして、コンクリートガラからコンクリートを製造するということも今後検討していく余地は大いにある。
  コンクリートガラをコンクリート用材料に使用するとなると、モルタル分をしっかり落とすなどの新たなエネルギーを投入することとなるため、すぐに結論を出すのは難しいものと思われる。路盤材に使用する方が、再資源化が容易である。路盤材の需要は全国的に密にある。
  路盤材の需要と供給は、全国的にはバランスがとれていても、地域的には供給不足気味の地区、供給過剰気味の地区と分かれている。路盤材は重量物であり、長距離輸送が難しいため、地産地消が基本となる。物流をどうするかは難しい問題であり、国だけではなかなか解決できないので、広く民間の知恵を活用していかないといけないと思う。
  また、最終処分場の残余容量は7・2年分(環境省調べ、06年)しかないため、楽観視はできない。コンクリートガラはリサイクル率が96%を超えており、最終処分場に持って行く率自体は非常に小さいが、そもそもの発生量が多いため、量的にはまだ改善の余地があるかもしれない。
  再生骨材を使用した生コンについては、発注者側の立場からすると不安点もある。品質が安定しないものがあるのではないか、有害物質による環境安全性は大丈夫なのか、などについて確信が持てず、こうした諸課題の解決が必要だ。

民間主体で技術開発を

 こうしたなか、品質について物理的性能について一定の位置付けだけは与えておくことが、将来の普及のためには必要との観点から、JIS規格が制定された。ただ、再生骨材のJISは、M(中品質品)とL(低品質品)は生コンとしての規格だが、H(高品質品)は骨材としての規格であり、生コンのJIS規格ができていないため、主に建築系では使用しづらい状況である。その点についてどう解決するかも、今後の課題の1つとして認識している。
  技術的な観点からみても、一般論だが、セメントに含まれる六価クロムは、破砕時に溶出しやすくなると言われている。本当に大丈夫かについては、未だ十分に検証はされていない。再生砂については、原則としては、問題がなければ使用していくが、用途と品質を十分に確認して使用していかなければならないと考えている。その上で、問題がないのであれば使用していく。
  コンクリート用再生骨材はまだ実績がほとんどない。使用して性能上問題ないことを確認し、実績をみながら検討を進めていくことになると思う。
  今後の課題として、リサイクルは景気に左右されるものであってはいけないと思う。景気の好悪に関係なく、必要な施策を企画・立案していかないといけないと考えている。
  建設リサイクル推進計画2002ができて5年となるが、5年前と比較すると、リサイクルを取り巻く環境は大きく変わっている。建設廃棄物を有効利用する技術はある程度確立してきているが、引き続き、民間主体で技術開発を進めていただきたいと考えている。再生コンクリートの技術開発に直接関係するものは含まれてはいないが、来年度も建設リサイクルの推進に必要な予算を要求している。

出典:アグリゲイト 2007年10月22日

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