KOMATSU
経営・技術イノベーションコマツ・ソリューション鉱山採石テクノロジ業界情報インフォメーション耳寄りリンク集

HOME > 業界情報 > SAISEKIコラム
業界情報
SAISEKIコラム リサイクル

高付加価値化図る/スラグ骨材

 鉄鋼スラグや非鉄スラグは、安定した品質や環境負荷を低減させるリサイクル材として、コンクリート用スラグ骨材のJIS化や使用製品がグリーン購入法の特定調達品目に指定されたことなどから需要が拡大。事業者側もスラグの増産設備・出荷システムを整えるなど長期安定供給に向けた体制づくりに注力している。ここでは、日本鉱業協会非鉄スラグ委員会の栗栖一之委員長にスラグ骨材の普及状況と展望、課題について話を聞いた。

品質向上進む非鉄スラグ〜日本鉱業協会 栗栖一之委員長にきく

――委員会の沿革は。
栗栖委員長 日本鉱業協会は82年、フェロニッケルスラグのコンクリート骨材としての利用のための研究を開始した。92年には銅スラグのコンクリート用細骨材への利用研究会もスタートした。現在は協会技術部の下に非鉄スラグ委員会を設置し、フェロニッケルスラグ、銅スラグの品質向上や普及に力を入れている。

――最近の非鉄スラグの生産・出荷状況は。
栗栖委員長 ▽全世界的にニッケル・銅の需要が増加している▽ニッケル・銅の価格高騰によって低品位の鉱石も使用しなくてはならない状態になっている――などから、製錬時に発生するスラグも増加傾向だ。
  昔から、フェロニッケルスラグは土木用、道路用、製鉄用原料として、銅スラグはセメント原料用、サンドブラスト用、土木用として、それぞれ多用されてきた。細骨材としての利用が注目されてきたのは比較的最近のことだ。フェロニッケルスラグの細骨材としての利用は、以前は10万トン前後だったが、05年度に30万トンへと急増し、06年度はさらに36万トンに増加している。これまでほとんど骨材として使用されていなかった銅スラグも04年度からは毎年十数万トン出荷している。
  06年度の利用量をみると、フェロニッケルスラグ264万5千トン(前年度比9.7%減)で、うち細骨材が36万5千トン(同22.5%増)。銅スラグは275万6千トン(同12.1%増)で、うち細骨材が18万トン(同15.1%減)だった。
  細骨材の利用は、スラグ工場の地元の生コン向けが大半であり、トラック輸送されている。近年は西日本において、海砂や中国産川砂の代替材としての需要が高まっているようだ。

――非鉄スラグ細骨材の特長は。
栗栖委員長 フェロニッケルスラグ、銅スラグとも、▽細目の細骨材を製造できる▽天然砂や砕砂よりも安価で供給できる▽品質管理された工業製品であり化学成分のばらつきは非常に少ない▽固結せず粒度が安定している▽乾燥収縮の問題がない――などの特長を有する。海砂、中国産川砂を利用していた中国、四国、阪神地区の生コン工場にとって、代替材として使いやすいと思う。
 主成分をみると、フェロニッケルスラグは珪酸50%、マグネシア35%、銅スラグは酸化鉄50%、珪酸35%。粒度についても、一般に天然骨材の場合は微粒分が多いと強度低下を招くため嫌われるが、非鉄スラグ骨材の場合は微粒分が多くても強度が低下しにくいので、むしろ微粒分の比率を高くしてブリーディング量を減少させている。それによって海砂の微粒分不足を補い、単位水量を下げる効果を持つ。
  さらに製造方法によっては球状の骨材となって、天然砂よりも単位水量が非常に少ないフェロニッケルスラグもある。

フェロニッケルスラグ 粗骨材もJIS化へ
――JIS規格は。
栗栖委員長 コンクリート用スラグ骨材のJIS規格として、92年にフェロニッケルスラグ(JIS A 5011−2)が、97年に銅スラグ(JIS A 5011−3)が制定され、03年に両規格ともに改正された。現在、年内の規格再改正に向けた検討を行っている。
  フェロニッケルスラグを製造する3工場(大平洋金属八戸製造所、YAKIN大江山、日向製錬所)はすべてJIS工場である。銅スラグは、製造する5工場のうち4工場(小名浜製錬小名浜製錬所、三菱マテリアル直島製錬所、住友金属鉱山東予工場、日鉱製錬佐賀関製錬所)がJISを取得している。日鉱製錬佐賀関製錬所以外は旧JIS工場であり、各工場とも新JISへの移行を進めているようだ。

――品質改良などは。
栗栖委員長 フェロニッケルスラグは、粗骨材を製造できないか検討している。粗骨材の製造技術はほぼ確立しており、08年のJIS改正に反映させる方向で進めている。
  銅スラグは、磨砕処理による粒子形状改善を行って粒形を球状で小さくし、使用したコンクリートの単位水量とブリーディングが低減できないか検討している。

――その他の用途は。
栗栖委員長 フェロニッケルスラグは比重2.8〜3.0、銅スラグは比重3.4〜3.6と、天然砂などより重いことが特長だ。重量を必要とする消波ブロックやケーソンの中詰め材などに適している。とりわけケーソンの中詰め材として使用する場合、ケーソンの大きさを小さくできるので、土木工事のコストを縮減できる。ケーソン中詰め材は昨年度、国のグリーン調達品目に採用された。
  フェロニッケルスラグは粗骨材を製造することで、より広範囲な製品向けに細骨材、粗骨材の両方を供給できる体制を整える予定だ。銅スラグは鉄を酸化物として含有すること、塩素濃度が少ないことから、貴重なセメント原料用となっている。
  また、08年内に道路用JISを作成予定だ。05年3月に制定されたスラグ類の化学物質試験方法のJIS(K 0058−1および2)の内容を反映する予定だ。道路用は再生骨材などと競合が激しいが、高付加価値の製品を供給することで、差別化を目指している。

出典:アグリゲイト 2008年3月10日

このページのトップへ

採石コラム記事一覧業界情報インデックス

Copyright (C) 2008 Komatsu Ltd. All rights reserved. ご利用上の注意 | お問い合わせ | サイトマップ
HOME