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SAISEKIコラム リサイクル

再生骨材・再生生コン 特集

 2005年に高品質の再生骨材H(JISA5021)、06年に再生骨材コンクリートL(JISA5023)、07年に再生骨材コンクリートM(JISA5022)がJIS化され、規格の整備は終了した。しかし、再生骨材、再生生コンのJISを認証できる登録認証機関がまだない状態だ。今後は登録認証機関が再生骨材、再生生コンを認証できる環境整備が求められる。行政も再生骨材、再生生コンの動向に注視している。国土交通省は昨年度中に各地方整備局に再生骨材、再生生コンの利用を促す通達を出した。現在、建設解体時に発生するコンクリート塊の96%以上は、道路用路盤材として使用されている。コンクリート塊は今後も増加する見込みだが、その需要先である道路需要は毎年減少しており、道路用路盤材以外の用途開発が大きな課題となっている。今後、コンクリート塊の発生量と道路用路盤材需要のギャップが出てくると、大量のコンクリート塊が行き場を失う恐れがある。こうしたことから、再生骨材、再生生コンの事業者、再生骨材関連の技術支援する機器メーカーに動向を聞いた。

L規格の取得準備 微粒分の販路開拓

 福岡市内で再生骨材、再生生コンを生産・販売している樋口産業(福岡市東区)は再生骨材コンクリートL(JISA5023)を取得できる環境を整えている。同社はJIS取得をにらんだプラントの改造のほか、2006年には公表された再生骨材コンクリートLの取得をにらんで、管理体制や社内規格もL規格に準じた形に改めた。現在はJCIが取りまとめた「コンクリート用再生骨材の日本工業規格への適合性認証のあり方」を品質管理体制に組み入れている。現在、JISの登録認証機関には早期に審査基準の策定を求めており、再生骨材コンクリートLを認証できるようになればすぐに申請する考えだ。
  同社で骨材、生コンの品質管理を担当する原田茂美・RM研究所長は「我々はJIS公表後、2年待ったが、まだJISを取得できる環境にない。旧JISから新JISへの移行という登録認証機関にとって忙しい時期に重なった面もある。ただ、新JIS移行が終了する10月以降なら登録認証機関も体制が整うのではないか。登録認証機関には早期にJISを取得できる環境作ってほしい」と語っている。
  福岡県では、同社の再生骨材を使用した福岡協組員(4社5工場)が06年度に県のリサイクル製品の認定を受けており、昨年度、県は数十m3の再生生コンを使用した。ただ、同社はさらなる行政のバックアップが必要だという。原田所長は「再生骨材コンクリートM(JISA5022)を取得するには出荷がそれなりにでてこないと設備投資もできない。我々も早期にLを取得し、行政に認めてもらって、Mの取得に向けた設備投資をしたい」と語っている。また、同社は産官学を含めた再生骨材研究会を組織している。同社のほか、同社の再生骨材を使用している生コン業者、県内のリサイクル業者、福岡大学、県の外郭団体などが加盟しているが、Mを出荷する際には、この研究会に大手ゼネコン、県の土木部、生コン協組などを加えて再生生コンの用途開発を進める考えだ。
  ただ、再生生コンの出荷は低調だ。福岡地区生コン協組の2007年度2月までの出荷量は19862m3で、前年度比に比べて3割超の減少となっている。特に耐震強度偽装事件以降の出荷が減っているという。こうした中で、同社が期待するのは低強度生コンの出荷である。福岡協組が4月1日付で16Nを廃止したことから、低強度の発注が再生生コンに置き換わることを期待している。
  一方、再生骨材を製造する過程で発生する微粉(5ミリアンダー品)の商品に取り組んでいる。福岡大学の協力を得て、5ミリアンダーとセメントを造粒機で混ぜ合わせた商品を開発したが「まだ売り先がない」(同)ため、設備投資するまでに至っていない。ただ、この商品を使うことで生コンの単位水量が大幅に減らせることなどから、高流動コン向けの細骨材としての需要開拓を目指したいとしている。

組合で事業化を検討再生 生コンLと比較実験

 山口県生コンクリート工業組合は2005年度から再生骨材、再生生コンの研究を続けている。勉強会には、県内でコンクリート塊を受け入れる団体である山口県アールシー協同組合、県土木建築部、山口大学の浜田純夫教授、徳山高専の田村隆弘教授らが参加し、再生生コンの事業化を検討してきた。
  そもそも山口工組が再生骨材に取り組むきっかけとなったのは、技術講習会で吉兼亨・全生工組連技術委員長による講演である。工組はこの講演をきっかけに再生骨材、再生生コンの研究チームを発足させ、05年度に下関市でコンクリート塊を受け入れているコプロス、06年度には福岡県で再生骨材、再生生コンを製造販売する樋口産業を見学。07年度は県内の再生骨材事情、再生生コンを製造する場合の留意点などを探ってきた。昨年度の発注資料によると、Lクラスの再生骨材を用いた生コンとバージン材を用いた生コンを比較すると、フレッシュ性状では、単位水量・ブリーディングが増加する傾向にあるので、経時変化が大きくなり「スランプロスを考慮する必要がある」とした。また、硬化後の品質については圧縮強度が若干低くなるため、これを考慮する必要があるとした。ただ、これらを考慮さえすれば「所定の品質規格内に収めることは可能である」とした。今後の課題としては、モルタル付着の影響、乾燥収縮の対応、アルカリ骨材反応対策など。

JIS取得が必要 行政が積極姿勢に転じる

 埼玉県内で再生骨材、再生生コンの需要に取り組んでいる埼玉総業(さいたま市)は再生骨材コンクリートL(JISA5023)のJIS取得の早期取得を目指している。現在、登録認証機関に対して再生骨材コンクリートLを取得できる体制を整えるよう要望している。
  ここ数年で再生生コンを取り巻く環境が変わってきた。同社の再生骨材を使用した再生生コンでゼネコンが既存の生コン工場と大臣認定を共同で取得するなど、同社に対する注目度もあがっている。また、同社がJIS取得を熱望する理由の1つが、行政の態度の変化である。埼玉県やさいたま市では2007年度から、土木工事に関して再生生コンを試験的に使用するという通達を出し、試験的に使用するなど積極に再生生コンを使用しようという姿勢に転じているという。試験施工の出荷量は少量だったが、同社では今後の拡大に期待を寄せている。岡島將則工場長は「発注者も再生生コンを使いたいという気持ちが出てきているが、ユーザーからは『本格的に使用するにはJISが最低条件』と明言されている。需要に結びつけるためには、どうしてもJISが必要だ。JISの取得は行政やゼネコンなど発注者への説得力が違う。登録認証機関には、なんとしても早くJISを取得できる環境を整えてほしい」と語る。同社は早急に再生骨材コンクリートLを取得し、需要環境などを見計らいながら、再生骨材コンクリートM、再生骨材Hなどにも挑戦したい考えだ。
  同社の再生生コンの出荷量は、かつては月当たり1000m3の出荷があったが、現在は約500m3に留まっている。「耐震強度偽装問題以降、JIS外品である再生生コンの適用件数が大幅に減ってきた」(岡島工場長)。ただ、同社の再生骨材を使用したことのあるゼネコンの研究者などから、1000m3単位のスポット物件を紹介されることもある。同社は再生骨材の外販は行っておらず、再生骨材は自社の再生生コン工場のみで使用している。同社の生コン工場は粗骨材を100%再生品に置き換えている。細骨材は再生骨材コンクリートL規格の品質を満たした再生骨材にワーカビリティ改善用として細め砂を併用している。
  同社は2006年に約300m3のマスを4つ確保し、再生粗骨材、再生細骨材の水洗槽を1つずつ設置した。残り2つは洗浄水の貯留、循環処理槽とした。この設備の完成で破砕後の再生骨材を水洗できる。また、JIS取得を見越して、ミキサを大型のものに変更するなどしている。
  今後の再生骨材、再生生コンについて「県や市もJISという技術的課題のほかに、供給面を不安視している。再生骨材の供給体制という面からも同業他社の参入が必要なのかもしれない。ただ、現時点では、再生生コンが爆発的に出荷できているかというとそうではない。このままでは需要が先か供給が先かになってしまう」と語っている。

千葉工場を開設 大臣認定で再生生コン普及

 再生骨材を使用した再生生コンを出荷している宮松城南(村松直人社長)はこのほど、再生骨材の生産拠点として千葉工場(袖ヶ浦市南袖)を開設した。千葉工場では、城南島工場で発生した戻りコンから再生骨材を生産する。
 千葉工場では、戻りコンから生コン用骨材(20-5)、道路用路盤材(40-20)、埋め戻し用モルタル(スラモル)向けの砂(5-0)の3種類を生産する。生産比率は生コン用骨材、スラモル向けの砂がそれぞれ4割で、路盤材向けが2割。再生骨材の製造機はアイン工機のリバイブマン(2軸2段破砕方式)を使用している。生産能力は時間当たり40-45トン。生コン用骨材の品質は再生骨材コンクリートMの品質規格に合致している。同社ではさらなる品質向上を目指して、設備投資を検討しており、今後は再生骨材Hクラスの粗骨材の量産を目指す考えだ。路盤材向けは羽田空港の埋め立て工事に出荷した。また、千葉県南部には、コンクリート塊を扱うリサイクル業者がなく、今後は館山道やその付帯工事などで需要が見込めるという。
 千葉工場は、アクアラインの木更津金田ICに近く、城南島工場で発生した戻りコン、千葉工場で生産した再生骨材はミキサ車やダンプ車などで陸上輸送できる。千葉工場について村松社長は「自ら再生骨材が生産できる意義は大きい。(再生骨材生産拠点に)必要だったのは、自治体の工場開設許可、首都圏近郊の工業団地内に広大な敷地があること、周辺に路盤材需要があること、の3つ。千葉工場には全部揃っている」と千葉工場の優位性を強調する。
 また、千葉工場には8000トンクラスの船が停泊できるプライベートバースが併設されており、他業者から港湾荷役の依頼が来ているという。同社では今後、千葉工場のプライベートバースを活かして、他の事業展開を図る方針で、地主に対して2000坪のヤードの拡張も要請している。
 千葉工場開設後、ゼネコンから工場単独で再生生コンの大臣認定を求める声があったことから、同社はグループ会社である宮松エスオーシー(2工場)も含め、グループで大臣認定を取得する準備を進めている。首都圏ではこれまで、ゼネコンと大臣認定を共同取得しているケースはあったが、工場単独で大臣認定を保有しているケースはない。問い合わせがあったゼネコンには大臣認定の進捗状況などを伝えて連携を図る考えだ。村松社長は「用途にあった生コンが提供できるようになる」と、再生生コンの出荷増に期待する。今後の展開について「千葉工場進出後の第1弾の展開が3工場で再生生コンの大臣認定取得。JISやその他の展開はまだ。また、再生骨材生産ノウハウの蓄積、再生骨材、再生生コンを事業として成功させる。工場から排出するものがない、ゼロエミッション計画を進めるためには、再生生コンを行政が率先して使用してくれるようになること、20-5以外の商品を有価物にすることが、再生骨材事業を成功させるか最大の目標になる」と語っている。

出典:コンクリート工業新聞 2008年4月10日

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