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骨材事情の変化と今後の対応
〜竹中工務店建築技術部 岩清水隆副部長に聞く〜

 瀬戸内海周辺での海砂採取規制(禁止)に伴い阪神地区では経済性に優れた良質な細骨材の確保が難しくなってきた。一方、近年は中国砂が輸入されたり、遠く九州各県から海砂を運んだり、高炉スラグ砕砂を利用したり、さらには高規格砕砂を開発しようという動きも現れてきた。こうした骨材事情の変化について需要家であるゼネコンはどう考え、今後どのように対応しようとしているのか。竹中工務店大阪本店の岩清水隆建築技術部技術管理担当副部長に見解を聞いた。

細骨材は混合使用が主流 ワーカビリティーに大きく影響

 瀬戸内産の海砂に変わるものとしては、九州産海砂、中国産川砂、砕砂・石灰石砕砂、高炉スラグ砕砂等が考えられる。施工者としては、どの細骨材を使用してもらってもかまわないが、良いコンクリートとなるように努力していただくことを望むのみである。良いコンクリートとは、フレッシュコンクリートの状態において、ワーカビリティーが良いことが第一である。特に、細骨材の種類や組み合わせは、ワーカビリティーに及ぼす影響が非常に大きいと言える。細骨材の選定を誤ると、分離抵抗性の低下によるブリーディングの増加やポンプ圧送時の閉塞の増加を招きかねない。逆に粘性が増大するような細骨材の組み合わせを選定した場合には、ポンプ圧送圧力の増大や充填性の低下による施工欠陥発生の増加を招きかねない。
  さらに、硬化後の品質が良いことも、細骨材の選定において非常に重要となる。圧縮強度の発現性が良いこと、乾燥収縮が小さいことなどは重要な要求性能であると考えている。また、コンクリートのトータルの品質が安定していることも、良いコンクリートの重要な要素であると考えている。安定した品質のコンクリートを製造するためには、粒度分布や粒形等の細骨材の品質が安定していることや量的に安定供給が可能であることが重要であると言える。
  瀬戸内産の海砂が主に使用されていた時期においては、微粒分の補充などの粒度調整の目的で、砕砂を3割程度混合する生コン工場が主流であった。2種類の細骨材を混合することで、互いに粒径的に足りない部分を補い合って、適切な粒度分布となるように調整していた。今後も、2種類以上の細骨材を混合することにより、前述の要求性能を満足するような細骨材を見いだしていくことが必要になるのではないかと考える。

長期的には砕砂へ移行か 細骨材の選定、情報提供を望む

 現在関西地区で入手可能な細骨材は数種類あるが、それぞれ長所と短所を持っている。 
  中国産の川砂は、貝殻が無く粒径も良いことから、砕砂等の微粒分の多い細骨材と組み合わせることにより、良いコンクリートとすることは可能であると思われる。しかし、最近輸入されている川砂が従来より細かくなっていることや、コストも含めて安定的に入手が可能であるかどうかに疑問が残る。
  九州産の海砂は、瀬戸内産と同様に採取規制される可能性は高く、一時的な使用にとどまることが予測される。
  砕砂は量、品質ともに最も安定した供給が今後も可能であると思われる細骨材である。最近は、粒度分布を調整したり、粒径を調整した高品質な改良砕砂も製造され始めており、長期的な目で見ると最も有望な細骨材であると思われる。今後のさらなる改良が望まれる。砕砂の中でも石灰石砕砂を使用する生コン工場もでてきた。石灰石はコンクリート用骨材として使用した場合に、乾燥収縮が小さくなる傾向を示すことが多い。近年、コンクリートのひび割れに対するクレームが増加しているが、石灰石砕砂を使用することにより、コンクリートの乾燥収縮が小さくなり、ひび割れの抑制につながるのであれば、施工者としては非常にありがたいことである。
  高炉スラグ砕砂も改良が進み、コンクリート用細骨材として使用が可能なものが製造されている。しかし、微粒分が少ないことや、ブリーディングが多くなる可能性もあること、供給量に限りがあること、貯蔵時の固化に若干不安が残ることなどの問題点もある。しかし、石灰石砕砂と同様にコンクリートの乾燥収縮が小さくなる傾向を示すことから、他の細骨材との効率的な混合により、有効に活用できるのではないかと考えられる。
  施工者としては、使用する細骨材を強制することはできないため、生コン工場の選定に任せるしかないという状況である。現在徐々に変更が進められているようであるが、その動きが分かるように情報を提供していただくことを望んでいる。また、細骨材の変更の際には、コンクリートの品質の低下が無いことはもちろんであるが、JISの規格に示されていないような品質、例えば乾燥収縮量やヤング係数などが以前の細骨材と比較してどのように変化するかというような情報も、事前に提供していただくことが望ましいと考えている。最後に、細骨材を変更することにより、生コンの価格が上がることだけは避けていただきたい。

出典:セメント新聞 2005年5月23日

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