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骨材資源工学会・岐阜で秋季研究会
砕石スラッジの利用に関する研究発表、輪中と治水についての講演など

 骨材資源工学会(会長=崇城大学工学部長・岡村宏氏)は11月17日、岐阜市長良福光のルネッサンス岐阜ホテルで「平成17年度秋季定例研究会(岐阜)」を開催、会員ら50人が参加した。当日は、大阪市立大学大学院の西元央氏による砕石スラッジの利用に関する研究発表と、花園大学名誉教授の伊藤安男氏による「輪中と治水」をテーマにした講演が行われた。また、翌日は徳山ダム(揖斐郡藤橋村)の建設現場などを見学した。

歩道舗装に利用可能 砕石スラッジ固化物について研究 大阪市立大の西氏が発表

 講演会は、午後2時に開会。岩崎孝理事(元早稲田大学理工学部教授)が司会を務めた。
  はじめに、大阪市立大学大学院工学研究科助手・西元央氏が「砕石スラッジ固化物の道路材料としての利用」の演題で、砕石スラッジ(脱水ケーキ)を路盤材や歩道用舗装材として利用するための研究成果について発表した。
  この研究は、砕石スラッジにセメントを添加して粒状化した再生物(泥土固化砕石)の、路盤材および透水性・保水性歩道舗装材としての適用性―を調べたもの。また、実用面で課題となる▽現場可搬式粒状化装置による粒状化処理方法と粒状物の特性▽二酸化炭素を用いたセメント固化物からのアルカリ溶出抑制―についても調査した。西氏は各種試験の目的と試験方法や測定結果と考察について説明した。
  その研究結果について同氏は、(1)泥土固化砕石は十分な量のセメントを使用すれば再泥化せず路盤層が滞水しない場所ならば路盤材として利用可能(2)泥土固化砕石は歩道舗装の表層材料として利用可能(3)可搬式粒状化装置でも砕石スラッジの粒状化が可能だが、硬度を泥土固化砕石と同等にするにはセメント添加量が多くなり、また強度を必要とする路盤へは泥土固化砕石のほうが望ましい(4)二酸化炭素の中性化処理により固化粒状物からのアルカリ溶出を抑制できるが粒子の強度低下を伴う―と報告し、「泥土固化砕石は、試験室レベルではあるが路盤材や歩道表層材として使用可能であることが検証できた。今後は試験施工を行い、施工性や耐久性などを検証していかなければならないと考えている」と結んだ。

輪中と治水について 花園大学名誉教授 伊藤安男氏が講演

 続いて、花園大学名誉教授の伊藤安男氏(文学博士・歴史地理学)が「輪中と治水―水との共生をめぐって」を演題に講演した。
  輪中(わじゅう)とは、水害を防ぐために集落と農地などの生活圏全体を堤防で囲んだ地区、および堤内の住人が水防と利水を目的に形成した共同体を指す。今回、研究会が開かれた岐阜市など木曽三川(木曽・長良・揖斐川)の下流域では、江戸初期から昭和40年代に大規模河川改修(国営濃尾用水農業利水事業)が完了するまで、80の輪中が存在し、その面積は大阪府に匹敵する1800km2にも及んだ。
  伊藤氏は、世界でも例のない規模の輪中(囲い堤)が木曽三川流域に出現した理由について、木曽川と長良川が長年の地殻変動により西へ移動して養老山地に沿って流れていた揖斐川と合流。また、この三川の単位流量は国内河川の1〜3位を占め、それぞれが利根川の倍以上の水量を擁するという地形的な要因に加え、徳川家康が行った「差別的治水」を挙げた。

 それは、家康の九男・義直を尾張藩主にした際、尾張領を水害から守るため木曽川の左岸に50qに及ぶ堤防(御囲堤=おかこいづつみ)を建設。この御囲堤には水防のほかに▽西国大名に対する軍事的な防御壁▽尾張藩の重要な財源となる木曽檜の搬出水路の整備―という役割があった。また徳川幕府は「美濃の諸堤は御囲堤より低きこと三尺たるべし」(対岸の美濃側の堤防は尾張側よりも1m低くすること)と定めたとされ、これにより美濃側では水害が頻発し、その結果、輪中が発達したと伊藤氏は指摘。御囲堤の建設以後300年間の木曽川の破堤状況について、尾張側(左岸)の22回に対し、美濃側(右岸)は298回であったことなどを紹介した。
  また輪中独特の暮らしぶりとして▽洪水から家財を守るため城の石垣のように家屋の土台部分を嵩上げした水屋(みずや)建築▽堤で囲まれているために水捌けが悪い輪中の中で稲作を行うための堀上田(ほりあげた)▽堤防が決壊しないよう祈願し建立した決壊守護神(水神信仰)―などを紹介した。
  このほか伊藤氏は、木曽三川に対する江戸・明治・昭和各時代の治水政策について説明。最後に「国家百年の大計は治山・治水にあり」と述べ、治山・治水の重要性を強調した。
  両講演が終了したあと質疑応答が行われ、江戸時代の治水技術や泥土固化砕石の耐水性などに関する質問があった。

2日目は見学会 徳山ダムと太陽光発電

 2日目の18日には、見学会が行われた。
  見学地は、徳山ダム建設現場と三洋電機のソーラーアークなどで、その概要は次のとおり。
【徳山ダム】
  徳山ダムは岐阜県揖斐郡藤橋村に建設中の多目的のロックフィルダム(中央土質遮水壁型)で、▽堤高161m(国内のダムで3位)▽堤頂長430m▽堤体積1370万m3(同一位)▽総貯水容量6億6000万m3(同一位)▽湛水面積13km2(同三位)の規模を誇り、平成20年3月の完成を予定している。
【ソーラーアーク】
  ソーラーアークは三洋電機滑阜事業所に設置された太陽光発電施設で、東海道新幹線からも見える。同施設は、全長315m×最大高さ37m×最大幅14mで、建造面積3294m2。箱船をイメージしたデザインで鉄骨造立体トラス構造を採用。表面に、幅1.3m×高さ0.9mの単結晶シリコン太陽電池が5046枚貼られ、その年間発電量は53万kwに達する。

出典:日本砕石新聞 2005年11月30日

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