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東京地区生コン協組理事長に聞く08年の課題と展望
〜東京地区生コンクリート協同組合 森山昭雄理事長〜
コストアップへの対応が課題。
  取引形態の見直しが必要。出荷ベース販売など検討。

 生コン業界はいま、改正建築基準法による需要の急減、コストアップなど様々な問題に直面している。東京地区生コン協同組合トップに08年の課題と展望について聞いた。

――東京地区生コン協組の現状について。
  直面する最大の問題は需要の急減だ。9月からの落ち込みが急激で、新規契約も8-11月の4か月で36万m3と通常の1月分にとどまっている。契約残を追っていくと、2月下旬か3月から回復の兆しが出てくるのではないかと思っている。建築確認手続きの遅れが原因といわれているが、それがすべてなのか、あるいは一時的に需要が冷えたのか、もう少し実体を見極めたい。ただ、工事計画は豊富であり中期的に900万m3(生コン換算で600万m3)ぐらいの仕事がある。需要急減は短期的現象であり、先行きの心配はない。
  今年は昨年4月からの800円値上げの達成とともに、コストアップへの対応が課題となる。原材料・燃料価格の上昇が大幅、かつ急激だ。セメントメーカーが大幅値上げを表明したが、年初から必死になって受入れを求めてくるだろう。
  生コンの再値上げについては、現段階では打ち出すとも打ち出さないともいえない。組合員の経営状況や経済情勢を見極めて結論を出すつもりだ。
  一方、取引契約形態の見直しの必要性を強く感じている。生コンは「契約ベース」での取引だが、これではもはや世界的な資源暴騰に対応できない。旧契約価格アップ、出荷ベース販売、期間契約を視野に入れて対策を検討したい。

――今年の重点課題は。
  4つある。第1は、800円値上げの達成と地下水、未契約出荷といった悪しき慣習の根絶である。
  2つ目が品質管理の徹底と安定納入。日本建築学会が近く改定するJASS5では設計寿命100年の構造物の乾燥収縮量を800ミクロンと規定する。品質管理、協組共販への影響が予想されるため、独自の対策を検討中だ。
  ゼネコンは乾燥収縮対策として石灰石砕石指向を強めている。しかし、石灰石砕石の生産能力は限定されており、入手できる工場、できない工場に分かれるのが心配だ。膨張材や収縮低減剤を使う対策もあるが、m3当たり数千円から1万円以上のコストアップになり、これを誰が負担するのかという問題が残る。生コンだけに対策を求めるのではなく、施工の問題にもメスを入れるべきだ。乾燥収縮試験の精度もいま一歩と聞く。要求を単純に受け入れるわけにいかない。
  3つ目がコンプライアンスの徹底。昨年に生コンの関連法規を整理した。これを順守するよう組合員への周知徹底を図る。当協組もチェック機能を強化していく。
  最後は急激なコストアップへの対応だ。新価格が定着する前にコストがどんどん上っている。コストアップは昨年より今年の方が大幅になりそうな感じだ。
  セメントや骨材の価格は出荷ベースで上る。仮にセメントがトン当たり2千円上がれば、組合員全体で35億円の負担増となる。原油高で燃料費などあらゆるモノの値段が上がり、その影響は従業員の生活にも及んでいる。もはや我々にコスト吸収能力はない。
  契約ベースの取引は原材料価格が安定していたからこそ成り立ってきた。その大前提が崩れつつあるいま、取引構造も見直しをせざるを得ないと思う。旧契約、新契約を問わずコストアップを価格に転嫁できる仕組みをつくる必要がある。我々もそれを望んでいるわけではないが、そういう時代になってきた。
  乾燥収縮、コストアップなどどれをとっても難しい問題ばかりだ。今年は「春先の諏訪湖」のようにもやがかかったような非常に不透明な1年になると思う。

――その他取り組むことは。
  夜間出荷の問題に取り組む。日中の出荷が夜間にずれ込んだり、夕方出て行ったミキサ車が夜中に戻ってくることもある。そういう問題を是正したい。
  員外社との大同団結、連携にも踏み込みたい。集約化もそろそろ本気で検討しないといけないと思っている。
  今年は非常に不透明であるけれども、明確な目標を掲げて、組合員と社会に対する使命を果たしていきたい。組合員が知恵を出し合えば必ず解決の道は拓かれると思う。

出典:コンクリート工業新聞 2008年1月10日

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