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日本砕石協会・井上勝次会長に聞く

 一般社団法人日本砕石協会の井上勝次会長は5月14日、東京・新宿区の京王プラザホテルにおいて記者会見を開き、平成26年度における日砕協の活動状況を振り返るとともに、今後の砕石業界の展望や日砕協として取り組むべき課題などについて
語った(※なお、井上会長は27年6月4日に開催された日本砕石協会「平成27年度定時総会」において退任した)。

 免税軽油延長実現 組織の重要性を実感
──まずこの1年間の日砕協活動について伺いたい。
 昨年は軽油引取税の課税免除措置(免税軽油)の延長のための活動に終始した1年だった。そのような中、会員や関係各位の協力により、4月から3年間の延長を勝ち取ることができた。この結果は日本砕石協会という大きな組織母体があり、会員が一丸となって延長に向けた努力をした証である。仮にこの活動を都道府県の一つの団体で行っていてもこの成果は得られなかっただろう。そういう意味でいかに組織の充実が大切かを痛感した1年でもあった。
 また、もう一つは労災保険率の低減がある。こちらは厚生労働省担当部局の理解を得て、4月から採石業の労災保険率が『1000分の52』に引き下げられた。ただし、これに満足することなく、少なくとも類似産業である砂利採取業と同じ労災保険率
(1000分の26)までは引き下げられるよう努力を続けていかなければならない。そのために災害をより一層減らしていく必要がある。
 振り返れば、昨年も『無事故無災害』と『死亡災害ゼロ』を目標に掲げ
出発したが、終わってみれば会員企業において8件(26年度ベースでは7件)の死亡災害が発生した。『人の命は地球より重い』と述べた政治家もいたが、会員には改めてその言葉を噛みしめていただき、いかにして安全操業を行うべきかを考え、実現に向け尽力してほしい。

課題は山積、安全対策は原点に返り実施を
──次に、今後砕石業界として取り組むべき課題について伺いたい。
 業界として取り組むべき課題は山積している。例えば、安全対策や人材育成、輸送力不足への対応、資源の確保、脱水ケーキ等副産物の有効利用、多発する自然災害への備えなどがあり、挙げれば切りがない。
 このうち、安全対策では、原点に立ち返って労働災害防止活動を進めていかなければならない。前述のように労災保険率は下がったが、これは保険の納付額も減少したということでもある。このため、会員企業においては料率の引き下げを安易に喜ぶだけでなく、その浮いたお金の一部を安全対策に投資して貰いたい。これは将来にわたって事業を続けていくためには不可欠なことだと思う。また、いま各支部で行っている安全パトロールに外部監査員に参画して貰い、安全確保のために忌憚のない意見を聴くことも大切だと思う。私が会長に就任し2期4年が経過しようとしているが、この間にリスクアセスメントの導入企業が増えるなど、経営者の方々の安全に対する意識も変わってきている。ただし、いま手を抜けば元の木阿弥であるため、今後も安全の確保については各社で一層取り組みを進めてほしい。
 また、人材育成については長引く不況により企業として疲弊していたため、各社とも人に対する投資を十分に行って来られなかったと思う。しかし、事業の継続には良い人材を確保し、労使一体となり企業を盛り立てていくことが必要だ。今年の春闘では大手企業が軒並み給与のベースアップを行った。われわれも良い人材を確保するためには給与体系を改善する必要があり、そのためには適正価格の確保が不可欠となるだろう。
 このほか、砕石業は資源産業であるため、資源確保ができなければ否応なしに廃業せざるを得ない。また、例え山があっても保安林などの規制で開発が困難
であったり、骨材の品質性能を満たせない石であれば市場は認めてくれない。つまり砕石業は「山がありそこに石があるから掘ればいい」という単純なものでは
ない。このため、限られた資源をどのように確保していくかを考えていく必要が
あり、その取り組みを進めていかなければならない。

 輸送力不足問題 業界挙げ抜本的な改革を
──数年前から大きな問題となっている輸送力不足については。
 この問題は運転手の高齢化に加え、厳しい労働条件により若い運転手の新規参入がない中、砕石を運搬するダンプが年々減少していることが原因で、下請け、自社を問わず非常に深刻だ。ある会員企業は輸送力不足の解消のために自社で20台ダンプを購入したが、運転手が集まらないという。このままの状況が続けば近い将来砕石を運搬できなくなるのは確実だ。
 このため、輸送問題は業界を挙げて対応していかなくてはならない課題である。この解決にはダンプの積載量を含め、運転手にとって魅力のある仕事になるよう抜本的な改革を行っていく必要があるだろう。

適正価格で安定供給を
──最後に、今後の業界の展望について伺いたい。
 安倍政権となり、砕石業界にも幾分明るい兆しが見え始め、需要の底も脱した。いま砕石需要は上り勾配にあるが、地域偏在が大きくなっている。例えば、東日本大震災に伴う復興需要に沸く東北地方や、オリンピックを控える東京圏などでは今後も高い需要環境が見込まれるが、それ以外の地域は冷え込んでいるのが実状だ。また2020年以降は再開発工事や(企業の)設備投資などが一段落し需要が落ち込むとの見方もある。
 これまで出荷が落ちると、量を求めて乱売合戦が行われるケースが
散見されたが、今後は以前のバブル期のような需要になることは望めない。このため、設備の効率化を図り、適正価格で安定供給を行っていくことが必要となるだろう。

 

井上勝次会長

出典:日本砕石新聞 2015年5月15日

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