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グラフで見る砕石業の現状
生産量ピークの6割 需要ギャップ解消が課題

 グラフ1は、経済産業省(通商産業省)調べによる砕石生産量と工場数の推移を示したもの(1968〜71年は近代化促進法、その他の年は採石法による調査)。68〜71年にかけて生産量、工場数とも落ち込んでいるが、この間の骨材需給の推移を考えると、これは調査方法の変更によるものとみられる。
  砕石産業は誕生してからほぼ一貫して年率10〜20%の生産量の伸びを保っていた。天然砂利資源の枯渇と骨材需要の大幅な増加が予想されるなか、64年に通産省に設置された産業構造審議会骨材小委員会は、河川砂利のコンクリート用以外の使用規制と砕石のコンクリート用への使用促進などを骨子とする報告書を66年にまとめている。同年、砕石業は近代化促進法の指定業種となり、翌年から近代化基本計画に沿った経営の近代化、合理化に努め、企業規模の拡大、機械化の進展による量産体制の確立と生産性向上の面において著しい効果を上げる。生産量は73年に最初のピークとなる3億2,000万トンに達した。

グラフ1 砕石生産量と工場数の推移

  しかし、オイルショックとその後の抑制策の影響で、74年には初めてマイナス成長の壁に突き当たり、安定成長の時代へと入って行く。一方、工場数はこの年も増加し、ピークの2313工場に達した。さらに、既存の工場でも増大する需要に対応して生産各工程での設備増強を進めていたため、生産過剰の傾向が深刻化していた。日本砕石協会が推定した74年度の設備能力は、前年度比10%増の約5億5,000万トン。後に明らかになる砕石需要のピークは90年の5億3,000万トンであるが、当時すでにこれを上回る生産能力があったことになる。当時の操業率は60%まで低下していた。
  需給ギャップの拡大は市況面からも分かる。グラフ2は、建設物価掲載の砕石価格(東京・年平均、75年までは道路用、76年からコンクリート用)と消費者物価指数(東京都区部、品目は総合、基準年は00年)の推移を示したもの。75年以前の道路用砕石の価格推移は、砂利(25ミリ以下)の価格推移とほぼ同等である。

グラフ2 砕石価格と消費者物価指数の推移

  生産量が増加を続けていた73年までは上昇基調にあった価格は、74年にオイルショックに伴う需要減が明らかになると過剰に反応し、その後の2年間で15%、約440円/m3下落している。それまで続けてきた拡大投資と、市場における過当競争によって、砕石業の経営は重大な局面に入ったことが分かる。
  このようななか、地区によっては協同組合の設立やアウトサイダーの組合員化の動きが活発化し、構造改善の第一歩と評される基盤整備が進展する。工場数の推移を見ても、74年を境に減少に転じており、近代化の遅れた零細企業の組織化・淘汰が始まったことが分かる。78年度の「砕石業の中小企業近代化計画」も、安定成長期に見合った供給体制の整備に眼目を置いたものとなっており、(1)生産設備の質的近代化(2)企業間の協業化、共同化、合併等の推進(3)競争の正常化、取引関係の改善(4)従業員の福祉の向上、環境の保全を重点項目として掲げている。
  その後、工場数はほぼ一貫して減少が続いており、需要増加にも助けられて価格も物価上昇と軌を一にして上昇した。ただ、バブル期の需要増加によって需給ギャップ解消の足が鈍った感は否めず、74年から86年までの12年間で549工場(年平均45.8工場)減少したのに対し、バブル期の86年から91年までの5年間では142工場(年平均28.4工場)の減少にとどまっている。
  バブル崩壊後は、リサイクル材の利用促進の影響も加わり、生産量はピークだった90年の4億6,000万トンから04年の2億7,000万トンまで41%減少、需給ギャップに苦しんだ75年当時と同水準まで落ち込んでいる。一方、工場数は90年の1616工場に対し、04年は1300工場で19.6%の減少にとどまっている。需給ギャップが解消されないため、価格は94年の道路交通法改正によって過積載に対する規制が強化されたのに伴い、同年から翌年にかけて高騰した以外は下落の一途を辿っている。
  今後、長期的な建設市場に大幅な拡大は望めない一方、コンクリート塊の発生量は増大が見込まれており、砕石需要はさらに減少することが予想される。砕石業の経営環境改善には適正生産規模の確立が不可欠だが、かつて多くの砕石業者が近代化の波に乗り遅れて淘汰されてきたのに対し、現在存続する企業の大半はさまざまな合理化策を講じ、生産性を向上させてきた企業であるだけに、自然淘汰による需給ギャップ解消を待てば、業界全体の疲弊につながるものとみられる。

出典:セメント新聞 2005年5月23日

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