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ひび割れ全体の議論必要/生コン技術大会 乾燥収縮問題で討論

品川氏 「設計・生コン製造で対応を」

ひび割れ(乾燥収縮)については設計や施工、あるいは生コン製造の段階で対応してほしい。4月7日に東京・千代田区の東京国際フォーラムで開催された「第15回(2009年)生コン技術大会」のパネルディスカッションにおいて、パネラーの品川浩司氏(森組砕石事業部統括部長)が要望した。現在コンクリート乾燥収縮対策の主流になりつつある岩種による選別が骨材業者にとって「命取りになりかねない」ためだ。また同討論会では、構造物におけるひび割れ全体の影響を考えて議論していく必要性や、規定を守りさえすれば『ひび割れが起きない』との誤った認識が流布することを防ぐ必要があるなどの提言があった。

今回のパネルディスカッションは、土木・建築学会がコンクリートの乾燥収縮率(ひずみ)を規定化したことに伴い、生コン業界としてどのように対応するべきであるか、また問題点を抽出して関連業界が共通認識を持つ必要があるため開かれた。生コン技術大会でパネルディスカッションが開催されるのは初めて。
テーマは「乾燥収縮の規制に対してどう臨むのか」で、コーディネーターは吉兼亨氏(宇部生コンクリート技術本部長)が務め、パネラーには品川氏のほか、▽東京大学大学院准教授・野口貴文氏▽大林組技術研究所副所長・十河茂幸氏▽関東宇部コンクリート工業技術情報管理部長・副田康英氏▽グレースケミカルズ技術部長・西村正氏−が就き、学識者・建設・生コン・骨材・混和剤の立場から乾燥収縮への対応で意見を交わした。はじめに、野口氏が「JASS5:2009における乾燥収縮に関わる規定」、十河氏が「土木構造物とコンクリートの収縮」、副田氏が「乾燥収縮ひずみの規制に対して」の演題で基調講演し、それらの内容を踏まえて討論会が行われた。
基調講演の中で、野口氏は乾燥収縮試験頻度について信頼性・安全性の面から「第三者機関が年1回行う」ことを提言、さらに現行の試験方法では結果が出るまでに時間がかかりすぎるため早期判定法の導入を提案した。また十河氏も試験頻度は「年1回程度必要」との見解を示した。副田氏は全生連の実態調査結果を報告した後、▽第三者機関で実施できる乾燥収縮試験のキャパシティが(生コン工場数に比べ)少ない▽試験条件の標準化が必要▽石灰石はコンクリート用砕石の16%に過ぎず供給面に不安がある▽協組共販における工場間の使用材料の差がある−ことなど乾燥収縮への対応にはまだまだ問題が多いことを主張した。
一方、討論会では、品川氏が「骨材生産者として自社の製品の乾燥収縮ひずみの把握は当然必要だ」との見解を示した上で、砕石業界では乾燥収縮ひずみのデータ把握の動きが出ていることを紹介。その後、乾燥収縮への対応については「構造設計などでのひび割れの抑制や収縮率が高い材料も現場における適材適所で使用(基礎構造物に使用するなど)、配合見直し・収縮低減剤の活用による生コン製造などで、乾燥収縮への対応を行ってほしい」と訴えた。これは岩種による選別が骨材業者の廃業につながり、将来的に骨材の安定供給に支障を来たす可能性があるため。
また、十河氏が「(乾燥収縮の規定化は最終的に構造物のひび割れを抑制するためのものであるため)乾燥収縮を追い求めるだけでなく、ひび割れ全体の影響を考えて議論する必要がある」ことの重要性を強調した。その上で、「土木の立場から言えば、骨材の粒形判定実積率の改善により単位水量が低減できれば、結果的にセメント使用量が減り、温度ひび割れが抑制できるため、ひび割れ低減効果としては非常に大きい」と述べた。
最後に、吉兼氏が「規定を守れば絶対にひび割れが入らないわけではない」と述べ、規定化による神話化への懸念を表明した。

出典:日本砕石新聞 2009年4月15日

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