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燃料高騰と骨材業界の現状

いま燃料価格の高騰を製品価格に転嫁できず、多くの業種が苦しんでいる。このような中、「このままでは死活問題につながる」として漁業組合が一斉ストライキを敢行し窮状を訴えたことは記憶に新しいが、骨材業界でも同様の理由から各地で燃料高騰に伴うコストアップ分の転嫁を求め、値上げの交渉が進められている。値上げの浸透状況は各企業で異なるが、これが実現できなければ「遠からず破綻を来しかねない」という懸念は全国の骨材企業の共通認識となっている。

値上げの動き活発化

砕石や砂利など骨材の生産工程や運搬時に燃料として使用されている軽油の価格((財)日本エネルギー経済研究所石油情報センター調査)は平成16年まで80円前後で推移してきたが、それ以後、徐々に値上がりを始めた。
当初軽油の値上がり幅は年間約10円超であったが、昨年後半からは米国サブプライムローンの破綻によって投機的な資金が原油先物市場に流入。このため原油価格は史上最高額を更新し続け、軽油の値上げ幅も急上昇した。石油情報センターの調査では、軽油価格(一般小売り・全国平均・8月11日現在)は167円となっている。
こうした状況は重油などほかの燃料も同様であるため、漁業組合が全国一斉ストを実施したほか、トラック業界でも7月末に北海道でデモが行われるなど、各業界が窮状を訴えている。
一方、骨材業界では、今年4月以降から砕石・砂利各社が全国的に値上げ(平均300円)を要請する動きが活発化している。
値上げの浸透状況は各社で異なるが、燃料高騰に伴うコストアップを転嫁できなければ(生産・輸送面を含めて)遠からず破綻を来しかねない」との危機感が強く、燃料高に伴うコスト上昇分の獲得に必死だ。この要因には、現在の軽油価格が10年前と比べ約90円値上がりしている一方で、「製品価格はほとんどが据え置かれたまま」(関東の砕石業者)となっており、生産面では経営が圧迫され、輸送面ではダンプ運転手の廃業・法令違反(過積載の横行)などの輸送問題が深刻化しつつあることがある。
ただ、ユーザーである生コン業界・アスファルト合材業界、またそれら資材を購入するゼネコンも燃料高の影響を受けているほか、鋼材の高騰・景気の減速などに伴う住宅不況という「逆風」も吹いており、値上げ交渉が暗礁に乗り上げかねない可能性もある。
こうした状況を受け、日本砕石協会(山本和成会長)は、全国生コンクリート工業組合連合会・同協同組合連合会と連名で国土交通省に、燃料高騰に対する早期のコスト転嫁を求めて「積算価格に実勢価格を迅速に反映する」よう陳情し、業界の置かれた窮状と「社会資本整備を支える重要な基礎資材(砕石・生コン)の安定供給体制が崩壊しかねない危機性を訴えた。
振り返ると、いまと同じような(燃料高・価格の低迷)状況が昭和50年代にも起こっている。当時もオイルショックなどの影響で軽油価格が倍になり、ダンプの廃業や過積載車両の摘発などが相次いだ。この時は幸いにも軽油価格が落ち着きを取り戻し、平成6年には道路交通法改正で販売価格を含めた窮状が打開された。しかし現在、こうした「神風」は期待できない。主張すべき部分は主張し、それを行動に移していく必要がある。

出典:日本砕石新聞 2008年8月15日

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