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経営・技術イノベーション
最先端事例 Vol.42

羽田の新滑走路工事にWA500‐6がフル稼働 〜羽田拡張工事を支える千葉県の山砂〜

 羽田空港(東京国際空港)の沖合いでは、昨年からD滑走路の建設がスタート。2010年の完成を目指している。滑走路の埋め立てに使われているのは、対岸の千葉県から供給される山砂だ。房総半島の山砂はセメントの骨材のほか、東京湾の埋立地造成にも活用されている。その採掘や荷役にホイールローダ・WA500-6が各所で活躍している。

連携プレーで工事を支える〜「三栄港運」様「共栄運輸」様「千葉石産」様〜
千葉県 木更津市 三栄港運 株式会社
木更津市 共栄運輸 株式会社
君津市 千葉石産 株式会社
良質な千葉の砂が今日の東京湾を生んだ
(左) 三栄港運(株)のヤードでもWA500-6が活躍。
(右) 羽田空港山砂納入安全協議会の会長として、このプロジェクトを取り仕切る三栄港運(株)代表取締役の松田紀道氏。

 羽田空港のD滑走路は昨年3月に着工。2010年に完成する予定だ。3120mの滑走路のうち、南側の1100mは桟橋の構造を採用。これは多摩川の流れを堰き止めないためで、残り2020mは埋め立てで造成される。また離着陸する飛行機が周辺を航行する大型船と接触しないよう、滑走路は海抜約17mまでかさ上げされる。
  埋め立てに使われるのは、対岸の千葉県木更津港から船で運ばれてくる山砂。房総半島は深海で数百〜数千年かけて形成された地層が、約50万年前に隆起して生まれた。地層の中に万田野層と呼ばれる砂礫の層があり、一帯には数十社の採掘業者がある。山砂の主な用途はセメントの骨材だが、東京ディズニーランドや横浜みなとみらい、さらには羽田空港の埋め立てにも使われるなど、東京湾の発展を支えてきた歴史がある。
  そして現在、羽田空港のD滑走路建設に砂を供給するプロジェクトが進められている。  

大規模な工事だからより一層環境へ配慮

 「私が追求するのは1に安全、2に環境です。コマツの重機は安全性が高いのはもちろんこと、燃費がいい。その点で理想にかなっています」
  そう話すのは、関連業者で結成された羽田空港山砂納入安全協議会の会長であり、プロジェクトを取り仕切る三栄港運株式会社代表取締役、松田紀道氏だ。
  同社は木更津港にて、船で砂を運ぶための荷役業務に携わっており、現在の主力はWA500‐6である。他の荷役業者の多くもWA500を使っているが、いち早くコマツ製品を導入したのが三栄港運鰍セった。
  また、プロジェクト全体を指揮する立場として松田氏はいう。
  「D滑走路の工事ではいくつもの山を切り崩し、採掘場と港の間に大量のダンプを走らせます。そのため環境面でできる限りの配慮をしなければなりません」
  D滑走路の工事では、現在1650台のダンプが砂の運搬に従事。採掘現場と木更津港を1日平均10往復している。それによる渋滞や環境への負荷を軽減するため、D滑走路に使う砂を木更津港へ運ぶダンプは、必要な区間の高速道路を無料で走行できる。これは松田氏が千葉県の堂本暁子知事らに働きかけて実現した。

(左) WA500-6で作業効率がアップ。「当初の目標を上回る量を羽田へ運んでいる」という共栄運輸(株)取締役海運部長の斉藤克己氏。
(中) 「重機が大きければいいというわけではない」と港湾荷役の難しさを語る共栄運輸(株) 常務取締役の堀切登美雄氏。
(右) 木更津港にある共栄運輸(株)のヤード。4台のWA500-6が導入され、D滑走路に使われる山砂の約3割を送り出す。
木更津港の荷役でもホイールローダが活躍

 今回は、前出の三栄港運(株)ほか複数の業者でプロジェクトを支えている。
  木更津港で砂の船積みを行う荷役業者の大手・共栄運輸(株)もそのひとつだ。同社は、4台のWA500‐6を所有。前型のWA500も同じく4台稼働しているが、WA500‐6は作業量が2〜3割アップしたという。
  「単純に作業量を増やすのなら、大型の重機を使えばいい話です。しかし狭い空間に多くの車両や重機が動き回るヤードでは、小回りが利いて操作性や視界もいい重機が必要です。弊社も以前は大型のWA600も使っていましたが、取り回しに苦労しました」(同社常務取締役の堀切登美雄氏)
  「WA500‐6のバケットはちょうど10トンダンプの1台分なんです。WA500に合わせてヤードを整備していることもあって、理想的な作業環境を実現しています」(同社取締役海運部長の斉藤克己氏)
  D滑走路の工事では3年間で約3000万m3以上の砂が使われ、共栄運輸(株)はその約3割を担当している。昨年10月のピーク時には、ヤードに砂を積んだダンプが30秒に1台到着。4台のWA500‐6がフル稼働し、20隻ある運搬船で羽田へ送り込んだという。

大型重機の導入で作業効率がアップ

 砂の供給源となる山砂の現場でもWA500が稼動中だ。砂を供給する業者のひとつ、千葉石産株式会社は、長辺が1kmを超える広大な採掘場を有し、セメントの骨材から競馬場のトラック用まで、幅広い用途に対応。羽田空港C滑走路の工事でも実績がある。
  その千葉石産(株)ではこれまで中型の重機を数多く稼働させてきた。大型の重機を使うと砂を運び出すダンプが追いつかず、結果として能力を持て余してしまう。また山砂は限られた資源という考えから、中型の重機で細かく採掘する方針をとってきた。
  しかしD滑走路の工事では大量の山砂が必要になる。そこで昨年10月に初の大型重機としてWA500‐6を導入した。以前は1日約3000トンだった生産量は、現在約5000トン(約3000m3)まで増えているという。WA500‐6について同社代表取締役社長の棚倉英雄氏は語る。
  「作業効率はもちろん、燃費もいいので助かっています。小さな重機と比べると、同量の砂を少ない燃料で効率よく掘削することができるのです。また大型の重機はメンテナンスが面倒と思っていましたが、WA500‐6はとても完成度が高く、扱いやすいですね」
  D滑走路の共用開始で、年間発着能力が29万6000回から40万7000回まで増加する羽田空港。その工事を文字通り“縁の下の力持ち”として、千葉の山砂とWA500が支えている。

(左) 君津市にある千葉石産(株)の現場。柔らかい砂礫の層をWA500-6が慎重にすくっている。
(下) 砂は限られた資源と語る千葉石産(株)代表取締役社長の棚倉英雄氏。
(大地 2008年春号 Vol.99より)
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