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「大型建機で生産性向上をはかり捨石事業の拡大に挑戦する」

 山口県徳山港、西南の沖合い5kmに浮かぶ、周囲12kmの黒髪島。1917(大正6)年、国会議事堂の建設にあたっていち早く、採用決定されたということで名高い徳山みかげを産出する島である。

 黒髪島で、この花崗岩を切り出しているのが黒髪石材株式会社である。黒髪島の採石事業は、明治の初期に始まり、1942(昭和17)年に、それまで個別に採石を行っていた10数人の事業主たちが集まって、黒髪石材を立ち上げたのだという。島のみかげ石は、明治の末には西日本はおろか、海を渡り朝鮮半島、中国、上海、ウラジオストックなどへ運ばれ、海外にまでその名声は及んでいた。同社はその歴史を背負い、国有林である黒髪島の石の採取権を得て、現在も事業を続けている唯一の採石会社である。

 青みがかった美しい灰白色で、銘石の名をほしいままにしてきた黒髪のみかげ石だが、昨今は価格の安い中国産に押されて、墓石や建築石材としての需要が伸び悩み、苦戦が続いてきた。もともと、いかに良質な花崗岩とはいえ、石に黒い斑紋や白い帯状の縞が入っていれば、そちらの用途としては限度があるのだという。

 黒髪石材では、2年前の2000年に事業構造の大きな転換を図った。その事情について、上野和生取締役副社長はこう語る。

 「黒髪のみかげ石は、色、均質な目、模様の美しさなどに定評があり、いまでも人気は高いのです。石にはそれ相応の等級づけをして、注文に応えています。用途としては、墓石をはじめ、長大なモニュメントに使用する、また地震の波動伝播の研究に使用するので切り出してくれ、といった特別な注文もあったりします。しかし、そういう用途に使えるのは、地下から掘り出す量の25%程度、山から出すうちの5%くらいでしょうか。あとは、港湾建設時に海中に投下して地盤を安定させる、いわゆる捨石などの用途がほとんどなのです。私どもの会社では、この捨石の部門にも力を入れて生産量を上げ、利益を目指そうという方向付けをしたのです」

 つまり、高級品であるが少量の切石と、安価ではあっても大量産出が可能な捨石との事業バランスをとりながら、生産性を向上する方向へシフトしたということである。

大型機械PC800とHD405で生産性向上へ挑む

 硬質で重い花崗岩相手の仕事である。島の切り出し現場は、苛酷と言ってもいい迫力に満ちている。ドリル、火薬、大型重機を駆使しつつ、安全確保に細心の注意を払いながら作業を進めなければならない。捨石採取を担当する10数人は島に住んで、この仕事に打ち込んでいる。
 苛酷さは人だけが負っているものではない。何tもある原石を油圧ショベルが持ち上げ、それを載せたダンプトラックが走る。上り下りの傾斜が最大22度の場所もある。この負荷は実際、並のものではあるまい。
 稼動中のPC800とHD405は、この苛酷な条件下でも活躍してくれるだろうという期待を担って、本年9月からそれぞれ2台ずつ導入されたものだという。捨石は月産5万tほど。重機も休みなく働き続けなければならない。

 千幸雄黒髪島事業所所長はこう語る。
 「始業前の点検は綿密にやります。オイルや水、グリスはもちろん、ネジが緩んだところがないかなど、細かくチェックさせています。島だけに故障はダメージが大きい。ちょっと修理に来てくれ、という訳にはいきませんから。故障で1台休車すれば、生産量は半減では済まなくなる。雨が降れば降ったで、あの急斜面を登り降りするのに苦労する。オペレータからは、この過酷な現場で、コマツのショベルとダンプはなかなか善戦していると聞いていますよ。まだ、入れたばかりですが、これからの働きにも大いに期待をしています」
 捨石は、30kgぐらいのものから、1〜2tという大きなものまで、何種類もの大きさに分かれる。港湾建設用の捨石から被覆用の石、魚礁にするものまで、各地の注文主から入ってくるオーダーがそれぞれ違うのだ。その大きさのものをどれだけ、いつ採るかといった生産管理のむずかしさもある。重機が停まればアウトである。コマツの重機が生産性の安定に負っている責任は大きい。

環境保護に配慮した洗石システム

 同社には黒髪島の新桟橋に接して、採取した捨石を洗う設備がある。海中に投下する石についた土、泥で海が濁るのを防止するための工夫だ。これは、1億数千万円を投じて、桟橋を築造した上で桟橋前を浚渫、さらに三つの沈殿槽を設置して、海水を汲み上げて循環させながら石を洗うシステムとしてつくりあげたものだ。各地の漁協の評価も高い。この施設には捨石自体の商品価値を上げつつ、環境問題にも真剣に取り組む同社の姿勢がしっかりと見て取れる。

 「新体制にして会社を動かしはじめてまだ2年。捨石は、大型公共事業で需要が発生するか否かで、売上も大きく違ってきます。その大型公共事業も決定するまで、またそこから動き始めるまで、10年も20年もかかります。私たちも20年先を見据えながら、着実に仕事を進めていくつもりです。あの現場だからある程度、機械は傷む。それでも作業効率と耐久性のバランスを考えながら、長丁場を乗り切っていきたいものです」(上野副社長)
 黒髪島の苛酷な環境下、コマツの重機群が黒髪石材の中軸を担う仕事に応えられるか、楽しみな試練が始まっている。

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