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「ISO14001認証取得で社員の意識改革 環境保護はコスト低減、将来展望につながる 」
新プラントに向けて改善提案運動から始めた

 三重県松阪市に本社を置く松阪興産株式会社の事業展開は手広い。砂利や生コンクリート、砕石やアスファルト合材などに関わる骨材事業部、土木舗装の工事部、コンクリート二次製品を製造販売する事業部、さらにはコンピュータ関連のシステム事業部、住宅事業部まである。なかでも、今回訪れた佐奈工場は、同社のさまざまな事業を支える基盤としての存在だ。

 取締役の山田裕一工場長はこう語る。
 「松阪興産の原点は骨材屋、材料屋です。しかも地元の企業。この佐奈工場から出荷されたもので地元の道路が整備され、建築物などの材料として社会基盤整備に利用されています。『地域への貢献と信頼』が我が社の社是。地元の砕石工場として充実させていかなければ地域に貢献はできません。そうは言っても、騒音や粉塵は砕石という事業の性格上ついてまわります。工場の周囲はお茶やみかんの生産で有名なところです。地域の皆さんの理解なしに事業を続けることはできません。騒音や粉塵、汚濁水の問題を継続的に低減させることも、ISO14001を取得した一環です」

 環境マネジメントシステムを構築し、2000年12月にISO14001認証を取得した佐奈工場では、01年完成の、環境に配慮した最新プラントが稼動している。同時進行の中で、工場では職場環境の問題点を徹底的に洗い出し、その対策を通じて従業員の意識改革に取り組んできたという。

 「それまでの体制は穴の多いものでした。きちんとした書類が整備されておらず、仕事の動きは上司から伝えられたことをこなすというやりかたが基本。記録書類も不備で、管理というにはほど遠かった」

 工場あげての改善提案は「いま・どうなっているか・を見る」から始まった。現状をとにかく丸裸にしてみようという試みだった。仕事を進める上で自分が気づいた問題点について、従業員に、アンケート形式で回答を求めた。山田工場長に言わせると、「惨憺たるもの。書くことを知らん、表現をようせん」であった。

 苦労の試みは日報の改善へとつながっていく。各個人が、その日にやった作業をチェックできるように、職場ごとに統一した用紙に記録するようにしたのだ。日報は、社内での自分の仕事をあらためて見つめ、仕事の意味や原価意識を高めるのに大きく役立った。どうすれば働きやすい職場環境をつくれるか、一人ひとりが問われた。やがて、たとえば積み込みにかかる時間を自分で計るようになり、時間がかかりすぎたのはなぜなのか、仕事を効率よくさばくにはどうしたらいいか、と考える従業員も出てきた。時間単価を頭に入れて仕事の組み立てができるようになった。経営的な視点が現場に芽生えてきたのである。

 現在、日報は月報としてまとめられ、記録されていく体制になっている。従業員が現場に即して改善しようとするものだけに、働きやすい職場は、ISO認証取得を目指す環境保護の活動と一体のものとして、実現されてきたといえる。

一人ひとりの意識改革がISO最大の成果

 「ISOはボトムアップの手法で取得したものです。これが職場の活性化につながりました。プラントといった物理的な存在そのものより、心理的、意識的なファクターが大きい。プラントが変わる、ならば個人も変わらなければと、全員が思うことが大切です。みんなでやる全員参加の仕組みができて初めて、何につけても有効に機能するようになるのです」

 では、ISO運用はどのようになされているのか。一例をあげれば、オペレータがチェックする日報の項目には、(1)省燃費運転ができたか (2)アイドリング・ストップを実施したかあ(3)原石製品の目視を行ったか、など数項目が並ぶ。日報への書き込みは、重機車両運転管理記録表にまとめられていく。騒音や排ガスを抑えるための努力だが、同時にこれが燃費を考え、重機の故障を未然に防ぐ意識にもつながっている。おかげで「重機を動かすにも燃料と効率を考えて、基礎資料を見て判断できるようになった」と山田工場長も語る。

 PC450を操るオペレータは、気を付けている点として、朝の点検、仕事場の足場の確認をあげた後、「仕事を終えた後にオイル漏れがないか確認するなど、故障の早期発見で大事にならないうちに手を打ちます。機械を長持ちさせようという方向に意識が変わってきました」と言う。
 ISOに関わる規律や規則、マニュアルなどを遵守することが、コストを下げる力に直結しているのである。

 砕石プラントの中央操作室では、プラントの動きを自動制御しつつ、主要箇所をモニターに映し出している。トラブルが発生したときには、自動的に警告音が発せられ、問題の現場とすぐに連絡をとれるようになっている。もちろん、一次、二次の破砕設備、積み込み設備のそれぞれのデータは自動的に記録されていく。

 これら最先端の設備の脇に、環境指示書、プログラム運用記録といった、環境マネジメントシステムの分厚いファイルが十数冊も並ぶ。先端のプラントとこの文書の蓄積が一つになって、工場を動かしているのである。

 同工場のISO認証取得の理念は「周辺地域住民の方々のよりよい生活環境を目指し、環境マネジメントシステムを確立し、目的・目標を打ち立て、見直し、継続的な改善を維持する」というものである。同時に、職場環境の改善を全員参加で行ったことで、従業員の意識改革が進み、会社として先を見通す計画も可能になった、と山田工場長は自信をのぞかせた。

 「砕石業界の先行きは確かに厳しい。これからの製品は、単に規格などに合致しているといったレベルではなく、いかにエンドユーザが要求する品質のものを提供できるか、が問われてくるでしょう。道路でも、道を走る人の『こういう路面であってほしい』という発想を実現できる原料にニーズが生まれてくる、ということです。うちはできません、ではその企業の未来はない。これからは量より質、応用を利かせることが大事」
 ISOも含めて、そういったニーズに応えていこうとする基礎はできつつあるということだろう。

 将来を展望するにあたって、工場長がコマツに期待するのは、山をトータルに管理する試みへの協力だ。緑化・植栽を含め、将来の跡地利用を考慮した山の攻め方、重機の活用方法など、計画と管理をきちんと行い、それに沿って石を取っていきたいということだ。環境保護とも深く関わる問題でもある。

 意識改革に取り組んだ工場が軸になって、地域や周囲のサポートを受けながら、どんな挑戦を行うのか、これからが注目される。ボトムアップで作り上げたISOのスローガンが佐奈工場のその心意気を示している。
「一致団結(I) 佐奈工場(S) みんなのために!(O) 初心忘るべからず」

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