KOMATSU
経営・技術イノベーションコマツ・ソリューション鉱山採石テクノロジ業界情報インフォメーション耳寄りリンク集

HOME > コマツソリューション > 導入事例
コマツ・ソリューション
導入事例 導入事例インデックス

環境リサイクルの時代を見据えつつ コスト削減で企業体質強化をはかる
社長の先見性、従業員の自覚がコストを下げ企業を支える

 広島県のほぼ中央の分水嶺にある大見砕石株式会社は1962年、初代社長の柿原吉雄現会長により創業された。創業者の「路線を守りつつ拡大、拡充」の経営理念のもと、今年40年目の節目にあたる。同社は世羅郡の世羅町と甲山町に工場を持ち、砕石の主力となっている甲山工場では、月産4万8000tの砕石骨材を、一方の本社世羅工場は砕石および砕砂、さらにRC材を生産し、出荷にあたっては、周辺地区を大まかにテリトリー分けしている。なによりも二つの工場によって、製品を安定的に供給できる生産能力が信頼のもとである。

 甲山工場では、91年にプラントを一新し生産能力の向上を実現した。60インチの一次クラッシャを備えつけて供給量の飛躍的増大を可能とし、最重要課題だった山陽自動車道建設の骨材需要に応えた。このとき同時にラインを集中管理するシステムを導入して省力化をはかり、コスト削減にも結びつけた。

 柿原直樹代表取締役が言う。

 「広島の砕石工場は、他府県に比べ数は多いが、個々の規模が小さく、大型事業では、その需要に応えられる力があるかどうかが問われます。生産量、供給量での信頼はいただいてきたと思いますが、当社が力を入れてきたのは、会社あげての顧客サービスをいかにして実行していくかということでした。私がよく従業員に言うのは、納期に遅れることなくスムーズに製品を届けるのは当然のこと、運転マナーや安全管理をしっかりして、営業職以外の従業員も第2の営業のつもりでやれ、ということです」

 ”第2の営業“の意味合いについて、柿原社長はさらに熱く語ってくれた。

 「たとえば、現場で一生懸命に石をとっても、最後の運ぶ段階でトラブルが起きればすべてご破算。安全対策と営業活動はひとつのもの、連携し助け合わなければいけないんです。そこは従業員の自覚にかかっていると思います。コスト管理の面でも、機械の修理に伴う部品の発注については、現場の人間に権限委譲して、稟議は挙げさせるものの、発注自体は個々に任せ、後で報告を聞くという形をとっています。信頼して任せれば、従業員はどこまでも成長してくれます。下から積み上げる形のそういう意識改革を、10年くらいかけてやってきました。以前は外注していた機械のオイル交換も、今は自分たちでやりますし、プラントの修理でも少々のことなら、溶接など自社ですませてしまいます」

 実際に12年が経過したプラントは、管理がしっかりしている分、傷みはあまりない。むしろ8〜9年と考えた償却期間を終え、現在も消耗品を交換するだけで十分に稼動しているのだ。さらに世羅工場には580kwの常用発電機を設置し、電力費の削減を果たしている。高額の基本料金を否応なく支払わなければならない電力会社との契約と違って、これは砕石製品の需要減に「発電機を止めれば、金はかからない」(柿原 社長)という対応ができる。発電機は順調にプラントを動かしており、約5年で償還できる見通しだ。実績が上がるに伴い、甲山工場への導入も検討しているところという。

 柿原社長の見通しの確かさは、砕砂プラント導入のタイミングを見ても分かる。広島県では、周知のように98年から海砂の採取が禁止されている。社長ご自身は、結果としてそうなっただけと言うが、海砂採取禁止の数年前にプラントを準備し量産に備えている。RC材生産の取り組みも他社に先駆けて行っており、環境リサイクル問題をテーマに動く時代の風を敏感に受け止め、事業を新展開しようとするスピリッツが伝わってくる。

環境リサイクルの夢実現へチャレンジ精神で臨む

 大見砕石の工場現場を訪ねて、驚きを覚えるのは事務所のきれいさである。事務所にとどまらず、最上部の切り羽で稼動する重機や車両周辺はおろか、工場に入ってくる道路も見事に清掃が行き届いている。先述した従業員の自覚によるものに違いないが、環境リサイクルに関わる事業者としての真摯な姿勢を感じる。

 「ご近所に迷惑をかけないように、製造過程で使用する水は循環させてここで処理するとか、道路に石ころひとつ落ちてないようにとか、当然のこととしてやっています。きれいに仕事をするのは、安全面でも環境面でも重要なことです。40台ほどある現場の機械も環境に配慮して、最近導入した機械はすべて排出ガス規制をクリアしています」(柿原社長)

 グループ内に、オーミ測量という会社をもっているのも大見砕石の強みである。通常、許認可申請には多くの手間と経費が必要となり、コンサルタント会社に依頼すれば、数百万円から一千万円を越えるような金額がかかることも少なくない。それを大見砕石では、はるかに安くこなせる。設計・開発・申請に関わるコストを、グループ内で連環・吸収しながら挑戦できるわけだ。

 グループ会社の総合力で不況の時代を乗り切る努力とともに、今、柿原社長が新たな環境リサイクル事業の夢をかけて精力を注ぎ込んでいるのが、砕砂製造過程で発生する脱水ケーキの有効利用である。

 「脱水ケーキは、捨てれば産廃、加工すれば製品です。脱水ケーキに石灰、セメントを混ぜて路盤材などとして使えないものか、と考えているのです。うちではセメントを入れて製品化したい。現在は研究・実験の段階ですが、解決しなければならない課題が見えてきたところです。いつか必ず製品化に持ち込み、ゆくゆくはプラントとして組み上げてみたいと思っています」

 生産量が増えればコストは下がる。しかし、山陽自動車道建設やダム工事といった大型公共事業が一段落して、現在のように需要が落ちてきたとき、どう乗り切るのか。柿原社長が強調するのは「人」である。より正確に言えば、責任を持って仕事に取り組む従業員と、代表取締役の柿原社長のアイデアや先見性が結び合ったときに、実力を発揮するということである。

 「波をどう見通すか、その目が試されます。需要が減ったとき規模を縮小できる会社が強い会社でしょう。防御のときでも、しっかり企業が存続していける体質が必要なのです。もちろん、それは従業員の頑張りにかかっています」

 同社は、損益分岐点をぎりぎりまで下げつつ、従業員のリストラをあくまで避けて、定年退職による自然減で人員調整をしてきた。大見砕石が懸命の経営努力で企業体質の強化をはかってきた一方で、銀行や大手ゼネコンの大きなツケを同社や同業の人々が払わされている、という苦い思いもあるという。

 先見性を持つ経営者は、厳しい情勢に直面しつつも、働く人々への信頼を持って、夢のある新事業を切り開きつつある。

このページのトップへ

BACK NEXT

Copyright (C) 2005 Komatsu Ltd. All rights reserved. ご利用上の注意 | お問い合わせ | サイトマップ
HOME