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鉱山採石テクノロジ
資源開発フロントライン

Vol.2 鉱山採掘・選鉱プロセスのライフサイクルインベントリ分析
前回は、資源開発活動によるエネルギーと資材の消費量ならびにCO2排出量を推定する方法であるLCAやLCIについてご紹介しました。
今回は、この手法で資源開発の中で行われている鉱山採掘・選鉱プロセスのインベントリ分析について見ていきます。尚、この内容は前回同様東京大学生産技術研究所の安達准教授より提供戴いた資料を編集したものです。
 

 前回各種容器のCO2排出量分析で見たように、製品や素材に関するLCAやLCIの事例研究は増加してきています。しかし残念ながら、それら多くの研究ではライフサイクルの出発点である資源生産のことは考慮されていません。国内外の鉱山におけるインベントリデータは限られており、特にわが国は金属鉱石の大部分を輸入しているため、データの把握が非常に困難です。
  そこで詳細なデータを求めるのではなく、公開されている鉱山の基礎的なデータからインベントリを推定しようとの試みが東大安達研究室で行われています。安達研究室では、LCIを推定するデータベース(MLED: Mining LCI Estimating Database)を開発し、鉱石の採掘から製錬工程までを含んだ、日本における銅地金の平均的なCO2排出量単位の推定を行っています。
MLEDは、アメリカ鉱山局が開発した費用推定システムをデータベース化して、そこからエネルギー・資材の費用と消費量を推定するものです。求められた消費量にCO2排出係数を掛けることで、各プロセスで排出されるCO2量が算出されます。もととなった費用計算の式はアメリカの約250鉱山から求められたものです。

図1.MLEDによる費用とCO2排出量の算出方法
図2 MLEDのインターフェース画面
データベースは、坑内掘採掘・露天掘採掘・選鉱といったプロセス別に用意しています。
図3 坑内掘鉱山での計算結果の例
今回行ったLCIのシステム境界は図4と図5のとおりで、採掘および選鉱プロセスについての操業中および開発段階について調査しました。開発段階には、地表の伐採・表土除去から坑道の掘削、およびプラント建設など操業に必要な準備のための開発やインフラ整備が含まれています。操業に関しては、発破のさく孔から、鉱石の運搬、鉱石の破砕から選鉱を経て、精鉱が貯蔵設備まで運搬されるまでを含んでいます。
図4. LCIのシステム境界
図5. 採掘・選鉱プロセスのシステム境界
また、インベントリの投入材は図6のとおりです。
・鋼材、木材については、種類が特定できないため、原材料段階でのインベントリを集計
・修理部品は、部品の特定ができないため全て計算対象から除外しました。
図6. インベントリ投入財
以上の条件により、わが国が輸入している銅鉱山毎の基本的なデータを集め推定したCO2排出原単位は図7のようになります。
11鉱山でのプロセス毎のCO2排出原単位がわかります。
図7. 銅地金生産の推定されたCO2排出量原単位

この結果より次のようなことが判明しました。

・国内の銅地金のCO2排出量単位は、2.38-CO2/kg-Cuと推定された。
・銅地金のCO2排出原単位に占める採掘・選鉱山プロセスの割合は50〜70%である。
・素材に近い製品のLCIでは無視できない値であると言える。

要約した内容ですので、説明に不備もありますが、一例としてこのような資源開発に伴う環境負荷を推定する試みがなされていることをご理解戴けたかと思います。
次回は、価格などの不確実性を考慮した資源開発のプロジェクト評価手法として、リアルオプション分析をご紹介します。
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