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M&M研究会[九州地区]
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M&M研 砕石戦略U開く
(社)日本砕石協会九州地方本部(本部長=矢野産業渇長・矢野久也氏)傘下のマーケット&マネジメント研究会(会長=(株)大坪砕石代表取締役専務・大坪隆治氏、以下M&M研)は10月24日、福岡市博多区のホテルニューオータニ博多で「砕石戦略セミナU〜砕石業界への提案〜」を開催した。参加者はM&M研や九州地本の会員をはじめ、岩手・関東・広島の若手組織の会員など300人を超えた。当日は2本の特別講演のほか、M&M研4部会の活動報告やB会員による砕石業界への提案などが行われた。

全国から300人超が参加 農業・エネルギー部会を設置へ

大坪隆治会長
大坪隆治会長
砕石戦略セミナUは、2年前に開催されたセミナ「砕石戦略セミナ〜これでいいのか砕石業〜」以後にM&M研が検討を重ねてきた成果を発表するため開かれた。
冒頭、主催者を代表してあいさつに立った大坪会長は「『世界同時不況が始まったのではないか』という憶測をよく耳にするが、いまの社会情勢は動きがあまりにも早すぎて先が見えない。砕石業界は長い不況下にあるが、今回の金融危機がわれわれの業界にどう影響してくるのかが非常に心配なところだ。しかし、世界がどうなろうと、あるいは日本がどうなろうと、まず自分の会社を強くするために努力を重ね、そして生き残っていくことが重要だと思う。そのような中、M&M研では前回のセミナ以降も活動を重ねてきたが、今回その成果を発表することになった。検討してきた中で、とても有意義だったのは生コン業界とナマの話ができたことだ。このつながりを継続していきたい。また、今後はいままでの運営・活動を持続しつつ、農業とエネルギーに関する部会を立ち上げて検討していきたい」と述べた。
続いて、矢野本部長が挨拶した。同氏は、米国の金融危機から国内経済が悪化していることを指摘したうえで、「砕石業界の経営環境は非常に厳しい状況にあるが、(今回の金融危機で)さらに悪化する可能性もある。(企業としては)そのような環境の変化を捉えながら、安全作業を推進していくことが今後一番大事になるのではないか」との考えを示した。
広田正典部長
広田正典部長
その後、矢野本部長がセミナの剰余金の一部を日本赤十字社に寄付した。
来賓祝辞では、経済産業省九州経済産業局資源エネルギー環境部長・廣田正典氏があいさつした。廣田氏は「骨材はわが国の国土形成の基本であり、産業や生活を支えている欠かせない資材である。公共工事の減少・再生骨材の利用促進・原燃料価格の高騰と非常に厳しい状況にあるにもかかわらず、資源の確保や品質管理の徹底、さらには環境問題への対応、災害防止の推進などに力を入れていただいている。採石業界はこれからも無くてはならない産業である。ぜひ足腰を固めて今後も頑張ってほしい」と採石業が重要な産業であるとの認識を示したうえで、厳しい経済環境下だが採石各社の奮起・活躍に期待を寄せた。また、同氏は「こういう時代は将来を見越した新しいアイディアを出して技術開発あるいはサービス提供を行い、今後の経営に活かしていくことが一番重要。M&M研の活動はその考えに添ったものだと思う。本日参加の方々もこのセミナを機にヒントを得て、将来を見越した企業展開をしてほしい」と述べ、M&M研が時宜を得た活動を行っているとした。
その後、B会員(重機や破砕機メーカー、販売店など)11社が「砕石業への提案」と題し、農業やリサイクルなどの新規事業、品質や安全管理などプラントの設備改善に関する提案を行った。
また、B会員各社は別会場で提案内容などを紹介するブースを出展した。
セミナー風景
セミナー風景

生コンと砕砂を研究 「骨材」と「新事業」で特別講演

矢野久也本部長
矢野久也本部長

情報交換会で挨拶する南専務
情報交換会で挨拶する南専務
続いて、M&M研の5つの部会のうち、▽ホームページ▽陳情・請願▽高品質路床材▽生コン砕砂の4部会が部会報告を行った。
このうち、ホームページ部会(報告者=(株)朝倉社長・江藤和広氏)は今年8月に完成したM&M研独自サイト(http://www.mmken.com/)について報告し、陳情・請願部会(同=加藤産業(株)社長・加藤博文氏)は発注官庁に陳情請願を行う際のひな形となるマニュアルを紹介したうえで「これを活用して関連機関に繰り返し陳情を行って業界の要望を通していくことが大切だ」と訴えた。
高品質路床材部会(同=才田砕石工業(株)・金子辰生氏)は「砕石副産物を製品化し販売したい」というニーズを受けて開発されたHC複合路床材について説明した。
また生コン砕砂部会では、M&M研と生コン業界が共同研究した「砕砂」に関する報告が行われた。
はじめに、松本卓志部会長(寿砿業(株)社長)が共同研究に至る経緯や砕石および生コン工場に実施した砕砂に関するアンケートの調査結果を説明したあと、福岡県生コンクリート工業組合青年部・内田郁氏(株)柏木興産第二工場長)が「砕砂(湿式・乾式・石灰石)実証実験からの考察乾式砕砂のイメージが変わった」の演題で講演し、3種類の砕砂に関する試験練り結果を報告。内田氏は個人的見解としながらも「乾式・湿式砕砂ともにコンクリート用骨材として問題なく使用できる」と述べた。続いて、福岡生コン工組技術部長・田口茂久氏が「生コンクリート用骨材についての要望」の演題で講演し、▽骨材とコンクリートの耐久性▽単位水量管理など昨今の「骨材問題」について触れた。この中で、田口氏は乾燥収縮について「材料は地産地消が望ましい。このため岩種ではなく生コンの配合上で対応すべき問題」との私見を示した。そのうえで、砕石業界に対し▽粒形判定実積率の改善▽粒度分布の変動幅の抑制など品質管理の徹底を要望した。
部会報告のあと、講演会に移り、▽次世代に遺せるものづくり〜1000年以上経過した既存構造物から見た骨材〜(講演者=東北大学大学院准教授・久田真氏)▽時代を乗り切るためには・・・〜砕石ビジネスの先に〜(同=経済産業省九州経済産業局産業部次長・井手信一氏)の2本の特別講演が行われた。
講演会終了後には、会場をB会員の展示ブースに移し意見交換会が開催され、参加者とB会員、参加者同士の活発な意見交換や議論が行われた。
歓談後に、才田善之副本部長((社)日本砕石協会福岡県支部長・才田砕石工業(株)社長)が閉会の辞を述べ、セミナが終了した。


【講演1】
次世代に遺せるものづくり-1000年以上経過した既存構造物から見た骨材
東北大学大学院准教授 久田 真

久田真准教授
久田真准教授
コンクリート用骨材は、一般的に「清浄、堅硬、耐久的であってゴミ・泥・有機不純物・塩化物などを有害量含んではならない」とされているが、いまも構造物が現存している古代ローマ時代のコンクリート構造物の骨材には吸水率の高いレンガなどが使われている。それを考えると、JISの品質項目を満たせば「良い骨材」と言えるのか、疑問を持たざるを得ない。一方、「良い骨材」の条件は立場(骨材・生コン・施工・維持管理・発注者)によって異なる。例えば、骨材製造者は歩留まりや生産効率などをあげるが、生コンは品質の安定性、施工者は流動性・ひび割れ・耐久性などを「良い骨材」と言う。
そのような中、いま、骨材を取り巻く環境は▽天然資源の枯渇▽環境保全▽廃棄物・副産物の利用促進▽次世代への資源の温存-などによって大きく変化しており、骨材が良かろうが悪かろうが「地産地消」の考えのもとで有効利用するような「ものづくり」が求められている。これはコンクリートの製造技術の創意工夫で対応できるはずのものであると思う。
このほか、食品関係などで様々な偽装事件が起きているが、建設業界においてもコンプライアンスは非常に大きな問題であり、トレーサビリティは今後大事になる。そのためにもコンクリート構造物の建設に携わるすべての業界が情報を共有できる「風通しの良い枠組み」を作っていくことが重要となる。そして、そういう仕組みを作らなければいつまで経っても古代ローマ時代のような1000年持つ構造物を作ることはできないだろう。


井手信一次長
井手信一次長

【講演2】
時代を乗り切るためには・・・-砕石ビジネスの先に
経済産業省九州経済産業局産業部次長 井手 信一
原油や原材料価格の高騰などを価格に転嫁できずに赤字生産となり、九州でも中小企業の倒産が出てきている。建設業関係では、それに加え、建築基準法の改正や工事の減少などによって倒産が増えており、特に設備投資費用を返却しながら収益をあげてきた企業の倒産・廃業が続いている。
このような環境の変化を乗り切るために、企業は「経営革新」を図っていく必要がある。国には新規事業などの経営革新計画を助成する制度があり、採石業では▽重機などの効率化を図りコスト削減した▽セメントと砕砂をプレミックスし袋詰めして販売した-事例なども出ている。このほか、新規事業としては▽農業▽高齢者支援事業▽介護事業▽育児支援▽健康・福祉事業-なども考えられる。もちろん新規事業は実現性・競合性・市場性・成長性などを考えなければならず、経営はなかなか難しい。自社のポテンシャル(人・モノ・金・情報)と地域のポテンシャルを考えて事業をどうするのか選択していくことが重要だ。


8会員11社がプレゼンテーション

(1)コマツ建機の省エネ運転支援の紹介(コマツ西日本(株))
いま、砕石場においても省燃費運転が求められている。省燃費とは「生産量あたりの燃料消費量をいかに少なくしていくか」である。当社はこのニーズに応えるため、省燃費型建設機械の発売や省燃費運転講習会を実施している。

(2)流動化処理土工法について(麻生ラファージュセメント(株))
公共工事などから発生する土砂産出量は現在、搬入量の約2倍に達している。その一方で、利用率は約60%と低い。これらの問題を解決する方法として流動化処理土工法がある。同工法は、建設現場から発生する土や汚泥などを加工・管理し、流動性と自硬性を持った高品質の埋め戻し充填材として再利用する技術である。

(3)泡と特殊ミストで粉塵防止((有)ベック九州)
砕石工場から発生する粉塵を、水に一定量の粉塵防止剤を添加した泡もしくはミストで防止する工法を紹介したい。泡は直接砕石機内に散布し、ミストはベルトの乗り継ぎ部などに噴霧するが、いずれも粉塵防止剤を添加したことで水が粉塵と馴染みやすい性質を有しており、少ない水量で粉塵の発生量を大幅に抑制することができる。

(4)石灰による改良プラントシステム(宇部マテリアルズ(株))
年間約2億トン発生している建設発生土を有効利用する方法として『石灰を使用した改良プラントシステム』を提案したい。九州地区では数社がこのシステムを導入しており、砕石微粉末(脱水ケーキ)に切り込みズリを加え、さらに生石灰を1%程度添加したものを「HC複合路床材」として販売している。

(5)プラントにおける安全性向上の提案-ベルトコンベヤ編((株)シンコーサービス)
砕石場における労働災害の中でベルトコンベヤに起因する事故は非常に多い。もちろん各事業所でもそういう認識を持ち注意しているのだろうが、事故は減っていない。生産性・利便性を重視し過ぎていないか、またメンテナンスはきちんと行っているか改めてよく考えてほしい。そして、何かあった場合は当社に相談してほしい。

(6)環境にやさしい多機能乾式分級選別機 (コトブキ技研工業(株))
乾式製砂システムV7で培われたノウハウをもとに開発された多機能分級選別機『ヴィクトリーセパレータ』(通称=Vsepa)は(1)粗骨材・細骨材・フィラーのふるい分けと分級が可能(1)環境面に最大限配慮した設計(無粉塵)(3)コンパクトな設計(従来スクリーンの3分の1以下)-などの特徴を持っている。

(7)ドラムロッドスクリーンの設置展開と用途展開(轄K袋テクノ)
『ドラムロッドスクリーン』は、フレキシブルに保持された高い剛性を持つロッド材で構成された円筒形のスクリーン。このドラムを高速回転させることで(1)原料同士のせん断(2)原料によるタッピングボール(3)角棒による掻き揚げ・せん断・剥離(4)遠心分離(5)空気巻き込み-作用が生じ、付着性の高い原料や400トン塊も処理できる。

(8)粒形改善機マルマール試験結果報告(クリモトメック(株))
マルマールは、箱型の非回転方式ケーシングと、その内部を貫通し螺旋状に特殊ハンマを装備したロータで構成される粒形改善機。ケーシング内部に形成されたデットストックとハンマの強い圧縮力が骨材同士の「擦る・揉む」作用を生み出し、粒形や吸水率が改善される。本体角度調整機構などで原料の滞留時間(粒形)を調整できる。

(9)廃コンクリート再生骨材製造設備実証実験について(ラサ工業(株))
現在、廃コンクリートから骨材を回収し、構造物に再利用することが検討されている。そこで、粗骨材磨砕機『バイブロミル』と細骨材磨砕機『ジャイロリック』を紹介したい。両機とも粒子間破砕による優れた粒形が特徴で、JIS・A5021(再生骨材H)の規格を満たす製品を製造できる。磨砕回数が多いほど粒形は改善される。

(10)日立グループによる砕石場跡地への有効活用提案〜農業分野(日立建機(株))
法改正に伴い、いま株式会社の農業参入が増えており、建設関連業界から環境機械や堆肥舎・温室などの問合せ・相談が増えている。そこで、砕石業界にも保有資源(採石場跡など)を活かし農業参入することを提案したい。当社では、工事・栽培指導から市場出荷までをサポートしている。農業のほかには、屋内野球練習場や倉庫など遊休地を活かした事業支援も実施している。

(11)農業への取組み〜竹粉・電解水を利用した土づくりの紹介(キャタピラー九州(株))
日本の食糧自給率は非常に低い。砕石業における多角化の一事業として農業への進出はどうだろうか。当社が提案する「竹粉・電解水を活用した農法」は化学肥料や農薬に頼らない有機農法であり、安心・安全・おいしい野菜作りができる。農業は放置竹林などの問題解決による地域貢献のほか、遊休地や採石跡地の活用にもつながる。

ブース会場
ブース会場
出典 日本砕石新聞 平成20年10月30日

■お問合せ (社)日本砕石協会九州地方本部(M・M研究会事務局)
TEL:092-482-4040
FAX:092-441-1966
mail:saiseki-fukuoka01@guitar.ocn.ne.jp
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