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鉱山採石テクノロジ
認可取得サポート コンサルタントが行く! Vol.8

採掘計画・設計のミニ知識(5) 排水設計

山林に採石場を開く場合は、大雨の時の災害防止や下流河川に汚濁水を流さないようにするために雨水・排水を適切に行うことが非常に大事になります。
今回は「採石法」と「森林法」に準拠した雨水排水量の計算方法や排水計画・調整池設計実施のポイントを簡単に紹介します。

判定の基準

(1)最大の降雨の場合にも排水施設が余裕を持って排水できること。
(2)排水施設の排水量>雨水排水量。

雨水排出量の計算

流量は原則として「マニング式」により求めます。 Q=1/360・f・r・A

Q:雨水流出量 (m3/sec)=1/360×f:流出係数×r:設計雨量強度×A:集水区域面積(ha)

a.流出係数は表1を参考にして決めます。
b.設計雨量強度は表2を参考にして決めます。

表1:流出係数 f 表2:設計雨量強度 r (福島県白川地区の例)
地表状態 浸透能小 浸透能中 浸透能大
林地 0.6〜0.7 0.5〜0.6 0.3〜0.5
草地 0.7〜0.8 0.6〜0.7 0.4〜0.6
耕地 0.7〜0.8 0.5〜0.7
裸地 1.0 0.9〜1.0 0.8〜0.9
確率年 10分 20分 30分
3 84.45 64.82 53.88
5 97.13 74.71 62.23
10 112.91 87.18 72.84
20 136.51 105.83 88.68
排水施設排水量の計算

排水施設の排水量は次の式で求めます。 Q=A・v

Q:排水量(m3/sec)=A:水路の断面積(m2)×v:平均流速(m/s)

平均流速(v)はマニングの式により求めます。 v=(1/n)・R2/3・I1/2

v:平均流速(m/s)=(1/n:粗度係数)×R:径深2/3×I:勾配1/2

Rの径深は水路の断面積/潤辺(流水時に水路の横断面における水の接する辺長)で求めます。R=A/P

粗度係数は右の表3を参考にしてください。   表3:マニングの粗度係数n値(抜粋)
材料及び潤辺の状態 nの値
管路 鋳鋼管 0.011〜0.013
コンクリート管 0.012〜0.016
開渠 土開削水路(直線状) 0.017〜0.025
岩盤削水路(平滑) 0.025〜0.035
排水路計画の留意点
排水施設の排水量は次の式で求めます。
(1) 流域
 
a. ・地形を読む。→「採掘計画・設計のミニ知識(1) 地形図の見方と地形の3次元化」を参照してください。
  ・尾根線を読む。(流域界の把握)
  ・地形を見て降った雨はどこに向かって集まるか。
b. ・排水路のためにはあまり大きな流域としない。
  ・流域が広いと雨水の流入量が多くなるため、排水路も大きな断面が必要。
(2) 排水路の位置
 
a. 地形上、最も低くなり雨水が集まるところ。
b. 沢部。
c. 調整池に向かって流せるところ。
(3) 排水施設の構造は次の点を考慮しましょう。
 
a. 排水施設は、立地条件を勘案して堅固で耐久力を有する構造で、漏水が最小限度となるよう壊れた場合は補修をします。
b. 放流によって地盤が洗採されるおそれがある場合には、水叩きの設置その他の措置を適切に講じるようにします。

演習問題

それでは、いつもの地形図を使って、排水設計の演習をしてみましょう。

[設問1]排水路の設置
右図のような切羽を計画しています。
次の条件に基づいて水路を設置する位置を設定してみましょう。


条件1.切羽の最も低いところに水路を設置する。
条件2.沈殿池に流下させる。
条件3.沈殿池からは既存水路に流下させる。

地図上にマウスを重ねると回答がでます。
破線が水路位置です。
   
[設問2]水路断面の確認
設問1はできましたでしょうか?
続いてそれぞれの水路の断面で雨水があふれないか検討してみましょう。
次の条件に基づいて、「排水施設の排水量>雨水排水量(流出量)」を確認してみましょう。


条件1. (1)、(2)、(3)を水路として計画する。
条件2. (1)と(2)は素堀水路(750/250×500)とする。
(粗度係数 n=0.035)
条件3. (3)は勾配が急なため、コルゲート管(φ200)にて既存水路に導く。(粗度係数n=0.012)
条件4. 降雨強度(r)=100mm/h
条件5. 流出係数は「林地0.5」「裸地0.9」切羽内はすべて裸地として計算すること。
 

おわかりになりましたでしょうか?
(1)まず、水路毎に流域を考えます。
(2)流域ごとに雨水の流出量を計算します。
(3)水路断面毎に、排水施設の排水量を求めます。
(4)排水施設の排水量と雨水排水量と比べます。「排水施設の排水量>雨水排水量(流出量)」であればOKです。
(5)流量計算書の完成です。

[流量計算書]
排水設計についてご理解いただけたましたでしょうか。これで排水設計は終了です。
次回は「調整池設計」のポイントをご紹介します。
※次回更新は2006年3月第2金曜日(10日)の予定です。
編集協力:株式会社協和コンサルタンツ
協和コンサルタンツは、コマツのパートナー企業です。
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